【完全ガイド】帰化したら本籍地はどうすれば良い?正しい決め方と制度解説

はじめに

帰化申請が許可されて日本国籍を取得すると、日本の戸籍制度に組み込まれます。
この時、必ず必要になるのが「本籍地」の設定です。

しかし実務上、多くの方は帰化申請中、本籍地について深く考えていません。
「現住所にすべき?」「皇居にできるって本当?」「後から変えられる?」など、疑問は意外と多いものです。

この記事では、本籍地の決め方・注意点・帰化後の流れを正確かつわかりやすく解説します。


1. 帰化後に本籍地が必要になる理由

1-1. 戸籍制度に組み込まれるため

帰化許可が下りると、法務局から住所地の市区町村役場へ通知が送られ、役場が新しい戸籍を作成します。
この戸籍には必ず本籍地が記載されます。

1-2. 本籍地は「戸籍を保管する場所」

本籍地とは、あなたの戸籍謄本を保管している市区町村内の地点(地番または街区符号)を指します。
住所とは異なり、実際に住んでいなくても設定可能です。

1-3. 本籍地が関係する手続き

  • パスポート申請(戸籍謄本が必要な場合)
  • 婚姻届・離婚届・出生届などの提出
  • 相続・不動産登記時の戸籍取得

2. 本籍地の決め方と法的自由度

2-1. 法的根拠

本籍地は戸籍法の制度設計上、日本国内の存在する地番や街区符号のある場所であればどこでも設定可能です。
現住所である必要はなく、過去の住所地、親族宅、思い入れのある場所も選べます。

2-2. 本籍地にできる場所

  • 現在の住所
  • 実家や親族の住所(承諾が必要な場合あり)
  • 思い出の地(留学先の町など)
  • 象徴的な場所(例:東京都千代田区千代田1番/皇居)

2-3. 本籍の書式

  • 地番区域の場合:「〇〇市〇〇町〇番地」
  • 住居表示区域の場合:「〇〇市〇〇丁目〇番」や街区符号のみも可
  • 建物番号の「○号」は付けないのが原則

3. 実務でよく選ばれる本籍地のパターン

パターンメリットデメリット実務おすすめ度
現住所管理が簡単、手続き時に本籍を覚えやすい引越しのたびに変える可能性あり★★★★☆
実家の住所家族と同じ本籍で一体感実家の事情で変更の可能性あり★★★★☆
皇居など象徴地引越しに影響されない、特別感実務上の利便性は低い/千代田区は推奨せず★★★☆☆
思い出の地記念になる実務上はやや不便★★☆☆☆

実務的には、利便性を重視するなら「現住所」か「実家」が無難です。
遠方の本籍だと戸籍取得時に郵送請求が必要になります。


4. 本籍地を決める際の注意点

4-1. 架空住所は不可

存在しない地番や廃止された住所は設定できません。

4-2. 後から変更は可能

本籍は転籍届でいつでも変更できます。届け出は本籍地・新本籍地・所在地のいずれの市区町村でも可能で、郵送提出にも対応する自治体があります。


5. 帰化後の戸籍登録と住民票の反映

  1. 帰化許可通知の受領
    法務局から許可の連絡後、通知書が届きます。
  2. 役場による戸籍作成
    申請書に記載した本籍地をもとに戸籍が作られます。
  3. 住民票の記載
    本籍地・筆頭者は原則省略されます。表示を希望すれば住民票の写しに記載可能です。日本人の住民票に国籍は通常記載されません。
  4. 戸籍謄本の発行
    自治体によりますが即日〜1週間程度で取得可能。

6. よくある質問(Q&A)

Q1. 現住所以外でも本籍地にできますか?
A. はい。日本国内の存在する地点なら自由に設定できます。

Q2. 帰化後に本籍を変えられますか?
A. 可能です。転籍届を役場に提出します。

Q3. 皇居を本籍にするのはおすすめですか?
A. 法的には可能ですが、千代田区は推奨していません。実務利便性は低いです。


7. 関連記事


参考リンク

無料相談

まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。
 
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法