再入国許可を使わずに出国した場合のリスクと対応策

日本で在留資格(ビザ)を持って生活している外国人が、再入国許可を取得せずに出国してしまうと、予想以上に大きなリスクが発生します。本記事では、再入国許可を使わずに出国した場合の影響、発生するリスク、そして取れる対応策について、実務的な観点から詳しく解説します。


1. 再入国許可とは?

再入国許可とは、日本に在留している外国人が一時的に国外へ出国し、再び日本に戻るために必要な手続きです。

  • 通常の再入国許可:最長5年間有効(在留期限内まで)
  • みなし再入国許可:在留カードとパスポートを提示して出国するだけで取得できる簡易制度。有効期限は1年

➡ 詳細は法務省の公式説明をご参照ください。
出入国在留管理庁|再入国許可申請


2. 再入国許可を使わずに出国した場合のリスク

(1) 在留資格の失効

再入国許可を取得せずに出国すると、その時点で現在の在留資格は失効します。
つまり、これまでのビザは使えなくなり、日本に戻るには新たに査証(ビザ)を申請する必要があります。

(2) 日本での生活基盤の喪失

  • 就職先での雇用契約が打ち切られる可能性
  • 賃貸契約や銀行口座の継続が困難になる
  • 健康保険や年金の資格も失う恐れ

(3) 永住申請や在留資格更新への影響

出国記録が永住許可審査や次回更新審査にマイナス材料となる場合があります。
特に永住申請では「継続して日本に居住していること」が条件のため、大きなマイナス要因となります。


3. よくあるケースと注意点

ケース結果
再入国許可なしで1週間だけ海外旅行出国時点で在留資格失効。戻るには新規ビザが必要
みなし再入国許可を使って1年超えて帰国在留資格失効
在留期限ギリギリで出国し更新手続きせず再入国不可+新規申請必要

4. 対応策

(1) 出国前に再入国許可を取得

  • 通常の再入国許可:出国前に地方出入国在留管理局で申請
  • みなし再入国許可:在留カードとパスポートを持参して「みなし再入国出国記録」を申告

(2) 緊急で出国する場合の対応

やむを得ない事情(親族の危篤・葬儀など)で再入国許可が取れない場合は、出国前に入管に相談し、可能な限り記録を残すことが重要です。

(3) 出国後に気付いた場合

出国後に「再入国許可なし」であることに気づいたら、現地の日本大使館や総領事館に連絡し、帰国のためのビザ申請を行います。


5. 関連リンク


6. Q&A

Q1. 再入国許可を忘れて出国しました。日本に戻れますか?
A1. いいえ、在留資格は失効しているため戻れません。新たにビザを申請する必要があります。

Q2. みなし再入国許可を使いましたが、予定より長く海外に滞在しました。
A2. 1年を超えた場合は在留資格が失効します。帰国には新規ビザが必要です。

Q3. 永住者も再入国許可が必要ですか?
A3. 永住者も必要です。ただし、みなし再入国許可の利用は可能です。


まとめ

再入国許可を取らずに出国すると、在留資格が即時失効し、日本に戻れなくなるという重大なリスクがあります。
短期間の旅行であっても必ず再入国許可を確認し、手続きを済ませることが重要です。特に永住申請やビザ更新を予定している場合は、出入国履歴が審査に影響するため慎重な行動が求められます。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法