【知らないと危険】永住者の出国ルールと再入国許可の全知識

はじめに

日本で永住者ビザ(在留資格「永住者」)を持つ方が長期出国する場合、出国手続きを誤ると、永住資格を失う可能性があります。
この記事では、永住者が出国する際の注意点を、出入国在留管理庁の最新情報に基づき、実務経験に沿って解説します。


1. 永住者ビザの有効性と出国の基本ルール

永住者の在留資格は期限がありませんが、在留カードの有効期限みなし再入国許可制度の利用可否が重要です。

  • 在留カードの有効期限
    永住者でも在留カードは7年ごとに更新が必要。
    → 更新前に出国する場合は帰国後の更新計画を立てること。
  • 再入国許可の必要性
    永住者は再入国許可なしに出国すると、再入国時に在留資格を失う可能性があります。
    → 1年以内に帰国する場合は「みなし再入国許可」制度を利用可能。
    → 1年以上出国する場合は、必ず「再入国許可(最長5年)」を取得。

参考:
出入国在留管理庁 | 再入国許可制度


2. 長期出国時の注意点

(1)みなし再入国許可の条件

  • 出国時に空港で「みなし再入国許可を希望する」にチェック
  • 1年以内の帰国が条件
  • 有効期限内に帰国できなければ永住資格は消滅

(2)再入国許可の取得

  • 出国前に地方出入国在留管理局で申請
  • 永住者は最長5年まで許可可能
  • 家族滞在や海外赴任など長期の場合に必須

(3)住民票とマイナンバー

  • 1年以上海外に滞在予定の場合、住民票は除票扱いとなりマイナンバーが失効
  • 帰国後に住民票を再登録し、マイナンバー通知を再取得する必要あり

3. 永住資格が消滅するケース

  • 有効な再入国許可なしに出国
  • みなし再入国許可の期限を過ぎて帰国
  • 出国後に日本との生活基盤を完全に喪失した場合(事実上の移住)

4. 永住者が出国する前のチェックリスト

  1. 在留カードの有効期限確認
  2. 再入国許可の取得(1年以上出国の場合)
  3. 住民票・マイナンバーの扱い確認
  4. 納税義務・社会保険手続きの確認
  5. 海外渡航先でのビザ・保険加入確認

5. 永住者出国に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 永住者ですが、海外に2年間行く予定です。資格は維持できますか?
A1. みなし再入国許可は1年までなので、必ず**再入国許可(最長5年)**を取得してください。許可期限内に帰国すれば資格は維持できます。

Q2. 再入国許可を取らずに出国してしまいました。どうなりますか?
A2. 原則として永住資格は消滅します。再取得は可能ですが、通常の永住申請と同じ審査を受ける必要があります。

Q3. 長期出国時に住民票を残すことはできますか?
A3. 1年以上海外滞在予定の場合、住民票は除票となります。納税や社会保険の扱いも変わるため事前に市区町村に相談しましょう。


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まとめ

永住者が出国する際は、再入国許可の有無と期間管理が最重要です。
特に1年以上出国予定の方は、事前に地方入管で再入国許可を取得し、住民票や税務・社会保険の変更点も確認しておきましょう。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法