外国の報道機関と日本の報道機関で異なる在留資格|報道ビザと技術・人文知識・国際業務ビザの違いを解説

はじめに

日本で外国人が報道活動を行う際、どの在留資格(ビザ)を取得すべきかは重要なポイントです。
一般的に「報道ビザ(在留資格『報道』)」は外国の報道機関に所属する記者やカメラマン向け、一方で「技術・人文知識・国際業務ビザ(通称:技人国)」は日本の報道機関に所属する外国人スタッフに適用される場合が多いです。

この記事では、外国の報道機関と日本の報道機関の所属で変わる在留資格の違いをわかりやすく解説します。これから日本で報道関係の仕事を目指す方、企業の人事担当者の方に役立つ情報をお届けします。


1. 外国の報道機関に所属する場合の在留資格「報道」

報道ビザ(在留資格「報道」)とは?

報道ビザは、外国の新聞社、テレビ局、通信社などの海外に本社を持つ報道機関に所属する外国人記者・カメラマンなどが日本で取材や報道活動を行うためのビザです。

  • 対象者例:CNNやBBCなど外国の報道機関の日本支局記者、カメラマン
  • 許可される活動:日本国内での取材、撮影、記事制作、番組制作など
  • フリーランスの場合:基本的に所属が必要だが、一部例外あり(専門家に要相談)
  • 在留期間:通常1〜5年(更新可能)

特徴

  • 所属する報道機関が外国にあることが前提
  • 報道活動以外の就労は認められにくい
  • 日本での報道の自由を支える重要なビザ

2. 日本の報道機関に所属する場合の在留資格「技術・人文知識・国際業務ビザ」

技術・人文知識・国際業務ビザ(通称:技人国)とは?

日本の新聞社、テレビ局、出版社などに所属する外国人スタッフが、日本で就労する際に多く利用するのが「技術・人文知識・国際業務ビザ」です。

  • 対象者例:日本の報道機関の編集者、企画担当者、翻訳者、マーケティング担当者など
  • 許可される活動:専門的な知識や技術を活かした業務全般
  • 特徴:報道以外の業務も多く、幅広く対応可能
  • 在留期間:1〜5年(更新可能)

なぜ日本の報道機関所属者は技人国になるのか?

日本の報道機関に所属する外国人は、編集や企画、国際連携など報道活動以外の多様な専門業務に従事することが多く、これらは技人国の資格要件に該当します。
そのため、報道ビザよりも技人国ビザでの申請が一般的です。


3. 報道ビザと技人国ビザの主な違い

比較項目報道ビザ(報道)技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国)
所属先外国の報道機関日本の報道機関やその他企業
主な活動内容報道・取材活動に限定専門的な技術・知識を活かした業務全般
就労範囲報道活動のみ幅広い専門業務(編集、企画、マーケティング等)
フリーランス可否原則不可(例外あり)原則不可
更新期間1〜5年1〜5年

4. 在留資格の変更について

  • 外国の報道機関に所属していたが日本の報道機関に転職した場合は、「報道」ビザから「技術・人文知識・国際業務ビザ」への変更申請が必要です。
  • 逆に、日本の報道機関から外国の報道機関に移る場合は、「技人国」から「報道」ビザへの変更申請が必要となります。
  • どちらも、新しい勤務先や職務内容に応じて審査が行われ、変更許可が下りる必要があります。

5. よくある質問(Q&A)

Q1: フリーランスの記者でも報道ビザは取れますか?

A: 原則は所属が必須ですが、一定の条件下でフリーランスとして認められることもあります。専門家に相談しましょう。

Q2: 日本の報道機関で単純な取材だけの仕事なら報道ビザは使えますか?

A: 一般的に日本の報道機関所属の外国人は技人国が適用されるため、報道ビザは使われません。ただし、例外的ケースもあるため、入国管理局で確認が必要です。

Q3: 在留資格の変更申請は難しいですか?

A: 職務内容と所属先が大きく変わる場合は必要ですが、審査基準を満たせば比較的スムーズに変更可能です。専門家のアドバイスをおすすめします。


6. まとめ

  • 外国の報道機関に所属する場合は「報道」ビザが基本。
  • 日本の報道機関に所属する場合は「技術・人文知識・国際業務ビザ(技人国)」が多い。
  • 所属先や業務内容によって適用される在留資格が変わるため、専門家に相談し正確な申請を。
  • 在留資格の変更も可能だが、必ず申請・許可が必要。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
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代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法