帰化申請の動機書は不要?特別永住者における例外措置|簡易帰化の優遇制度を解説

はじめに

日本国籍を取得するための帰化申請では、通常「動機書(帰化理由書)」の提出が必要とされています。しかし、特別永住者や一定の条件を満たす方については、この動機書が不要となるケースがあります。
本記事では、特別永住者の帰化申請における例外措置や簡易帰化の優遇について、行政書士が実務経験に基づいて詳しく解説します。


帰化申請における「動機書」とは?

帰化申請に必要な動機書(帰化理由書)とは、申請者がなぜ日本国籍を取得したいのかを記載する文書です。
法務局では、帰化審査の際に申請者の意思や日本への定着性を確認する資料として重視されます。

動機書に記載する内容の例

  • 日本国籍を取得したい理由(就労・家族・社会的安定など)
  • 日本での生活歴や就労状況
  • 家族関係や地域社会との結びつき

通常の帰化申請では、動機書は必須書類となっていますが、特定のケースでは提出不要とされることがあります。


特別永住者における「動機書不要」の例外措置

特別永住者(主に在日コリアン・台湾出身者などの子孫で、入管特例法に基づく在留資格を持つ者)については、以下の理由から動機書が不要となる場合があります。

1. 日本との歴史的・社会的な結びつきが深い

特別永住者は、戦後の歴史的経緯により日本に長年定住してきた背景を持つため、
「日本国籍取得の動機」について改めて説明する必要がないと法務局が判断するケースがあります。

2. 簡易帰化の対象となるため

特別永住者は**「簡易帰化」**の対象とされることが多く、通常の帰化申請よりも要件や書類が緩和されます。
簡易帰化では、生活基盤や定着性が明白であるため、動機書が省略される場合があります。


簡易帰化における優遇措置とは?

通常の帰化との違い

通常帰化では、居住要件・生計要件・素行要件などが厳格に審査されますが、
簡易帰化では以下のような優遇が認められます

  • 居住要件が不要(特別永住者は既に長期定住が前提)
  • 提出書類が少ない(動機書や一部の身分証明書類が免除)
  • 審査期間が短縮される傾向

簡易帰化が認められる主なケース

  • 特別永住者
  • 日本人配偶者(婚姻期間3年以上かつ日本在住1年以上)
  • 日本国籍を有していた者の子・孫

特別永住者は、これらの中でも最も要件が緩和されており、動機書提出が免除されるケースが多いのが特徴です。


動機書が不要かどうかの確認方法

動機書が不要となるかは、法務局の窓口で個別判断されます。
申請前に必ず法務局に相談し、指示された必要書類を確認しましょう。

実務上のポイント

  • 地域によって運用に差があるため、事前相談が必須
  • 必要に応じて、動機書を簡易的に提出するケースもある
  • 行政書士に依頼すれば、免除対象の確認や書類作成の代行が可能

まとめ

  • 帰化申請では通常「動機書」が必要だが、特別永住者は例外的に不要となる場合がある
  • 特別永住者は簡易帰化が適用され、提出書類や要件が緩和される
  • 免除対象かどうかは法務局の個別判断に基づくため、事前相談が不可欠

特別永住者として帰化申請を検討している方は、まず法務局や行政書士に相談し、免除の有無や必要書類を確認することが重要です。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法