外国人看護師の受け入れ制度とは?特定活動ビザ(EPA看護師)と医療ビザの違いを比較
日本では深刻な看護師不足を背景に、外国人看護師の受け入れ制度が整備されています。
主に「特定活動ビザ(EPA看護師)」と「医療ビザ」の2つの制度があり、それぞれ特徴や要件が異なります。
この記事では、看護留学生や受け入れ病院の担当者向けに、両制度の違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
目次
1. 外国人看護師受け入れの背景
日本は少子高齢化の進行に伴い、医療・介護現場での看護師不足が深刻化しています。
この課題を解決するために、政府は外国人看護師の受け入れを促進。
その代表的な制度が、経済連携協定(EPA)に基づく特定活動ビザと、より一般的な医療ビザです。
2. 特定活動ビザ(EPA看護師)とは?
特徴
- EPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)に基づき、インドネシア、フィリピン、ベトナムから看護師・介護福祉士を受け入れる制度。
- 日本での国家試験合格を目指し、最長5年間の「特定活動」在留資格が付与される。
- 試験合格後は「看護師」資格を得て、通常の看護師と同様に就労可能。
メリット
- 明確な試験ルートが用意されており、国家資格取得が可能。
- 受け入れ病院にとっては、専門性の高い人材を確保できる。
デメリット
- 国家試験の難易度が高く、合格まで時間と労力が必要。
- 在留期間が試験合格まで限定的。
3. 医療ビザとは?
特徴
- 「医療」在留資格は、医療機関における看護業務など専門的な業務を行う外国人に付与される。
- 看護師免許を日本で取得済み、または相応の資格を有する外国人が対象。
- 医療ビザは比較的専門性の高い職種での就労を認めるため、看護師としての業務も含まれる。
メリット
- EPA制度のように国家試験に限定されず、資格や経験に基づき審査される。
- 更新や変更が比較的柔軟。
デメリット
- 対象者はすでに一定の医療資格を持つ者に限られるため、受け入れハードルが高い場合がある。
4. EPA看護師と医療ビザの比較まとめ
項目 | EPA看護師(特定活動) | 医療ビザ |
---|---|---|
対象国 | インドネシア、フィリピン、ベトナム | 全世界 |
期間 | 最長5年(国家試験合格まで) | 通常1~5年更新可能 |
国家試験合格必須 | はい | 免除または資格により異なる |
資格取得後 | 看護師として通常勤務可能 | 資格に応じて就労可能 |
受け入れ機関 | EPA協定に基づく特定病院 | 医療機関全般 |
5. 受け入れ病院のポイント
- EPA看護師の場合、受け入れ機関は政府認定の協力機関となり、教育・試験支援が義務付けられる。
- 医療ビザ受け入れは資格確認や在留管理が重要。
- 双方とも外国人看護師が安心して働ける環境づくりが求められる。
6. 看護留学生に向けたアドバイス
- EPA制度は国家試験合格を目指すため、試験対策の勉強が必須。
- 医療ビザを目指す場合は、日本での看護資格や経験を積むことが重要。
- 日本語能力(JLPT N2以上が目安)がほぼ必須条件となるため、日本語学習も欠かせない。
7. まとめ
外国人看護師の受け入れには、EPA特定活動ビザと医療ビザの2つの主要な制度があります。
病院側は自院のニーズや受け入れ体制に合わせて最適な制度を選びましょう。
外国人看護師・看護留学生は、自身の資格や目的に合わせて制度を理解し、日本でのキャリア形成を目指してください。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |