【専門家監修】介護ビザと医療ビザの違いとは?仕事内容・要件・対象者を徹底解説
目次
はじめに
日本では、外国人が介護・医療の分野で働くために特定の在留資格(ビザ)が必要です。その中でも混同されがちな「介護ビザ」と「医療ビザ」は、取得要件や就労範囲が大きく異なります。本記事では、両者の違いや、それぞれの特徴を分かりやすく解説します。
【関連記事】
介護ビザ(在留資格「介護」)とは?取得要件・必要書類・就労範囲を徹底解説!
医療ビザ(在留資格「医療」)とは?外国人医療従事者が日本で働くための在留資格ガイド
1. 介護ビザと医療ビザの概要
項目 | 介護ビザ | 医療ビザ |
---|---|---|
在留資格名 | 介護 | 医療 |
対象者 | 介護福祉士 | 医師・看護師等 |
主な業務 | 介護サービス | 医療行為・看護 |
必要資格 | 日本の介護福祉士国家資格 | 医師/看護師等の国家資格(日本国内) |
日本語能力 | N2以上が望ましい | N1または高い専門的会話力が必要 |
2. 在留資格の違い
介護ビザ(在留資格「介護」)とは
介護ビザは、日本の介護福祉士国家資格を取得した外国人が、日本国内の介護施設等で働くための在留資格です。
厚生労働省による「介護福祉士養成施設」卒業後の取得が一般的です。
詳しくはこちら:出入国在留管理庁 在留資格「介護」
医療ビザ(在留資格「医療」)とは
医療ビザは、外国人医師・看護師・歯科医師などが、専門職として医療行為を行うための在留資格です。外国の医師資格では就労できず、日本の国家資格が必要です。
医療ビザについて詳しくはこちら:出入国在留管理庁|在留資格「医療」
3. 就労できる職種・仕事内容の違い
分野 | 主な職務内容 |
---|---|
介護ビザ | 食事・入浴・排泄介助、レクリエーションの支援、ケアプラン補助など |
医療ビザ | 診療補助、看護業務、手術・処置のサポート、患者ケアなど |
介護ビザでは医療行為は不可ですが、医療ビザを持つ者は特定の医療行為が可能です。
4. 必要な資格・学歴
- 介護ビザ
- 日本の介護福祉士国家試験に合格
- 指定された養成施設の卒業
- 専門学校または大学での介護課程修了が基本
- 医療ビザ
- 日本国内での医師・看護師等の資格取得(国家試験合格)
- 日本語による専門的なコミュニケーション力が必須
5. 在留資格の取得要件
項目 | 介護ビザ | 医療ビザ |
---|---|---|
年齢制限 | なし | なし |
資格要件 | 介護福祉士 | 医師・看護師などの国家資格(日本) |
雇用先の要件 | 介護施設・訪問介護等 | 病院・クリニック等 |
日本語力 | N2以上推奨 | N1相当推奨 |
6. 永住・転職への影響
- 介護ビザ:長期的に就労が可能。5年更新後、永住申請の対象になることもあります。
- 医療ビザ:高度専門職に該当する場合は、高度専門職ビザへの変更や永住の優遇措置もあります。
7. よくある質問(FAQ)
Q1. 介護ビザで医療行為はできますか?
**A. いいえ。**介護ビザでは、医療行為(注射、点滴など)は認められていません。
Q2. 外国の看護資格を持っていても日本で看護師になれますか?
**A. 原則不可。**日本の看護師国家資格を取得する必要があります。
Q3. 特定技能の介護分野との違いは?
A. 特定技能1号介護は「介護福祉士未満」で、日本語能力や業務内容に制限があります。永住には不利です。
詳しくはこちら:特定技能1号ビザを「介護」分野で取得するための要件とは?〜技能試験・日本語試験・免除条件も徹底解説〜
8. まとめ
比較項目 | 介護ビザ | 医療ビザ |
---|---|---|
業務範囲 | 介護・生活支援 | 医療行為 |
必要資格 | 介護福祉士(国家資格) | 医師・看護師等の国家資格 |
日本語能力 | N2以上 | N1相当 |
就労場所 | 介護施設 | 医療機関 |
永住との関係 | 5年後申請可 | 高度人材なら短縮可 |
介護ビザと医療ビザは似て非なるものです。それぞれの制度を正しく理解し、キャリア計画に役立てましょう。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |