帰化しても母国の国籍は残る?日本の国籍法と二重国籍のリアル

「帰化して日本国籍を取得したら、もとの国籍はどうなるの?」
こうした疑問は、実際の帰化希望者の多くが抱える大きなポイントです。

日本の国籍制度は単一国籍主義を採っており、基本的には二重国籍は認められていません。しかし、実際の手続きや他国の制度によっては一時的に二重国籍状態になるケースもあります。

本記事では、帰化後の国籍の扱いと注意点について詳しく解説します。


日本は「単一国籍主義」|原則は二重国籍不可

日本では、自己の意思で外国籍を取得した場合には日本国籍を失うと定められています(国籍法第11条)。
つまり、帰化によって日本国籍を取得する場合、原則的に元の国籍を離脱する必要があるのです。

国籍法 第11条 抜粋:
「日本国民は、自己の志望によって外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。」


帰化手続きと「国籍離脱証明書」

帰化が許可されるには、**原国籍の離脱証明書(もしくはその手続中であることを証する書類)**を日本政府に提出することが求められる場合があります。

帰化後も元国籍が自動的に消滅しない国(例:フィリピン、ベトナム、韓国など)の場合は、帰化許可後に離脱手続きを進める必要があります。


他国の制度による「一時的な二重国籍」も

以下のように、帰化後も一時的に旧国籍が残る場合があります:

出身国特徴
中国日本に帰化した時点で中国国籍を自動喪失
韓国条件により国籍保持可。申請が必要
フィリピン離脱申請を行わないと旧国籍が維持されることも

ただし、これらは日本が正式に認めている二重国籍ではなく、制度上のタイムラグによって生じる一時的な状態です。


生まれつきの二重国籍との違い

出生によって複数国籍を持つ子ども(例:日本×アメリカの親を持つ)は、22歳までにどちらかの国籍を選択する義務があります(国籍法第14条)。
これは帰化による国籍取得とは異なる仕組みであるため、混同しないようにしましょう。

🔗 法務省「国籍Q&A」公式ページ


帰化後は何をすべき?スムーズな国籍離脱のポイント

  1. 帰化許可後すぐに元国籍国の大使館・領事館で離脱手続きを確認
  2. 証明書を取得し、日本の市区町村へ提出する
  3. 必要に応じて日本の入管や法務局に報告書類を提出

専門家からのアドバイス:迷ったら行政書士に相談を

帰化と国籍は非常に専門的かつ国際的なテーマです。
制度変更や出身国の法律にも左右されるため、行政書士に相談することをおすすめします。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
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代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法