建設業における在留資格違反のリスクと対応策【企業向け解説】

建設業界では人手不足の影響から、外国人労働者の採用がますます重要になっています。
しかし、在留資格(ビザ)に関する正しい理解がなければ、「知らなかった」では済まされない重大なリスクを抱えることになります。

本記事では、建設業における在留資格違反の主なリスク企業が取るべき対応策を詳しく解説します。


1. 建設業と外国人労働者の現状

建設業界では高齢化・人材不足の影響により、外国人材への依存度が高まっています。特に以下の在留資格で多くの外国人が従事しています。

  • 特定技能1号(建設)
  • 技能実習(建設関係職種)
  • 技術・人文知識・国際業務(建築設計等)

2. よくある在留資格違反の事例

建設業においては、以下のような在留資格違反が頻発しています。

違反事例内容
在留資格外の活動技人国ビザで現場作業に従事させるなど、許可されていない業務に従事させた場合
不法就労助長罪在留期限が切れた外国人を雇用・斡旋した場合
偽装請負派遣ではないのに実質的な指揮命令下で就労させたケース

注意: 企業側が違反を把握していなくても、「過失」があれば責任を問われる場合があります。


3. 在留資格違反が企業に与える影響

企業が在留資格違反を起こすと、以下の重大な影響を受けます。

  • 不法就労助長罪で罰金・懲役刑(入管法第73条の2)
  • 技能実習制度・特定技能の受け入れ停止
  • 企業名の公表による社会的信用の失墜
  • 公共工事の指名停止措置

4. 適正な在留資格の確認方法

外国人を採用する前に、以下のポイントを必ず確認しましょう。

在留カードの確認ポイント

  • 在留資格の種類(例:特定技能、技能実習など)
  • 在留期間
  • 就労制限の有無

雇用時に提出させるべき書類

  • 在留カード(原本)
  • パスポート(出入国歴・在留資格変更の確認)
  • 資格外活動許可書(必要な場合)

参考: 【外国人向け】在留カードのすべて:申請から更新、紛失時の対応まで網羅


5. 違反防止のための社内体制づくり

企業として在留資格違反を未然に防ぐには、以下のような社内体制の整備が不可欠です。

社内で取り組むべき対策

  • 外国人労働者管理責任者の設置
  • 入社前の資格確認マニュアル化
  • 月次で在留資格の期限チェック
  • 協力会社・下請け業者にも遵守を求める

外部専門家の活用

  • 行政書士や社会保険労務士と連携し、定期的な在留資格のチェック体制を構築する

6. まとめ

建設業で外国人を雇用する場合、**「適切な在留資格の確認」と「継続的な管理体制の整備」**が極めて重要です。

リスクを軽視した結果、企業の信頼・業績に甚大な影響が及ぶこともあります。

今すぐできる対応策:

  • 採用時チェックリストの導入
  • 管理体制の見直し
  • 専門家による定期監査の依頼

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法