高度専門職1号 vs 2号:在留期間・永住権の優遇を徹底解説

「高度専門職」ビザは、日本で働く外国人材にとって非常に魅力的な在留資格です。しかし、「高度専門職1号」と「高度専門職2号」、この2つの違いを明確に理解している方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、高度専門職1号と2号の具体的な違い、それぞれのメリット・デメリット、そして永住権へのつながりについて、わかりやすく徹底解説します。あなたの日本でのキャリアプランに役立つ情報が満載ですので、ぜひ最後までお読みください。

高度専門職ビザとは?日本の未来を担う優秀な人材を優遇

まず、高度専門職ビザ全体について簡単に触れておきましょう。

高度専門職ビザは、日本の産業の発展に貢献する高度な専門的能力を持つ外国人材を積極的に受け入れるために創設された在留資格です。通常の就労ビザと比較して、以下のような優遇措置が受けられるのが大きな特徴です。

  • 在留期間の優遇: 長期の在留が可能です。
  • 複合的な活動の許容: 複数の分野にわたる活動が認められます。
  • 配偶者の就労: 配偶者も就労しやすくなります。
  • 親の帯同: 要件を満たせば、親の帯同も可能です。
  • 家事使用人の雇用: 所定の要件を満たせば、家事使用人を雇用できます。
  • 永住許可要件の緩和: 永住権取得までの期間が短縮されます。

これらの優遇措置は、まさに「日本の未来を担う優秀な人材」として国が期待を寄せていることの表れと言えるでしょう。

高度専門職1号と2号、ここが違う!徹底比較表

それでは、本題である高度専門職1号と2号の違いを見ていきましょう。最も大きな違いは、「在留期間」と「活動内容の制限」にあります。

項目高度専門職1号高度専門職2号
在留期間「5年」の固定「無期限」(在留期間の更新が不要)
活動内容高度専門職1号の区分(イ・ロ・ハ)に限定高度専門職1号の活動に加え、ほぼすべての就労活動が可能
申請要件高度人材ポイント制で70点以上高度専門職1号として3年以上活動していること
メリット・比較的取得しやすい<br>・永住権への近道・在留期間の心配が不要<br>・活動の自由度が高い
デメリット・在留期間の更新が必要・1号での活動実績が必要

高度専門職1号とは?キャリアアップの第一歩

高度専門職1号は、高度専門職ビザの「入口」となる在留資格です。以下の3つの区分に分かれており、それぞれの専門分野に応じて審査されます。

  • イ:高度学術研究活動(例:大学教授、研究者など)
  • ロ:高度専門・技術活動(例:ITエンジニア、コンサルタント、医師、弁護士など)
  • ハ:高度経営・管理活動(例:企業の役員、管理者など)

高度専門職1号の最大のポイントは、高度人材ポイント制で70点以上を獲得することです。学歴、職歴、年収、研究実績、日本語能力などが点数化され、合計点が基準を満たせば申請可能です。

【重要】高度人材ポイント制についてさらに詳しく知りたい方はこちら! (※関連記事:高度人材ポイント制 徹底ガイド|メリット・計算方法・申請の流れを解説

高度専門職1号を取得することで、日本での安定したキャリアをスタートさせ、将来的には高度専門職2号への移行、さらには永住権の取得へと繋げることができます。

高度専門職2号とは?永住権に限りなく近い存在

高度専門職2号は、高度専門職1号の上位に位置する在留資格です。最大の魅力は、**在留期間が「無期限」**であることです。一度取得すれば、在留期間の更新手続きが不要となり、日本に安心して居住し続けることができます。

また、活動内容の制限も大幅に緩和されます。高度専門職1号で認められていた活動に加え、ほぼすべての就労活動が可能となります。これにより、転職やキャリアチェンジの自由度も高まります。

高度専門職2号を取得するためには、高度専門職1号として3年以上活動していることが主な要件となります。つまり、高度専門職1号として日本で実績を積むことが、2号へのステップアップの鍵となります。

永住権への近道!高度専門職ビザの特権

高度専門職ビザの最大の優遇措置の一つが、永住許可要件の緩和です。

通常の就労ビザの場合、永住権を取得するには原則として10年以上の日本在留が必要ですが、高度専門職ビザを持つ外国人材は、以下の期間に短縮されます。

  • 高度専門職1号取得後3年
  • 高度専門職2号取得後、または高度専門職ポイントが80点以上の場合1年

これは、日本政府が高度専門職の外国人材を長期的に日本に定着させたいと考えている明確な意思表示です。永住権を取得できれば、在留資格の心配がなくなり、より安定した生活基盤を築くことができます。

【参考】永住権についてさらに詳しく知りたい方はこちら! (※外部リンク:出入国在留管理庁「永住許可申請」 ※出入国在留管理庁の公式ページへリンクしています)

あなたはどちらを選ぶ?ケース別のアドバイス

  • 日本でのキャリアをこれからスタートさせる方 まずは高度専門職1号の取得を目指しましょう。高度人材ポイント制でご自身のスキルがどの程度評価されるかを確認し、足りない場合はポイントアップのための対策を検討してください。
  • すでに高度専門職1号をお持ちで、さらに安定を求める方 高度専門職1号として3年以上の活動実績を積み、高度専門職2号への移行を目指しましょう。在留期間の更新手続きから解放され、より自由なキャリアを築くことができます。
  • 永住権を最優先で取得したい方 高度専門職2号の取得が最も永住権への近道となります。あるいは、高度専門職1号として活動中に80点以上のポイントを維持し続けることでも、永住権取得までの期間を大幅に短縮できます。

まとめ:戦略的なビザ選択であなたの未来を切り拓く

高度専門職1号と2号は、どちらも日本でのキャリアを成功させるための強力なツールですが、それぞれ異なる特徴と役割を持っています。

ご自身の現在の状況と将来のキャリアプランに合わせて、最適な在留資格を選択することが重要です。この情報が、あなたの日本での成功を後押しする一助となれば幸いです。

ご自身の状況でどのビザが最適か、より具体的なアドバイスが必要な場合は、お気軽に専門家にご相談ください。

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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法