【重要】「経営・管理」ビザ取得の鍵は「事務所要件」にあり!申請前に知るべき重要ポイント
日本での事業展開を目指す外国人にとって、「経営・管理」ビザ(在留資格「経営・管理」)の取得は必須のステップです。しかし、申請準備を進める中で多くの申請者が頭を悩ませるのが、その厳格な「事務所要件」です。
「オフィスさえあれば良いのでは?」と考えていると、思わぬ落とし穴にはまることも少なくありません。本記事では、「経営・管理」ビザ取得における事務所要件の重要性を徹底解説し、高評価を得るためのポイントを具体的にご紹介します。
「経営・管理」ビザとは?
まず、「経営・管理」ビザについて簡単におさらいしましょう。このビザは、日本で事業の経営・管理を行う外国人が取得できる在留資格です。具体的な活動内容としては、会社の設立、役員としての経営業務、または事業の管理業務などが挙げられます。
なぜ事務所要件がそこまで重要なのか?
入管法(出入国管理及び難民認定法)では、「経営・管理」ビザの許可要件として、事業の継続性、安定性、そして「事業を営むための事業所が日本に確保されていること」を明確に求めています。これは単なる住所地確保以上の意味を持ちます。
入管(出入国在留管理庁)は、申請された事業が本当に日本で行われるのか、そしてその事業が永続的に行われる見込みがあるのかを慎重に審査します。その際、事業の実態を示す最も明確な証拠の一つが「事務所」の存在なのです。
1. 事業の実態と継続性の証明
バーチャルオフィスや一時的なスペースでは、事業の実態があるとは判断されにくい傾向にあります。物理的に事業活動が行える場所が確保されていることで、「この事業は日本で継続的に行われる」という信頼性が高まります。
2. 公平性の確保
自宅を事務所として申請する場合もありますが、その場合も事業と生活空間が明確に分離されていることが求められます。これは、事業目的での在留資格であるため、事業の実態があることを担保するための公平な基準となります。
3. 許可後のコンプライアンス
ビザ取得後も、事業所の所在地は適宜入管に報告する義務があります。事業所が実態を伴わないものであった場合、ビザの更新が困難になったり、最悪の場合、取り消しの対象となる可能性もあります。
失敗しないための「事務所要件」チェックリスト
では、具体的にどのような点がチェックされるのでしょうか。高評価を得るために、以下のポイントを確認しましょう。
1. 専用性・独立性
- 事業活動を行うための専用スペースが確保されているか? 自宅兼事務所の場合でも、来客対応が可能な独立したスペースや、事業用の固定電話、看板などが望ましいとされます。
- 他の事業と区画が明確に分けられているか? 賃貸契約書などで、申請者の事業が使用する区画が明示されていると良いでしょう。
2. 適正な賃貸契約
- 申請法人名義での賃貸契約であるか? 個人名義での契約は、事業の実態を疑われる可能性があります。法人設立前の場合は、代表者個人名義で契約し、法人設立後に法人名義に変更する旨を説明する必要があります。
- 契約期間は十分か? 短期間の契約では、事業の継続性が低いと判断されることがあります。
- 用途が「事務所」として認められているか? 居住用物件を事務所として使用する場合、賃貸契約書で「事務所使用可」の記載があるか、または貸主から事務所使用の承諾を得ていることが必須です。
3. 設備と備品
- 事業に必要な設備・備品が整っているか? パソコン、電話、インターネット回線、執務用の机や椅子、書類保管スペースなど、具体的な事業内容に応じて必要なものが備えられていることが重要です。
- 郵便物の受け取りが可能か? 事業所の住所で郵便物が確実に受け取れる体制が必要です。
4. 所在地とアクセス
- 事業活動を行う上で適切な場所か? 例えば、来客が多い事業であれば、駅から近いなどアクセスが良い場所が望ましいでしょう。
- バーチャルオフィスは原則不可:バーチャルオフィスは、物理的な事業活動を行う場所ではないため、原則として事務所として認められません。ただし、事業内容や状況によっては特例的に認められるケースもありますが、そのハードルは非常に高いです。
適切な事務所選びのポイント
「経営・管理」ビザ取得を見据えた事務所選びは、成功への第一歩です。
- 専門家への相談: 不安な場合は、行政書士などの専門家に相談し、物件選びの段階からアドバイスを受けることを強くお勧めします。
- 賃貸契約書の確認: 契約前に必ず「事務所使用可」の有無や、法人名義での契約が可能かを確認しましょう。
- 内見の実施: 実際に物件を訪れ、事業活動を行う上で十分なスペースがあるか、設備は整っているかを確認しましょう。
まとめ:事務所要件は「事業の真剣度」を示す証
「経営・管理」ビザの事務所要件は、単なる形式的なものではありません。それは、あなたが日本で本当に事業を行う意思があり、その事業が継続的に発展していく可能性を秘めていることを、入管に対して示すための重要な要素です。
適切な事務所を確保し、その実態を的確に証明することで、ビザ取得の可能性は格段に高まります。準備段階から抜かりなく、万全の体制で申請に臨みましょう。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |