1,卒業まで就職が決まらなかった留学生でも就職活動をして在留できますか?

 卒業までに就職が決まらなかった留学生でも、就職活動を目的として日本に在留を続けることができます。外国人留学生が在学中に内定を取ることができず、日本で就職活動を継続したい場合、「留学」ビザから「特定活動」ビザへ変更する必要があります。就職活動特定活動ビザと呼ばれたりもしますが、申請が認められた場合、在留期間6か月の特定活動ビザを取得できます。この就職活動特定活動ビザは、認められた6か月の間に就職が決まらなかった場合、1回だけ更新することが認められています。したがって、最長1年間は特定活動ビザを取得することによって、就職活動ができます。

 なお、外国人留学生とは大学、大学院、短大、専門学校の学生のことです。日本語学校の学生は含まれません。よって日本語学校の卒業生は、特定活動ビザを取得して就職活動をすることは出来ません。

2,特定活動ビザとはどんなビザですか?

 特定活動ビザとは、在留資格「特定活動」のことです。特定活動ビザでは、外国人に日本で特定活動を行うことが認められ、特定活動とは「法務大臣が個々の外国人に指定する活動」を意味します。

 特定活動には「告示された指定活動」と「告示されていない指定活動」に分けられます。「告示された指定活動」とは、法務大臣が告示した活動のことであり、入管法で50号まで指定されています(削除されているものもあります)。「告示されていない指定活動」とは、先例によって認められている活動で、法務大臣が特別な事情により在留を認めているものです。特定活動ビザの許可要件は、活動内容ごとに異なってきます。

 就職活動特定活動は、「告示されていない特定活動」に含まれます。そして、就職活動特定活動ビザが許可された場合は、6か月間の在留が認められ、一度に限り更新することが認められます。

「特定活動の例」

アマチュアスポーツ選手及びその家族
EPA看護師・EPA介護福祉士の家族
EPA看護師、EPA介護福祉士及びそれらの候補者
医療滞在及びその同伴者
インターンシップ・サマージョブ・国際文化交流
家事使用人
観光・保養等を目的とする長期滞在者及びその配偶者
高度専門職外国人又はその配偶者の親
高度専門職外国人の就労する配偶者
大学等の在学中又は卒業後に就職先が内定し採用までの滞在を希望する場合
スキーインストラクター
特定研究活動
特定研究活動等の親・特定研究活動等の家族
特定情報処理活動
日系4世
本邦大学卒業者及びその配偶者
本邦の大学等を卒業した留学生が企業活動を行う場合
本邦の大学等を卒業した留学生が就職活動を行う場合

3,就職活動特定活動ビザの許可要件は何ですか?

 就職活動特定活動ビザへの変更が認められるためには、以下の要件を充足している必要があります。以下では、就職活動特定活動ビザの要件のうち、注意すべき点について検討します。

「就職活動特定活動ビザの許可要件」

①卒業した学校からの「推薦状」の取得
②就職活動の期間中の生活費の確保
③大学院、大学、短大、専門学校の卒業生であること
④卒業前から就職活動を行っていて、卒業後も引き続き就職活動を行うこと
⑤学校の専攻内容に関連性がある業務に就職するための就職活動であること

(1)卒業した学校からの「推薦状」の取得

 留学ビザから就職活動特定活動ビザへ変更する場合には、卒業した学校から「推薦状」を必ず取得する必要があります。この推薦状は、就職活動特定活動ビザへ変更するために必須の書類となります。推薦状の内容は、就職活動を継続することについて推薦状を取得してください。推薦状を取得できなかった場合は、就職活動特定活動ビザへ変更することはできません。

 就職活動特定活動ビザは一度に限り更新することが認められていますが、この更新申請の場合にも推薦状が必要となります。学校によっては、推薦状を1度しか発行しない学校もあります。この場合は、更新申請することはできません。

(2)就職活動の期間中の生活費の確保

 就職活動特定活動ビザを取得するためには、就職活動中の生計を維持できることを証明する必要があります。預金通帳の写しなど、生計を維持できることを証明する資料の提出が必要になります。また、両親などが経済的に支援する場合は、支援者の収入を証明する資料や支援するに至った経緯、支援する旨を約束する書面の掲出などは必要となります。

 なお、就職活動特定活動ビザを取得した後でも、資格外活動許可を取得することが認められます。資格外活動許可を所得した場合、週28時間まではアルバイト収入を得ることが可能です。

(3)卒業前から就職活動を行っていて、卒業後も引き続き就職活動を行うこと

 就職活動をしていた実績を証明する立証資料として、会社説明会でもらった会社パンフレット、就職セミナーでもらった資料、メールの履歴などを提出する必要があります。これらの資料を提出できない場合、変更は厳しくなりますので、まじめに就職活動を頑張ってください。なお、エントリーしただけでは、就職活動を行っていたと認められない傾向があります。

(4)学校の専攻内容に関連性がある業務に就職するための就職活動であること

 留学生が留学ビザから就労ビザへ変更するためには、大学や専門学校の専攻内容と関連性のある仕事に就職する必要があります。よって、就職活動特定活動ビザを取得するためには、学校の専攻内容と関連性のある仕事に就職するために就職活動を行う必要があります。

 上記(3)で検討した通り、在学中から就職活動を行っていない場合は、就職活動特定活動ビザへ変更することはできません。自身の専門分野に関連性があるかを意識して、在学中から就職活動を行うことが重要です。

4,留学ビザから就職活動特定活動ビザへの変更に必要な書類は何ですか?

 留学ビザから就職活動特定活動ビザへ変更するために必要な書類は以下の通りです。

「就職活動特定活動ビザ申請の必要書類」

①在留資格変更許可申請書
②写真 1葉
(縦4センチメートル、横3センチメートル、3か月以内に撮影、裏面に氏名記載)
③卒業証書(写し)または卒業証明書
④卒業した学校からの推薦状
 卒業した学校から、卒業後も継続して就職活動をすることについての推薦状を取得してください。
⑤就職活動中の経費支払能力の証明書類
 経費支弁者の預金通帳のコピーや送金証明書、奨学金受給証明書などを提出してください。アルバイトをしている場合は、雇用契約書や給与明細なども提出してください。両親などが支弁する場合は、両親の在職証明書や預金通帳の写し、収入を証明する資料などの提出も必要です。
⑥就職活動を継続している事を明らかにする資料
 就職活動特定活動ビザを取得するためには、在学中から就職活動を行っており、卒業後も就職活動を継続していくことが必要です。そのため、就職活動状況を証明する資料の提出が必要になります。就職活動をした会社の資料やパンフレット、面接日程など人事と連絡したメール、合否連絡のメールや書類、就活サイトへの登録など就職活動状況がわかる資料を提出します。なお、エントリーしただけでは、就職活動を行っているとは認められない傾向があります。
⑦パスポート及び在留カード 提示

5,内定が出た場合どうすればよいですか?

 就職活動特定活動ビザは6か月間の在留期間が認められます。また、一度に限り就職活動特定活動ビザを更新することができます。よって、合計1年間就職活動を目的として日本に在留することができます。

 就職活動特定活動期間中に内定を得た場合は、内定し入社までにビザの有効期限が到来した場合でも、就職活動特定活動ビザを更新することは認められません。この場合は、一度帰国し再度来日する又は内定待機を理由にビザの変更申請をする必要があります。

6,内定待機特定活動ビザの許可要件は何ですか?

 就職活動によって日本の企業から内定を得た場合は、就職活動特定活動ビザから内定待機特定活動ビザへ変更します。内定待機特定活動ビザへの変更が認められるためには、以下の要件を充足している必要があります。

「内定待機特定活動ビザの許可要件」

・日本の教育機関を卒業したこと又は教育機関の課程を修了したこと
・内定後1年以内であって、かつ、卒業後1年6月以内に採用されること
・企業等において行う活動が「技術・人文知識・国際業務」等、就労が可能ないずれかの在留資格への変更が見込まれること
・内定者の在留状況に問題がないこと
・内定者と一定期間ごとに連絡をとること、内定を取り消した場合は、すぐに地方出入国在留管理局に連絡することについて、内定先の企業が約束すること

7,まとめ

 卒業までに就職が決まらなかった留学生でも、就職活動を目的として日本に在留を続けることができます。外国人留学生が在学中に内定を取ることができず、日本で就職活動を継続したい場合、「留学」ビザから「特定活動」ビザへ変更する必要があります。

 特定活動ビザでは、外国人に日本で特定活動を行うことが認められ、特定活動とは「法務大臣が個々の外国人に指定する活動」を意味します。就職活動特定活動ビザが許可された場合は、6か月間の在留が認められ、一度に限り更新することが認められます。就職活動によって日本の企業から内定を得た場合は、就職活動特定活動ビザから内定待機特定活動ビザへ変更します。

「記事監修」
 加納行政書士事務所
 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
 特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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