1,永住者の配偶者ビザとはどんなビザですか?

 永住者の配偶者ビザとは、永住者又は特別永住者と結婚した外国人や、永住者の子供として日本で出生した外国人を対象としている在留資格になります。永住者の配偶者ビザは、就労に制限がないなど、活動制限がなく自由な活動が認められています。このように、永住者の配偶者ビザは家族滞在ビザと比較して自由な活動が認められています。夫婦の一方が永住者と認められた場合は、その配偶者は永住者の配偶者となるため、家族滞在ビザから永住者の配偶者ビザへ変更することが好ましいといえます。

2,永住者の配偶者等ビザの更新はどうすれば良いですか?

(1)在留期間と更新時期

 永住者の配偶者等ビザ活動制限はありませんが、在留期間は定められています。永住者の配偶者等ビザでは、「5年」「3年」「1年」の在留期間が付与されます。そして、この在留期限が到来した場合は更新申請を行う必要があります。この更新申請を怠った場合は、永住者の配偶者等といえども不法滞在となります。

 在留期間更新許可申請とは、現在保有する在留資格を変更することなく、許可された在留期間が到来した場合に、その期間を超えて日本在留を希望する場合に行う申請です。在留期間更新許可申請は、在留期間満了日の3か月前から申請を行うことができます。認められた在留期間は、在留カードを見れば確認することができます。

(2)更新の手順

 在留期間更新許可申請は、以下のような手順で行っていくことになります。なお、更新に必要な手数料は、許可が下りた場合のみ4,000円が必要となります。

①申請書類の収集と準備

②在留期間更新許可申請(出入国在留管理局へ必要書類を提出)

③審査結果の通知(ハガキが郵送されます)

④出入国在留管理局に出頭して在留カードの受領

3,永住者の配偶者等ビザ更新の必要書類は何ですか?

 永住者の配偶者等ビザの更新で必要となる書類は、永住者の配偶者と永住者の子で異なってきます。各々の更新許可申請で必要となる書類は以下の通りです。

 なお、以下の書類以外にも、婚姻生活の継続性や安定性に関わる事項について事情変更(世帯年収の減少や別居生活、離婚再婚)が生じた場合は、事情説明書や申請理由書といった追加の資料を提出する必要がある場合もあります。

(1)「永住者の配偶者」

①在留期間更新許可申請書
②写真(縦4cm×横3cm)
③返信用はがき
④婚姻証明書
 配偶者となる永住者と申請人となる外国人の機関で発行されたものが必要です。
⑤婚姻届受理証明書
 日本の役所へ婚姻届を提出した場合には必要となります。
⑥住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
 配偶者となる永住者の1年間の総所得と納税状況が記載されたものが必要です。
 申請人自ら滞在費用を捻出する場合は、申請人のものを提出します。
⑦日本における滞在費用を証明できる資料
 入国間もない場合や転居などによって住民税の課税(または非課税)証明書及び納税証明書によって滞在費を提示できないのであれば別途以下のような資料が必要です。
・預貯金通帳の写し
・日本の会社で発行された雇用予定証明書あるいは採用内定通知書
・上記に準じた資料
⑧身元保証書
 身元保証人は原則として日本に居住する配偶者となる永住者となります。
⑨住民票
  配偶者となる永住者のものです。世帯全員が記載されている必要があります。
⑩パスポート 提示
⑪在留カード 提示

(2)「永住者の子」

①在留期間更新許可申請書
②写真(縦4cm×横3cm)
③返信用はがき
④出生届証明書
 出生届が受理されたことを証明するもの
⑤住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書
 配偶者となる永住者の1年間の総所得と納税状況が記載されたものが必要です。  申請人自ら滞在費用を捻出する場合は、申請人のものを提出します。
⑥日本における滞在費用を証明できる資料
 入国間もない場合や転居などによって住民税の課税(または非課税)証明書及び納税証明書によって滞在費を提示できないのであれば別途以下のような資料が必要です。
・預貯金通帳の写し
・日本の会社で発行された雇用予定証明書あるいは採用内定通知書
・上記に準じた資料
⑦身元保証書
  身元保証人は原則として日本に居住する親となる永住者となります。
⑧住民票
 親となる永住者のものです。世帯全員が記載されている必要があります。
⑨パスポート 提示
⑩在留カード 提示

4,永住者の配偶者等ビザの更新にかかる期間はどれくらいですか?

 永住者の配偶者等ビザの更新申請の審査期間は、約2週間~1か月程度になります。もっとも、入管の混雑時期など場合によっては、1か月~2か月程度の審査期間となる場合もあります。

 収入の減少や別居といった婚姻の安定性や継続性に関わる事項について事情変更が生じている場合は、審査期間が長期化する傾向があります。また、提出した資料に疑義が生じた場合は、徹底的に調査されます。その場合は、当然に審査期間は長期化します。もっとも、審査期間が長期化したからといって、必ず不許可になるわけではありません。疑義に関して調査した結果、疑義が払拭された場合は許可されます。

5,永住者の配偶者等ビザ更新が不許可とされるのはどんな場合ですか?

 永住者の配偶者等ビザは更新申請すれば、当然に許可されるわけではありません。永住者の配偶者等ビザの許可要件は、更新申請時にも充足している必要があります。以下のような場合は、更新申請を不許可とされる危険性が高まります。

(1)素行不良

 永住者の配偶者等ビザに限らず、外国人が日本に在留している間は素行善良である必要があります。犯罪行為や税金の未納滞納がある場合は、素行善良とは認められません。外国人の素行不良は、日本国に不利益をもたらすと考えられています。

(2)著しい収入減少

 永住者の配偶者ビザの許可要件の1つとして生計要件がありますが、これは更新の際にも問題となります。ビザ取得時には十分な収入があった場合でも、更新申請時には収入が減少した場合は、事情説明書や申請理由書の提出が必要となります。また、著しく収入が減少し生計要件を維持することができないと判断された場合は、更新が不許可とされる場合もあります。

(3)申請内容の矛盾

 ビザ取得時や前回の申請時に提出した資料は、入管に記録が残っています。この前回申請時に提出した各種書類の記載内容と、今回の更新時に提出した資料との間に矛盾が生じている場合は不許可とされます。この場合は、どちらか一方が虚偽ということになり、虚偽申請と見なされます。

 また、申請書類と証明資料との間に矛盾が生じている場合も不許可の危険性が高まります。申請書類と証明資料との間には整合性が認められか、慎重に確認する必要があります。

6,更新を怠ったらどうなりますか?

 永住者の配偶者といえども、更新を怠ったら不法滞在となります。在留期限を1日でも超過したらオーバーステイです。この場合は、退去強制処分とされる可能性があります。退去強制となった場合は、処分の日から5年間は日本に入国することができません。

 もし、更新を失念しオーバーステイとなった場合は、地方出入国在留管理官署に自主出頭してください。オーバーステイのすべてが退去強制処分となるわけではなく、個々の事情を考慮してもらえます。

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」  
同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  
明治大学法科大学院修了  
「専門分野」  
入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法