目次
1,永住者の配偶者ビザとはどんなビザですか?
永住者の配偶者ビザとは、永住者又は特別永住者と結婚した外国人や、永住者の子供として日本で出生した外国人を対象としている在留資格になります。永住者の配偶者ビザは、就労に制限がないなど、活動制限がなく自由な活動が認められています。このように、永住者の配偶者ビザは家族滞在ビザと比較して自由な活動が認められています。外国人夫婦の一方が永住者と認められた場合は、その配偶者は永住者の配偶者となるため、家族滞在ビザから永住者の配偶者ビザへ変更することが好ましいといえます。
永住者の配偶者ビザの審査では、法律上有効な婚姻関係にあることが要求されます。そして、本国法では有効であっても、日本の法律上は有効と認められない婚姻関係の場合は許可が下りません。例えば、日本国民法は重婚を認めていません。よって、本国法が重婚を認めている場合でも、重婚関係にある場合はビザを取得することができません。また、日本国民法は女性のみ再婚禁止期間(100日)を定めていますが、この再婚禁止期間が経過していない場合は、ビザ申請には待婚期間を経過する必要があります。
2,外国から配偶者を呼ぶ場合はどうすれば良いですか?
(1)在留資格認定証明書交付申請
海外に住んでいる永住者の外国人配偶者や子供を日本に呼び寄せたい場合は、「在留資格認定証明書交付申請」を行い永住者の配偶者等ビザを取得する必要があります。在留資格認定証明書は、出入国在留管理局が審査の結果、入管法が定める在留資格「永住者の配偶者等」の許可要件を充足していると判断した場合に交付されます。
交付された在留資格認定証明書の有効期間は3か月となっています。よって、在留資格認定証明書の発行日から3か月以内に入国しない場合は、在留資格認定証明書は失効します。永住者の配偶者等ビザの審査期間は1~3か月程度となっていますが、入管の混雑状況などによっては、それ以上の期間を必要とする場合もあります。来日スケージュールを考えて余裕をもって申請の準備をすることが重要です。
(2)必要書類
永住者の配偶者等ビザの在留資格認定証明書交付申請に必要な書類は以下の通りです。なお、下記に記載の必要書類は、申請が受理されるために必要最小限の資料です。このほかにも、審査の過程で追加資料の提出を要求される場合もあります。申請人の個々的な事情を考慮して、許可要件を充足しているか否か判断するために必要なもとして追加資料は要求されているので、要求された場合は期限までに必ず提出してください。
①在留資格認定証明書交付申請書 1通 |
②証明写真(縦4cm×横3cm) 1葉 |
③返信用封筒(定型封筒へ宛先を明記、簡易書留用で404円分の切手を貼付) 1通 |
④以下の申請人と扶養者との身分関係を証明できる文書 いずれか1通 ・戸籍謄本 ・婚姻届受理証明書 ・結婚証明書の写し ・出生証明書の写し ・適宜上記に準ずる文書 |
⑤扶養者の在留カードあるいは旅券の写し |
⑥扶養者の職業と収入を証明する文書 A)扶養者が収入を伴う事業を運営、あるいは報酬を受ける活動を行っている場合 ・在職証明あるいは営業許可書の写しなど 1通 ・住民税の課税(非課税)証明書と納税証明書 各1通 ※ただし1年間の総所得と納税状況が記載されていること B)収入を伴う活動以外の活動を行っている場合 ・預金残高証明書あるいは給付金額と給付期間が明示された奨学金給付の証明書 適宜 ・上記に準ずる申請人の生活費用が支弁可能なことを証明できる書類 適宜 |
3,日本に在留している外国人と永住者が結婚した場合はどうすれば良いですか?
(1)在留資格変更許可申請
既に何らかの中長期の在留資格をもって日本に住んでいる外国人と永住者が結婚した場合は、「在留資格変更許可申請」を行い永住者の配偶者等ビザに変更します。結婚自体は婚姻当事者の国籍国のいずれかの法律に基づいて成立すれば有効となります。しかし、在留資格を取得するためには、法律上の婚姻関係を証明する必要があります。
(2)必要書類
永住者の配偶者等ビザの在留資格変更許可申請に必要な書類は以下の通りです。
①在留資格変更許可申請書 1通 |
②証明写真(縦4cm×横3cm) 1葉 |
③パスポートと在留カード 提示 |
④以下の申請人と扶養者との身分関係を証明できる文書 いずれか1通 ・戸籍謄本 ・婚姻届受理証明書 ・結婚証明書の写し ・出生証明書の写し ・適宜上記に準ずる文書 |
⑤扶養者の在留カードあるいは旅券の写し |
⑥扶養者の職業と収入を証明する文書 A)扶養者が収入をともなう事業を運営、あるいは報酬を受ける活動を行っている場合 ・在職証明書あるいは営業許可書の写しなど 1通 ・住民税の課税(非課税)証明書と納税証明書 各1通 ※ただし1年間の総所得と納税状況が記載されていること B)収入を伴う活動以外の活動を行っている場合 ・預金残高証明書あるいは給付金額と給付期間が明示された奨学金給付の証明書 適宜 ・上記に準じる申請人の生活費用が支弁可能なことを証明できる文書 適宜 |
4,在留期限が到来した場合はどうすれば良いですか?
(1)在留期間更新許可申請
永住者の配偶者等ビザが交付された場合は、5年、3年、1年、6月のいずれかの在留期間が付与されます。この在留期限が到来した場合は「在留期間更新許可申請」を行う必要があります。
配偶者の永住者ビザの更新申請では、婚姻の実態があることや婚姻生活の継続性や安定性が認められるか否かが審査されます。そこで、留期間更新許可申請は、離婚や再婚、永住者の退職・失職、収入減少といった事情変更が生じていない単純更新の場合と、事情変更が生じた更新の場合とに分けられます。離婚後再婚といった事情変更が生じているケースでは、在留資格変更許可申請と同様の基準によって、厳格に許可不許可が審査されることとなります。
(2)必要書類
永住者の配偶者等ビザの在留期間更新許可申請に必要な書類は以下の通りです。下記の書類の他にも、⑧該当する場合は、事情を説明する理由書などを提出する必要もあります。また、事情変更が生じている場合は、婚姻生活の継続性や安定性を証明していくために必要な資料を提出していく必要もあります。特に離婚後再婚している場合などは、婚姻の実態があるか否かは厳格に審査され、再婚禁止期間などの日本国法の規定も適用して判断されます。
①在留資格変更許可申請書 1通 |
②証明写真(縦4cm×横3cm) 1葉 |
③国籍を証明する書類(日本国籍を離脱した場合) 1通 |
④パスポートと在留カード 提示 |
⑤以下の申請人と扶養者との身分関係を証明できる文書 いずれか1通 ・戸籍謄本 ・婚姻届受理証明書 ・結婚証明書の写し ・出生証明書の写し ・適宜上記に準ずる文書 |
⑥扶養者の在留カードあるいは旅券の写し |
⑦扶養者の職業と収入を証明する文書 A)扶養者が収入を伴う事業を運営、あるいは報酬を受ける活動を行っている場合 ・在職証明書あるいは営業許可証の写しなど 1通 ・住民税の課税(非課税)証明書と納税証明書 各1通 ※ただし1年間の総所得と納税状況が記載されていること B)収入を伴う活動以外の活動を行っている場合 ・預金残高証明書あるいは給付金額と給付期間が明示された奨学金給付の証明書 適宜 ・上記に準じる申請人の生活費用が支弁可能なことを証明できる書類 適宜 |
⑧申請理由書(下記に該当する場合) ・夫婦同居が困難な場合 ・DV被害などで別居生活を送っている場合 ・失業などによって著しく世帯収入が減少した場合 ・上記の他、夫婦の別居・同居困難、婚姻生活の安定性や継続性の事情説明が必要な場合 |
「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |