1,婚姻手続は日本とモンゴルの両国でする必要がありますか?

 配偶者ビザは、日本国法及びモンゴル家族法の両国の法律に基づく婚姻関係になければ、許可は下りません。日本人とモンゴル人が国際結婚をする為には、日本国民法及びモンゴル家族法のそれぞれの婚姻手続を経る必要があります。

 モンゴルの婚姻年齢は、男女ともに18以上と定めています。モンゴルの成年年齢は18歳以上と定められており、婚姻の場合もそれに準拠します。日本の民法は婚姻年齢を2022年4月1日から、男女ともに18歳以上としています。また、日本の民法は女性のみ再婚禁止期間(100日)を定めていますが、モンゴル家族法は再婚禁止期間を定めていません。

 モンゴルでは、結婚当事者の双方又は一方が重篤な精神疾患の場合は、結婚が禁止されています。また、モンゴルの結婚手続には、犯罪歴証明書や健康診断書が要求されるなど、日本と異なる特色があります。

 日本の婚姻手続とモンゴルの婚姻手続のどちらを先に行うべきか、は申請人がどちらの国に在住しているかによって異なります。モンゴル人が既に何らかの中長期の在留資格をもって、日本に在留しているのであれば、先に日本での婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。逆に日本人がモンゴルに在住しているのであれば、先にモンゴルで婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。

2,先に日本で結婚する場合はどうしますか?

 先に日本で婚姻手続を行う場合は、以下のような流れになります。

手順1
モンゴル人の婚姻要件具備証明書の取得
まず駐日モンゴル大使館でモンゴル人の婚姻要件具備証明書を取得します。当事者2人の出頭が必要です。また、審査には30日程度の期間が必要です。
「モンゴル人の必要書類」
①パスポートコピー
②国民登録証の公証済の写し
③出生証明書の公証済の写し
④国民登録情報センター発行の日婚姻(独身)証明書(45日以内に発行されたもの)
⑤警察庁発行の犯罪履歴証明書(90日以内に発行されたもの)
⑥モンゴル国での居住地の役所発行の住民票(居住証明書)
⑦健康診断書
「日本人の必要書類」
①戸籍謄本(モンゴル語翻訳文付き)
②パスポートコピー
③住民票(モンゴル語翻訳文付き)
④健康診断書(モンゴル語翻訳文付き)
手順2
日本の婚姻手続
 モンゴル人の婚姻要件具備証明書を取得したら、日本の市区町村役場で婚姻手続を行います。
「必要書類」
①婚姻届
②モンゴル人の婚姻要件具備証明書(日本語翻訳文付き)
③日本人の戸籍謄本(本籍地の市役所に届出の場合は不要)
④モンゴルのパスポートコピー
手順3
モンゴル大使館に報告的届出
 日本の市区町村役場で婚姻手続を行ったら、駐日モンゴル大使館に報告的届出を行います。モンゴル大使館への届出が完了すると婚姻証明書が発行されます。
「必要書類」
①戸籍謄本(婚姻の記載あり)
②婚姻届受理証明書
③手順1で返却された書類
④婚姻当事者2人のパスポートの写し

3,先にモンゴルで結婚する場合はどうしますか?

先にモンゴルで婚姻手続を行う場合は、以下の流れになります。

手順1
日本人の必要書類の取得
 まずは、日本人の必要書類を取得します。モンゴルの婚姻手続では、婚姻要件具備証明書の他にも警察庁発行の犯罪履歴証明書の提出が求められます。
 婚姻要件具備証明書は在モンゴル日本国大使館で取得できます。しかし、犯罪履歴証明書は日本の警察で取得する必要があります。
手順2
モンゴルの婚姻手続
 日本人の必要書類を取得したら、モンゴルの国民登録庁に必要書類を提出して婚姻手続を行います。書類を受理したら30日以内に審査が行われます。婚姻手続が完了すると婚姻証明書が発行されます。
「日本人の必要書類」
①婚姻要件具備証明書、離婚歴があれば離婚を証明する証明書(日本の役所が発行したものを在日モンゴル公館が認証したもの)
②住民登録証明書(写真付き)
③警察本部発行の犯罪履歴証明書(モンゴル語翻訳文付き)
④健康診断証明書(エイズ、神経病、結核)
⑤身分証明書の写しと公証役場による証明(身分証明書、旅券など)
 結婚登録をする場合、健康証明書の提出が義務づけられています。性病、HIV、結核、精神廟等の恐れがあるときは、専門病院での検査を要求される場合があります。
「モンゴル人の必要書類」
①住民登録証明書(写真付き)
②健康診断証明書(エイズ、神経病、結核)
③中央身分証明書公文書発行の独身証明書
④モンゴル警察発行の犯歴証明書
手順3
日本の婚姻手続
 モンゴルの婚姻証明書を取得したら、日本の婚姻手続を行います。必要書類を在モンゴル日本国大使館又は日本の市区町村役場に提出してください。
「必要書類」
①婚姻届
②戸籍謄本
③国家登録庁(モンゴル国民登録センター)発行の婚姻証明書(日本語翻訳文付き)
④モンゴル人のパスポート(提示)
⑤日本人のパスポート(提示)
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法