イタリア人との国際結婚はどうすれば良いですか?
1,婚姻手続は日本とイタリアの両国でする必要がありますか?
配偶者ビザは、日本国法及びイタリア家族法の両国の法律に基づく婚姻関係になければ、許可は下りません。日本人とイタリア人が国際結婚をする為には、日本国民法及びイタリア家族法のそれぞれの婚姻手続を経る必要があります。
イタリアの婚姻年齢は、男女ともに18歳以上と定めています。もっとも、特別な事情がある場合には、裁判所の許可によって16歳で婚姻することも可能です。この場合、父母の同意が必要となります。日本の民法は婚姻年齢を2022年4月1日から、男女ともに18歳以上としています。また、日本の民法は女性のみ再婚禁止期間(100日)を定めています。他方、イタリアも再婚禁止期間(300日)を定めています。
イタリアでは、「シビル・ユニオン制度」が認められていますが、これは同性カップルに法的権利を認めるために導入された制度です。もっとも、日本の配偶者ビザ申請との関係では、事実婚の場合は許可が下りません。また、日本民法は同性婚を認めていません。よって、本稿では法律婚を前提に検討していくこととします。
日本の婚姻手続とイタリア婚姻手続のどちらを先に行うべきか、は申請人がどちらの国に在住しているかによって異なります。イタリア人が既に何らかの中長期の在留資格をもって、日本に在留しているのであれば、先に日本での婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。日本の婚姻手続を済ませることによって、両国の婚姻手続を済ませたことになります。逆に日本人がイタリアに在住しているのであれば、先にイタリアで婚姻手続を行うほうが、手間がかかりません。
2,先に日本で結婚する場合はどうしますか?
先に日本で婚姻手続を行う場合は、以下のような流れとなります。
手順1 イタリア人の婚姻要件具備証明書の取得 ↓ | まずは、駐日イタリア共和国大使館で、イタリア人の「婚姻要件具備証明書」を取得します。同書類は、即日発行してもらえます。 「必要書類」 ・出生証明書 ・婚姻当事者のパスポートの写し |
手順2 日本の婚姻手続 ↓ | 駐日イタリア共和国大使館で、婚姻要件具備証明書を取得したら、日本の市区町村役場で婚姻届を行います。 「必要書類」 ①婚姻届 ②イタリア人の婚姻要件具備証明書 ③イタリア人のパスポート ④日本人の戸籍謄本(本籍地の市役所に届出の場合は不要) |
手順3 駐日イタリア共和国大使館へ報告的届出 | 日本での婚姻手続が完了したら、駐日イタリア大使館へ報告的届出を行います。 「必要書類」 ①婚姻届受理証明書 ②日本人の戸籍謄本 |
3,先にイタリアで結婚する場合はどうしますか?
先にイタリアで婚姻手続を行う場合は、以下のような流れとなります。
手順1 日本人の婚姻要件具備証明書の取得とイタリア県庁による認証 ↓ | まずは、在イタリア日本国大使館で、日本人の婚姻要件具備証明書を取得します。同書類は、即日発行してもらえます。 婚姻要件具備証明書を取得したら、同証明書の署名が真正なものであることを、イタリア県庁による認証を得る必要があります。 「必要書類」 ①申請書 ②日本人のパスポート ③イタリア人のパスポート |
手順2 結婚の公示 ↓ | 婚姻要件具備証明書を取得したら、イタリアの市役所で「結婚の公示」を申請します。結婚の公示が市役所に2週間張り出されます。 「必要書類」 ①申請書 ②婚姻当事者の身分証明書 ③日本人の認証済の婚姻要件具備証明書 |
手順3 結婚式 ↓ | イタリアでは、結婚式が婚姻手続の一部となっています。手順2の公示期間経過後、市役所で結婚式の予約をします。結婚式が終了すると、婚姻証明書が発行されます。 |
手順4 日本の婚姻手続 | 在イタリア日本国大使館又は領事館、日本の市区町村役場で日本の婚姻手続を行います。 「必要書類」 ①婚姻届 ②日本人の戸籍謄本 ③婚姻証明書(日本語訳文付き) ④イタリア人の国籍証明書(日本語訳文付き) |
「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |