外国人取締役を日本に招聘する場合に必要なビザ（在留資格）は、企業内転勤・経営管理のどちらですか？

１，外国人取締役に必要なビザ（在留資格）は何ですか？
２，経営管理ビザとは、どんなビザですか？
３，上場企業の外国人役員の場合は、どうなりますか？
４，上場企業の場合の必要書類は何ですか？

１，外国人取締役に必要なビザ（在留資格）は何ですか？

　外国人取締役が日本で会社の経営や管理業務を行う場合に必要なビザは、在留資格「経営・管理」になります。これは、日本法人の外国人従業員が取締役に選任される場合でも、海外現地法人や子会社の取締役を日本法人の取締役として招聘する場合とで、異なりません。

　海外の現地法人の外国人従業員を日本の会社に招聘する場合は、必要なビザとして主に在留資格「企業内転勤」を取得します。企業内転勤ビザとは、日本に本店・支店など事業所を有する公私の機関が、当該機関の外国事業所の職員を日本の事業所に期間を定めて招聘する場合に認められるビザです。そして、企業内転勤ビザで従事することが認められている業務は、在留資格「技術・人文知識・国際業務」で認められている業務と同じになります。技術人文知識国際業務ビザでは経営や管理業務を行うことは認められていません。よって、外国人取締役を海外の子会社等から招聘する場合に必要となるビザは、企業内転勤ビザではなく、「経営管理」ビザになります。

２，経営管理ビザとは、どんなビザですか？

　経営管理ビザとは、在留資格「経営・管理」のことで、就労ビザの1つです。入管法は経営管理ビザについて「本邦において貿易その他の事業の経営を行い又は当該事業の管理に従事する活動」（入管法別表１の２）と定め、外国人が日本で事業の経営や管理を行うことを認めています。経営管理には、新規事業を立ち上げる場合のみならず、既存の事業に参画する場合も含まれます。

３，上場企業の外国人役員の場合は、どうなりますか？

　上場企業とは株式を公開している会社のことで、株式の一部でも公開していれば該当します。上場企業の場合は、経営管理ビザの申請の際に、事業計画書の提出は必要ありません。上場企業は、会社の実績や経営状態が公開されているため、新設会社であっても事業計画書の提出を求められることはありません。

　法務省は所属機関（企業）の規模によってカテゴリー分けをしています。各カテゴリ―によって提出書類が異なってきます。企業規模が小さくなればなるほど提出書類が増えていきます。上場企業の場合は、カテゴリー１に該当します。

　経営管理ビザの申請は、外国子会社の役員など海外にいる外国人を日本に呼び寄せる場合は「在留資格認定証明書交付申請」を行います。日本の会社に所属する外国人従業員を取締役に選任する場合は、既に保有している就労ビザ（技術人文知識国際業務ビザなど）から経営管理ビザへの「在留資格変更許可申請」を行います。

４，上場企業の場合の必要書類は何ですか？

　上場企業の場合は、必要書類として以下の資料が求められます。

「在留資格認定証明書交付申請」

１，在留資格認定証明書交付申請書　1通　
２，証明写真（縦4cm×横3cm）　1葉　　
　　申請前3か月以内に正面から撮影された無帽無背景で鮮明なもの
３，返信用封筒（宛先を明記の上、404円分の切手（簡易書留用）を貼付したもの）　1通
４，カテゴリー１に該当することを証明する文書　適宜　
　　四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書

「在留資格変更許可申請」

１，在留資格変更許可申請書　1通
２，証明写真（縦4cm×横3cm）　1葉
３，パスポート及び在留カード　提示
４，カテゴリー１に該当することを証明する文書　適宜　
　　四季報の写し又は日本の証券取引所に上場していることを証明する文書