ベトナム人との国際結婚は、どうすれば良いですか?

1,婚姻手続は日本とベトナムの両国でする必要がありますか?

配偶者ビザは、日本国法及びベトナム社会主義共和国法の両国の法律に基づく婚姻関係になければ、許可は下りません。日本人とベトナム人が国際結婚をする為には、日本国法及びベトナム社会主義共和国法のそれぞれの婚姻手続を経る必要があります。

 ベトナムの婚姻年齢は、男性が20歳以上、女性が18歳以上となっています。これに対し、日本の民法は婚姻年齢を2022年4月1日から、男女ともに18歳以上としています。したがって、日本人の男性は18歳以上であっても、20歳になるまではベトナム法に基づく婚姻はできません。

日本の婚姻手続とベトナムの婚姻手続のどちらを先に行うべきか、先に日本で婚姻手続を済ませるほうが、手間がかかりません。ベトナム人との婚姻の場合、結婚当事者両人が、ベトナムの役所や日本の市区町村役場に行かなくても、日本国内で両国の婚姻手続を行うことができます。以下では、①日本人のみで日本で婚姻手続を行う場合(ベトナム人婚約者はベトナム在住)、②ベトナム人婚約者が日本に在留している場合に分けて、ベトナム人との婚姻手続を検討します。

2,日本人のみで日本で婚姻手続を行う場合(ベトナム人婚約者はベトナム在住)はどうしますか?

(1)ベトナムから公的書類を取得

 日本でベトナム人と国際結婚をする場合は、駐日ベトナム大使館発行の婚姻要件具備証明書が必要となります。しかし、ベトナム在住のベトナム人と日本で国際結婚手続をする場合は、ベトナム人はベトナムにいるため大使館で婚姻要件具備証明書を取得することができません。よって、下記の公的書類をベトナムから郵送してもらう必要があります。

「ベトナムから取得する公的書類」

①出生証明書(出生の本籍帳記載抄録証明書)

②独身証明書(婚姻状況確認書)

③パスポートの写し

注)上記書類は日本語翻訳文が必要となります。日本語翻訳文をベトナムの役所がつけてくれる場合もあります。

(2)日本の市区町村役場に婚姻届を提出

 下記の書類を日本の市区町村役場に提出して、日本の婚姻手続を行います。

「ベトナム人の必要書類」

①出生証明書(日本語翻訳文付き)

②独身証明書(日本語翻訳文付き)

③パスポートの写し

「日本人の必要書類」

①婚姻届

②戸籍謄本

(3)ベトナムの役所に婚姻の届出

以下の書類に外務省認証を得て、その後駐日ベトナム大使館で認証を得る必要があります。認証を得た書類をベトナムの役所に提出してください。婚姻手続を済ませたらベトナム政府発行の婚姻証明書を取得してください。配偶者ビザを取得するときに必要となります。

「必要書類」

①日本人の戸籍謄本(ベトナム語翻訳文付き)

②婚姻受理証明書(ベトナム語翻訳文付き)

3,ベトナム人婚約者が日本に在留している場合は、どうしますか?

(1)駐日ベトナム大使館で婚姻要件具備証明書の取得

 日本で婚姻手続を行う場合に必要となる、婚姻要件具備証明書を駐日ベトナム大使館から取得します。

「必要書類」

①婚姻要件具備証明書の申請書

②当事者のパスポート

③日本の役所から発行してもらう結婚登録書に自分の名前が記載されていない証明書

④婚姻状況確認書の原本(ベトナムから取り寄せます)

⑤在留カードまたは住民票の原本

(2)日本の市区町村役場に婚姻届を提出

 駐日ベトナム大使館から取得した婚姻要件具備証明書を提出し、日本の婚姻手続を行います。

「必要書類」

①婚姻要件具備証明書(日本語翻訳文付き)

②ベトナム人配偶者のパスポート原本

③婚姻届

④戸籍謄本

(3)駐日ベトナム大使館へ婚姻の報告

 駐日ベトナム大使館に結婚したことを報告します。これによって、ベトナムでの婚姻手続を行ったことになります。ベトナム政府発行の婚姻証明書を取得することができるようなります。ベトナム政府発行の婚姻証明書は、配偶者ビザ申請に必要なので、取得してください。

「必要書類」

①婚姻受理証明書(ベトナム語翻訳文付き)

②戸籍謄本(ベトナム語翻訳文付き)

③夫婦のパスポート

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法