経営管理ビザを取得する為には、従業員2名を雇用しなければならないでしょうか?

1,従業員2人の雇用が必要でしょうか?

入管法の条文には経営管理ビザについて以下のような規定を設けています。そこで経営管理ビザを取得する為には従業員を2名以上雇用しなければならないかが問題となります。

申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること

イ その経営又は管理に従事する者以外に日本に居住する二人以上の常勤職員(法別表第1の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること

 確かに、経営管理ビザの許可要件の1つとして「2以上の従業員を雇用する規模の事業であること」が要求されています。この点に関し、資本金が500万円以上ある場合には、2人以上の従業員を雇用する規模の事業であると認められる可能性が高いです。資本金500万円を用意した場合には、2人以上の従業員を雇用せず、社長1人でも経営管理ビザを取得することは可能です。

 資本金500万円を用意できない場合は、経営管理ビザを取得する為には、2人以上の従業員(日本人か永住者に限ります)を雇用する必要があります。

2,注意点はありますか?

 経営管理ビザは、条件を満たせば社長1人会社でも取得できます。しかし、経営管理ビザで従事することが認められる業務は「経営と管理」です。したがって、飲食店や小売店のような店舗型のビジネスでは実際に店舗業務を行う従業員の採用が必要となってきます。経営管理ビザで従事することが認められるのは、経営と管理ですから、店舗で自ら調理したり、ホールで接客したり、販売店で販売業務を行うといった単純作業に従事することは出来ません。これらの業務を行う従業員の採用が必要となってきます。

 店舗型のビジネスで従業員を雇用せず、社長一人で経営管理ビザを申請した場合は、調理や接客を誰が行うのかが問題となり、社長自らが行うという推測が働きやすく不許可となる可能性が高いと思います。したがって、店舗型ビジネスの場合、経営管理ビザの申請においては、社長自らに認められていない業務に従事する従業員の確保が必要となってきます

 これに対し、コンサルティング業やIT関連、貿易業等、技術人文知識国際業務で認められているような業務を行う会社の場合は、社長一人でも経営管理ビザを取得することは可能です。

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表 特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法