1,帰化とはどのような制度でしょうか?

 帰化とは、外国籍の方が日本国籍を取得すること、すなわち外国人が日本人となることです。帰化が認められるためには、国籍法に定められた帰化要件を満たし、法務局に帰化許可申請を行い、許可してもらう必要があります。そして、法務局に帰化許可申請を行い、許可不許可に係る結果の通知が来るまで、およそ1年程度の審査期間がかかります。

 帰化許可申請に当たり必要とされる書類は膨大な量となり、書類は100枚以上となる場合もあります。膨大な書類の収集にも時間と手間がかかり、添付書類に不足や間違いのないように準備する必要があります。

 このように帰化申請では書類の作成や収取に時間と手間がかかりますが、これは申請が受理されるか否かの問題であり、申請が受理されたから当然に帰化が許可されるわけではありません。帰化許可申請において許可権者は法務大臣であり、法務大臣には帰化申請を許可するか否か広範な裁量権が与えられています。

 帰化申請をお考えの方は、まずは国籍法上の帰化要件を満たしているか否かを確認する必要があります。そして書類を収集していくことになりますが、帰化申請に必要な書類は、申請人によって必要書類が変わってきます。つまり申請人の状況に応じ書類の収集を行っていくことが必要となります。

2,帰化には何種種類あるのでしょうか?

(1)普通帰化

 代表的な例としては、外国で生まれ育った外国籍の方が、留学や就労又は日本人と結婚したことを契機に来日することになり、一定期間日本で生活を営み、今後も日本での生活を継続していくことを希望し日本国籍の取得を希望する、といった例です。

(2)簡易帰化

 国籍法第6条から第8条は、日本で生まれた者、日本人の配偶者、日本人の子、かつて日本人であった者など、日本と特別な関係を有する外国人について、帰化許可要件を一部緩和しています。これらの場合を簡易帰化と言います。

 帰化の許可要件は緩和されていますが、必要書類が変わるわけではなく、審査が緩くなるわけではありません。特別永住者の方が帰化する場合の必要書類は、普通帰化の場合より必要書類が多くなる傾向があります。

(3)大帰化

 国籍法第9条は、「日本に特別の功労のある外国人については、国会の承認を得て、帰化を許可することができる」と規定していますが、この場合を大帰化と言います。日本に特別の功労のある外国人は、普通帰化の要件を満たしていなくても、国会の承認によって日本国籍を取得できることになります。もっとも、大帰化が許可されたことは、これまで一度もありません。

「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了  
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法