【徹底解説】役員名義だけで経営管理ビザは取れる?実質的経営の判断基準と審査で見られるポイント

はじめに

在留資格 「経営・管理」ビザ(Business Manager/経営管理) は、外国人が日本で会社を設立し、事業を 実質的に経営・管理する活動を行う場合 に認められるビザです。
単に会社の 役員名義だけを取得していればOK という性質のものではなく、 実際に経営をしているかどうか が審査で重視されます。


1. 経営管理ビザとは?

在留資格「経営・管理」とは、日本国内で事業を 経営・管理(マネジメント活動) するための在留資格です。
対象活動は次のようなケースを想定しています:

  • 自ら会社を設立して代表者になる
  • 既存企業で海外本社から来日して経営戦略・管理を行う
  • 支店長・部門統括責任者として事業経営に責任を持つ場合

また、このビザは 長期(3〜5年)滞在・更新可能 で、将来的な 永住申請 につながることもあります。


2. 役員名義だけでは認められない理由

役員名義だけで経営管理ビザが取れるか?
結論から言うと、原則として認められません。

なぜなら、審査官が日本における在留資格として「経営・管理」に付す判断は 名目的な肩書きではなく、実体としての経営能力と事業活動の継続性に基づくものだからです。


3. 2025年改正の主要ポイント(必須要件)

2025年10月16日以降、在留資格「経営・管理」の要件が大きく改正されました。主なポイントは以下の通りです:

① 資本金等の基準:3,000万円以上

  • 法人の場合:払込資本が30,000,000円以上
  • 個人の場合:事業規模・投資総額が同等基準に達していること
    ※以前の基準(資本金500万円相当、または社員2名以上)から大きく引き上げられました。

② 常勤のフルタイム社員を1名以上雇用すること

  • 日本国籍者
  • 永住者
  • 特別永住者
  • 日本人/永住者の配偶者
  • 長期在留資格者

など 身分系資格を持つ人材 の雇用が必須です。
なお、該当社員は単に雇用契約を結べば良い訳ではなく、実際に常勤で労働している必要 があります。


③ 日本語能力要件

申請者または常勤社員のいずれかが、日本語で業務遂行・契約・税務対応等が可能なレベルであることが期待されます。
一般的には以下のいずれかが証明として用いられます:

  • JLPT(日本語能力試験) N2以上合格証明
  • BJT(ビジネス日本語能力テスト) 400点以上
  • 日本語教育の修了証明(日本語圏の教育を含む)

※これは改正によって明文化された条件であり、 単なる名義経営を排除する意図 があります。


④ 管理・経営能力の裏付け(経験・学歴)

申請者は 経営・管理能力を証明できること が求められます。代表的な証明方法は:

  • 3年以上の実務レベルの経営/管理経験
  • 関連分野(経営・会計・法務等) の 修士(MBA)以上の学位

など、 実績や専門性が第三者に評価できる証拠として提示される必要 があります。


⑤ 事業計画書の「第三者証明」

近年の傾向として、移民局は提出された事業計画書を外部専門家(中小企業診断士、税理士、公認会計士など)の 確認・証明付きで提出すること を推奨しています。
これは、単なる計画ではなく 実現可能性・収益予測・人員計画・リスク分析 が専門的に審査されるという意味です。


4. 「実質的経営」とは?審査官の判断基準

単に条件を満たしても、それが 形式的・名目的 なものであれば認められません。審査官が重視するのは以下の点です:


① 実際に経営の意思決定を行っているか

  • 取締役会や経営会議を主導している
  • 予算・資金調達・商品戦略に関与している
  • 役員名義だけでなく意思決定権限を持つ

といった 実務性 が求められます。


② 日常的に事業活動に関与しているか

  • 在留中に長期で日本不在ではないか
  • 事務所・拠点での実務が継続しているか
  • 月次帳簿や税務申告がきちんと実施されているか

といった、 継続性・実体性 が厳しくチェックされます。


③ アウトソーシングだけの管理では認められない

経営管理の全てを外部委託業者に丸投げし、「実際の意思決定や経営管理が社外にある」と疑われる場合は審査で不許可となる可能性が高いです。


5. よくあるQ&A


Q1.役員名義だけでビザ申請できますか?

A: いいえ、名義だけでは認められません。
審査では、実際の経営判断・日常的な経営関与・事業計画の実行性 が評価されます。
→ 形式だけの名義経営は不許可の主因となります。


Q2.代表取締役に就任していると何が有利ですか?

A: 法的責任者であることは重要ですが、それだけで十分ではありません。
移民局は 実際の経営行為の実績・拠点・従業員・具体的業績 などを総合評価します。


Q3.役員が複数いて主な経営権が別の人でもOK?

A: 可能ですが評価は厳しくなります。
審査官は あなた自身の経営参加度 を重視するため、担当業務・役割分担・意思決定の証拠を示す必要があります。


Q4.実務経験がなくてもMBAを持っていればOK?

A: 学歴は評価のポイントになりますが、 事業計画・実地の活動 が伴わなければ許可は困難です。
審査官は実際のビジネス運営力を重視します。


Q5.経営管理ビザから永住にはどれくらいかかる?

A: 経営管理ビザ自体は長期滞在可能ですが、永住申請には通常 10年以上の滞在実績と安定した収益実績 を示す必要があります(個別事例により変動)。
これは別途 永住申請基準として規定されています。


6. 成功する申請のための必須チェックリスト

  • 法人の設立登記・会社印鑑カード・資本金の払込証明
  • 独立した事務所の賃貸契約書
  • 常勤フルタイム従業員の雇用契約書・給与支払いの証拠
  • 日本語能力・社員の日本語能力証明
  • 経営者としての履歴書・実務経歴書
  • 税務申告書・社会保険加入証明
  • 専門家による事業計画書の確認証明

7. まとめ:実質経営が認められる要点

評価ポイント必須度
会社の実体(事務所・資本金・社員)★★★★★
経営判断・意思決定への関与★★★★★
税務・保険等の法令順守★★★★☆
経営実務の継続性★★★★★
名義だけの肩書き× 不可

重要結論

「役員名義だけ」では経営管理ビザは認められません。
審査官は形式ではなく、実際に経営管理を行っているか(実質) を厳しく判断します。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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