外国人ミュージシャンの興行ビザ1号(在留資格「興行」基準1号)の許可要件とは?

外国人ミュージシャンが日本でライブ、コンサート、パフォーマンス活動を行う場合、在留資格 「興行」 のうち 基準1号(いわゆる 興行ビザ1号)が適用されます。
このビザは日本の文化交流を促進しつつ、外国人芸術家等の就労活動を認める制度ですが、要件の審査は厳格です。
(※以下、公式資料を参照しながら解説します)

参照リンク


1. 「興行ビザ」とは?

在留資格「興行」は、外国人が 歌唱・演奏・ダンス・演劇等の興行活動 のために日本で活動することを認める在留資格です。
演奏家、歌手、ダンサー、俳優、スポーツ選手などが対象で、俗に エンターテインメントビザ と呼ばれます。

基本の在留資格該当例

  • ライブ・コンサート出演者(ミュージシャン)
  • 舞台俳優
  • ダンサー
  • スポーツ選手(興行性のある試合等)
  • 上記の随行スタッフ(条件あり)

在留期間は 30日〜3年まで幅があります。


2. 興行ビザ1号とは?

興行ビザは上陸基準(入管法で定める審査基準)によって以下に分かれます:

区分内容
1号(イ・ロ・ハ)演奏、舞台公演等 演劇・演芸・歌謡・舞踊・演奏 に該当する場合
2号スポーツ等の興行活動
3号興行以外(宣伝、映画制作等)

本記事は 「1号」 の要件を解説します。


3. 興行ビザ1号 許可要件の全体像

基準 1号 はさらに 「イ」「ロ」「ハ」 の3つに分類されます。
ミュージシャンが主に該当するのは 「基準1号イ」 または 「基準1号ロ」 です。


3-1. 基準1号イ(最も一般的な公演ケース)

条件

外国人ミュージシャンが 日本の公私の機関との契約に基づき、演奏等を行う場合 で、
公演場所が 風俗営業法(第2条第1項1〜3号)に規定する営業施設以外 で行われること。


「風俗営業法の営業施設」とは?

風営法にいう営業施設とは、例として:

  • キャバレー
  • キャバクラ
  • スナック
  • 遊興を伴う飲食店等

など、接待・有償飲食を伴う営業施設です。
これらの施設では、興行活動としての認定が難しいとされています。


3-2. 基準1号ロ(特定の公演条件)

基準1号ロは以下のようなケースに該当します:

  • 国、地方公共団体が主催する公演
  • 文化交流目的の公演
  • 大規模施設(敷地面積10万㎡以上)における継続的公演
  • 客席で飲食有償提供がない施設での公演(収容人数100人以上条件など)
  • ギャラ(日額50万円以上)の活動で30日以内滞在 など

※ これらは 一定の例外条件として要件が緩和される場合 を示しています。


基準1号ハ(特殊ケース)

基準1号ハは、特定の条件を満たしつつ 基準1号イ・ロに該当しない活動 の場合などに使われます。
本記事では一般的なミュージシャンケースではなく、実務要件が複雑になるため別途専門相談が必要です。


4. 興行ビザ1号 許可要件 詳細

① 契約関係

  • 日本の公私の機関との契約書が必要
    → 雇用や出演契約を正しく締結し、契約書を証拠として添付する必要があります。
    (契約内容、報酬、仕事内容が明確であること)

② 公演内容・場所

  • 演奏・公演活動が ライブ・コンサート・ステージ等として成立していること
  • 公演場所が 風営法の営業施設 に該当しない(または例外条件に該当)こと

③ 実績・能力の証明

1号申請では ミュージシャン本人の能力や実績を証明 する必要があります。
例:

  • 過去の演奏実績(海外・国内)
  • 作品履歴、受賞歴
  • 学歴(音楽大学等)
  • メディア掲載歴、プロとしての活動証明

など。これらが審査で重視されるポイントです。


④ 収入・報酬

  • 基準1号ロでは 報酬額(日額50万円以上) が評価要件になるケースがあります。
    ただし全てのケースに該当するわけではないので、個別審査要素として提出します。

⑤ 公演期間・滞在期間

  • 日本滞在予定期間(30日〜3年程度)を明確に記載し、
    その間の活動計画書を提出することが要件です。

5. 必要書類(概略)

興行ビザ1号の申請には以下のような書類が必要になります:

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 契約書/出演同意書
  • 活動計画書(演奏日程等)
  • 所属団体紹介・過去活動証明
  • 報酬に関する証明(契約金額、支払証拠)
  • 公演場所の詳細(会場情報)
  • パスポート・身分証明書類

※ 必要書類はケースにより異なります。公式資料を必ず確認してください。


6. よくあるQ&A

Q1. 興行ビザ1号と芸術ビザは何が違う?

興行ビザは 観客前で収入を得る活動 に使い、
「芸術」ビザは 収入を伴わない創作活動 や美術・文芸に用いられます。


Q2. クラブやライブハウスの公演は取得できる?

基準1号イでは 風営法適合外施設での公演 が基本です。
クラブ等の場合は 基準1号ロの例外条件 を満たす必要があります。


Q3. 申請はどこで行う?

在外公館(海外申請)または 地方出入国在留管理局 で申請します。


Q4. 審査期間はどのくらい?

通常 1〜3ヶ月程度 ですが、書類不足や内容精査により延びる場合があります。


7. 審査ポイント解説(行政書士視点)

① 実績証明の重要性

ミュージシャンの場合、
過去の 公演記録・メディア露出・プロ契約歴 などが最重要です。
単なるアマチュア活動のみでは厳しい審査になります。


② 風営法の要件は非常に重要

公演場所の判定が可否を分けるポイントです。
ライブハウス、バー等は単なる出演契約だけでは不十分なケースがあります。


③ 契約内容の明確化

契約書に報酬、出演条件、解約条件等を明記し、
どのような責任と役割で出演するかを明確にする必要があります。


8. まとめ:許可要件のポイント

ポイント要件
契約書日本の公私団体との明確な契約
活動内容公演・演奏など観客前で行う活動
公演場所風営法の営業施設か否かの確認
実績履歴証明(演奏・出演)
報酬ケースに応じて証明資料
活動計画滞在と公演スケジュール

9. 関連記事・参考リンク

関連記事:

参考リンク:


最後に(重要)

興行ビザ1号は 審査が非常に厳格 です。
ミュージシャンとしての実績の裏付け、公演内容の明確性、日本側契約者の適正、そして公演場所の法令適合性の証明が不可欠です。

必要書類・審査要件は細かく、ケースごとに異なるため、不安がある場合は 専門行政書士や入管相談窓口 への相談をおすすめします。

  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
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 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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