賃貸住宅を事業所にして経営管理ビザは取れるのか?– 在留資格「経営・管理」完全ガイド(改正対応)

この記事で分かること

この記事では、賃貸住宅を事業所として経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)が取得できるのかという疑問について、出入国在留管理庁の公式情報と最新の審査実務をもとに、以下の点を詳しく解説しています。

  • 賃貸住宅(自宅)を事業所にして経営管理ビザを取得できるかどうかの結論
  • 経営管理ビザにおける**「事業所要件」の基本的な考え方**
  • なぜ賃貸住宅・自宅兼事務所が原則として認められにくいのか
  • 例外的に賃貸住宅が事業所として認められる可能性があるケース
  • 審査で重視される
    • 独立性
    • 継続性
    • 事業実態
      の具体的な判断ポイント
  • 法人名義契約・用途変更・区画分離など、実務上の重要チェック項目
  • バーチャルオフィス・レンタルオフィスが経営管理ビザで使えるのか
  • 賃貸住宅を事業所にした場合のメリットとリスク
  • 実際に不許可になりやすい典型的なNGパターン
  • よくある質問(Q&A)で分かる
    • 「法人名義なら大丈夫?」
    • 「自宅の一室を区切ればOK?」
    • 「なぜ落ちるのか?」
      といった実務的な疑問への回答

これから経営管理ビザを申請予定の方や、
コストを抑えるために自宅・賃貸住宅を事業所に使えるか悩んでいる方にとって、
失敗を避けるための判断基準が分かる内容になっています。

はじめに

日本で起業・経営者として長期滞在する際に選ばれる代表的な在留資格が、**「経営・管理」ビザ**です。
このビザは、日本で会社または事業を運営・管理するための在留資格であり、近年、要件が大幅に厳格化しています。

その中でも特に**“事業所の確保・オフィス要件”は審査で非常に重視されており、「自宅兼事務所(賃貸住宅)」として申請を考えている方から多くの問い合わせがあります。**

この記事では、最新の制度改正を踏まえ、

  • 賃貸住宅を事業所として使えるのか?
  • 認められる条件・認められない条件
  • 実務上のポイントと審査傾向
  • よくある質問(Q&A)

を徹底解説します。


1. 経営管理ビザとは

「経営・管理」は、日本で会社を設立したり、既存の事業を経営・管理するための在留資格です。代表者・役員・責任者として日本で経営活動を行う方が対象です。

主な適用例

  • 自社の法人を日本で設立して経営する
  • 日本の会社に役員として加わり、実際の経営・管理に従事する
  • 支店・営業所の責任者として統括する

主要な要件(2025年10月16日以降の改正)

※改正前は資本金500万円等の比較的緩い条件でしたが、2025年10月16日施行の省令改正で大幅に要件が強化されました。

改正後の主要要件(新基準)

  1. 専用の事業所を確保していること
  2. 資本金・投資総額が3,000万円以上
  3. 常勤職員を1名以上雇用
  4. 申請者か常勤職員が日本語能力(JLPT N2相当)を有すること
  5. 3年以上の経営経験または管理関連の修士以上の学位等
  6. 専門家による事業計画書の確認・証明

これら全てを満たした上で、証明資料を添付する必要があります。


2. 事業所(オフィス)要件とは?

事業所の定義

出入国在留管理庁の基準では、**「事業所」**とは、以下を満たす場所を指すとされています。

  • 経済活動が行われる独立した場所
  • 管理主体が明確で、継続的に事業が行われている
  • 物品・サービスの提供・管理・運営が実際に可能な施設がある

なぜ事業所が重要か?

「経営・管理」ビザは、単なる在留目的ではなく日本経済で継続的に事業活動を行うことが前提です。そのため、事業所が実態として存在し、「継続性」「独立性」「業務が可能な環境」があるかが審査で最初に確認されます。


3. 賃貸住宅(自宅)を事業所にして申請できる?

結論:原則として「不可」

2025年10月16日施行の改正以降、自宅兼事務所(賃貸住宅)をそのまま事業所として申請することは原則認められていません。

その理由は主に次の通りです:

課題説明
使用目的の不明確さ賃貸住宅は居住用として契約されているため“事業用”としての明示が困難
継続性・独立性の欠如居住スペースと事業スペースが混在していると、事業としての独立性が薄いと見なされる
法的契約の制約賃貸契約で「事業利用不可」とされている場合がほとんど

さらに省令改正のガイドラインでも、**「専有性・継続性のある事業用区画が必要」**と明記されています。


4. 例外的なケースと条件

完全に不可能というわけではありませんが、以下のような条件を満たす場合に限り、賃貸住宅から事業所として認められる可能性があります:

① 賃貸契約自体が「事業利用可」と明記されている

賃貸契約の**使用目的欄に「事業用」または「事務所用」**と記載があり、契約書上でも会社がその物件を事業所として利用できることが明確な場合。

② 物理的に明確に区画されている

住宅と事業スペースが完全に区画分離されていること。たとえば、以下のようなケース:

ケース審査の可能性
敷地内の一部を独立した入り口・設備で使う△(条件付きで審査あり)
同一フロアで仕切りが曖昧
別棟の一室を法人名義で賃借○(高い可能性)

※実務上、入り口・設備・光熱分離・社名表示・ビジネス家具等の設置が重要です。

③ 法人名義で賃貸契約している

個人名義ではなく、法人名義で賃貸契約が締結され、使用目的が事業用として記載されている必要があります。

④ 事業の実態を示す資料を提出

例えば:

  • 実際の仕事机・機材・電話・PC完備の写真
  • 事業用看板・郵便受け表記
  • 来店/来訪がある事業の場合、出入りの記録や案内パンフレット
  • ビジネス用帳簿・契約書類の保管場所

こうした資料も審査で重要な証拠になります。


5. 何が審査で見られるのか?

経営・管理ビザの審査では、以下のポイントが重視されます:

事業所の実在性

  • 住所地が実際に事業活動を行っている物件か?
  • 事業用の設備・機材が揃っているか?

事業の継続性

  • 資本投入が確実に行われているか?
  • 継続的に所得・雇用が生じる見込みがあるか?

会社の実態

  • 社員の雇用・社会保険加入
  • 法人としての登記・税務申告が適正か?

申請者本人の役割

  • 経営者としての実務・責任範囲が明確か
  • 管理者としての役割が証明できるか?

これらが全て評価され、住所・オフィスの実態も包括的に審査されます。


6. 賃貸住宅を使うメリットとリスク

メリット

  • 初期費用の節約
  • 家賃と事業費の一体管理ができる可能性
  • 住居兼事務所で出入りの管理が簡単 

リスク

  • 審査で「事務所として不十分」と判断される可能性が高い
  • 賃貸契約の用途変更が必要
  • 独立性・継続性が証明できない場合は不許可のリスクが高まる

7. 事業用不動産として認められやすいオフィス形態

以下のような物件は審査に良い影響を与える可能性があります:

  • 法人名義の賃貸オフィス契約(事業用)
  • レンタルオフィス(専有スペース・完全区画)※共有席型は不可
  • インキュベーションオフィス(専用区画あり)
  • 店舗・事務所物件として登記可能な賃貸

特に、法人名義で契約できる専用オフィスは、事業所と認められやすいです。


よくある質問(Q&A)

Q1. 賃貸住宅を法人名義で契約すれば大丈夫ですか?

A1: 可能性はありますが、単に契約名義を法人にしただけでは不十分です。事業として機能する物証(設備・看板・業務実態)も重視されます。

Q2. バーチャルオフィスや住所だけ借りる方法は?

A2: バーチャルオフィスは原則不可です。実態ある独立した空間が必要です。

Q3. 家の一部を区切ってオフィスにする場合は?

A3: 明確な区画分離、独立した入り口・ビジネス利用許可・実務設備があれば、審査対象になる場合もあります。ただし判断はケースバイケースです。

Q4. 賃貸住宅を事業所として申請して審査に落ちた例はありますか?

A4: 多くの行政書士・専門家の情報では、居住用契約のまま事業所として申請して拒否された事例が多数報告されています。原則として事務所用賃貸が必要と見なされています。


まとめ|賃貸住宅で経営管理ビザは可能?

ポイント結論
賃貸住宅をそのまま事業所として申請× 原則不可
法人名義・事業用契約・区画分離△ 条件付きで可能
バーチャルオフィス× 原則不可
専用オフィス・店舗賃貸〇 有利

結論として、賃貸住宅そのままで申請することは原則として認められていません
ただし、**契約内容・区画・設備・事業実態の証明が十分で、独立性を確保できればケースによっては審査対象となる可能性があります。**審査基準が明確化された今、専門家と相談の上、オフィス契約を進めることが重要です。

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参考リンク

  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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