自宅兼事務所で経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)の事業所要件は満たせるか?─ 2025年法改正対応|最新の許可基準と実務ポイント完全ガイド

この記事で分かること

  • 自宅兼事務所で経営管理ビザ(在留資格「経営・管理」)の事業所要件を満たせるのかどうか
  • 出入国在留管理庁が求める**「事業所確保要件」の基本的な考え方**
  • 2025年以降の制度運用を踏まえた最新の審査傾向
  • 自宅兼事務所が原則不可とされる理由と、その背景
  • 例外的に自宅兼事務所が認められる可能性のあるケース
  • 認められにくい自宅兼事務所の具体例(ワンルーム・マンション等)
  • 経営管理ビザで評価されやすい事業所の条件・チェックポイント
  • バーチャルオフィス・レンタルオフィスの可否と注意点
  • 事業所要件に関してよくある質問と公式Q&Aの考え方
  • 自宅兼事務所を検討する際に不許可リスクを下げるための実務上の対策

はじめに:経営管理ビザの目的と事業所要件とは

**在留資格「経営・管理」(通称:経営管理ビザ)**は、外国籍の方が日本国内で事業を起こし、会社や事業の経営管理に従事するための在留資格です。

その中でも、最重要要件の一つが 「事業所の確保」 です。これは単に住所を登録するだけではなく、実質的・物理的に事業活動を行う拠点があることを意味します。


2025年10月の法改正で何が変わった?(重要)

2025年10月16日施行の基準省令改正により、経営管理ビザの在留資格要件は大幅に厳格化されました。特に以下の点が注目されます:

  • 事業所の要件が明確化・厳格化
  • 自宅兼事務所・バーチャルオフィスの原則不可
  • 事業の継続性・独立性を重視した審査に変更
  • 事業計画の専門家確認が必須化

これらの改正は申請・更新の双方に適用されます。


事業所要件の基本ポイント(公式の考え方)

経営管理ビザにおける「事業所確保」要件とは、下記2つを満たすことが必要です。

  1. 実際に日本国内で事業活動を行う拠点としての事務所・店舗があること
  2. 継続的な運営が可能で、独立した事業用空間として成立すること

この“拠点”は単なる住所ではなく、事業運営の実体として機能する必要があります(オフィス設備・営業活動が行われる場所であること)


自宅兼事務所は原則不可

結論(2025年改正後)

原則として、自宅と兼用の事務所(ワンルームや住居スペースの一部利用)は認められません
法務省の省令Q&Aでも「自宅を事業所として兼ねることは、改正後の規模等に応じた経営活動を行うための事業所を確保する観点から、原則認められない」と明記されています。


なぜ「自宅兼事務所」は認められにくいのか?

旧制度では、賃貸借契約に貸主の同意があり、事業用として明示された部屋があれば自宅内でも認められたケースが一部ありました。しかし、2025年の改正により、事業規模に応じた適切な事業所が求められるようになっています。そのため、居住空間との兼用は以下の理由で不合格となる可能性が高いです:

  • 居住スペースと事業スペースが物理的に分離されていない
  • 事業用としての独立性が低い(入口・設備・利用形態が住宅に依存)
  • 継続的な事業運営の根拠といえない

これらは審査官が「実際に事業活動している場所か?」「人員・設備が事務所として成立しているか?」を確認する判断材料となります。


例外的・限定的に認められる可能性のあるケース

改正後でも次のような条件を満たせる場合は、例外的に判断されるケースがあります(ただし極めて限定的):

物理的に区分された専用スペースがある場合

例)一戸建て住宅の一部を事業所として専用に利用し、完全に独立した入口・部屋を設け、事業用設備が整っているケース。

※この場合でも、審査官が事業所としての独立性を信頼できるかどうかが審査のポイントです。

契約が会社名義であり、貸主の同意がある場合

住宅として借りていても、貸主が「事業用としても使用すること」を明示し、会社名義で契約している証拠が提出できるケースに限り運用上認められる可能性があります。

事務所スペースが別建物・別入口として明確区分されている場合

例えば、敷地内にある独立したオフィス棟があり、居住スペースと完全に分断される形で運用されていれば、例外的に認められる可能性があります。ただしこれは稀です。


認められない事例(審査上の注意)

以下のような形態はほぼ認められません:

× ワンルームやマンションの一部で事業スペースを兼用
× バーチャルオフィス(住所貸しのみ)
× 住居スペースと区切りが不明確な簡易パーテーションのみ
× 居住スペースを通らないと入れない事業スペース

これらは「事業所の独立性・継続性」を証明できないと判断されやすく、審査で不許可となるリスクが高いです。


事業所として認められるポイント(審査で評価される要素)

経営管理ビザの事業所として評価されやすい形態には以下の条件があります:

1. 会社名義の賃貸契約がある

契約書に明確に会社名が記載されており、「事業用」として契約されていること。

2. 事業用設備・機能が整備されている

デスク、PC、オフィス家具、電話回線、会社印の掲示など、事業活動の証拠が提示できること。

3. 事業計画と物理的状況の一致

提出する事業計画書における「営業活動」「顧客対応」「業務フロー」が、実際の事業所の設備・構造に整合していること。

4. 継続性を証明できること

契約期間、写真、名刺交換記録、営業レポートなど、継続的に運用している証拠が提出できること。


公式Q&A

Q:自宅を事業所と兼ねることは認められますか?
A:改正後の規模等に応じた経営活動を行うための事業所を確保する観点から、原則として認められません。

この公式Q&Aは、事業所確保の本質が単なる住所ではなく実質的事業運営拠点であることを強調しています。


自宅兼事務所が許可される可能性がある条件まとめ

条件許可される可能性
契約が会社名義可能性あり
住居部分との完全な独立区画可能性あり
入口・設備が明確に別可能性あり
ワンルーム兼用ほぼ不可
バーチャルオフィス不可

※ただし、どのケースでも審査官の裁量判断が大きく影響するため、書類・写真などの証拠を精緻に準備することが重要です。


Q&A(よくある質問)


Q1. 事業所を自宅兼にしたい場合、何をすればいい?

A: 「1.会社名義の契約」「2.独立した専用スペース」「3.貸主の事業利用承諾書」の3点を整備し、居住部分と明確に区分された実務用スペースとして説明できる状況を作ることが最低ラインです。


Q2. 賃貸住宅(集合住宅)の一室を事業所として使えますか?

A: 原則不可です。ただし集合住宅内でも、事業専用区画があり、居住部分と完全に分離された状態+貸主の承諾がある場合は例外的に検討される可能性があります。


Q3. どんな審査基準で事業所の実態を評価しますか?

A: 契約書、会社名義、事業計画の一致、事務所の写真、設備、従業員の配置、営業記録などを通して「事業継続性・独立性・実体性」があるかを総合的に見ます。


Q4. バーチャルオフィスは使えますか?

A: 住居の住所貸しだけのバーチャルオフィスは基本的に不可です。独立した区画・部屋があり、実際の業務が行われる形態であれば検討対象となることがありますが、原則として避けた方が安全です。


Q5. 新しく取得したオフィスと自宅兼住所をどう扱えば良い?

A: 法務局での登記上は会社所在地として事務所住所を記載し、自宅住所は別にすることが審査上の安全策です。虚偽記載は信用失墜につながるので注意が必要です。


まとめ:自宅兼事務所で経営管理ビザの事業所要件はどうなる?

最新結論(2026年現在)

  • 原則として 自宅兼事務所は不可
  • 独立した事業用オフィスの確保が必須
  • 例外的に許容されるケースはあるが、審査は厳格
  • バーチャルオフィス・住所貸しのみは不可
  • 証拠(契約・写真・営業記録)の充実が重要

これらを理解した上で、事業計画やオフィス選びを進めることが、経営管理ビザを確実に取得する最善策です

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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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