自営業で「技術・人文知識・国際業務ビザ」(在留資格「技術・人文知識・国際業務」)を申請する際の注意点


この記事のポイント

  • 自営業者・フリーランスでも「技術・人文知識・国際業務ビザ」で活動可能か
  • 申請・審査で必ず押さえるべき6つの注意点
  • 自営業における書類・事業計画の作り方
  • よくある誤解と失敗事例
  • Q&A(よくある質問と回答)

1. 「技術・人文知識・国際業務ビザ」とは

在留資格「技術・人文知識・国際業務」は、
公私の機関との契約に基づき、専門知識や技術を要する業務に従事する外国人が日本で働くための在留資格です。
出入国在留管理庁の公式説明では、以下のように定義されています。

理学・工学等の理系分野、法律学・経済学等の人文科学分野、
または外国文化に基盤を有する思考や感受性を必要とする国際業務に従事する活動。

これは通常、企業等の正規雇用契約がスポンサー(受け入れ機関)となる就労ビザとして取得されます。


2. 自営業・フリーランスでの「技人国ビザ」は可能か?

結論から言うと:

  • 可能ではあるが一般的ではない
  • 自営業での申請は審査が厳しく、準備と立証が必須
  • 形式的に「自分の会社をスポンサー」にする場合でも厳密な審査対象に

※日本には「自営ビザ」という在留資格はなく、 自営業として活動する場合でも、基本は「技術・人文知識・国際業務」など既存の就労系在留資格での認定が必要です。同様に「自分で自分を雇用する」という表現は法的には存在しません。


3. 自営業でビザ申請する際の最重要注意点


① 契約関係の明確さ(スポンサー問題)

在留資格は法律上「契約」に基づく活動であることが必須です。

自営業・個人事業主で申請する場合、単なる「開業届」だけでは不十分で、
以下の要素が重要になります:

  • 日本国内の法人/団体/個人事業主との継続的な契約関係があること
  • 契約内容が在留資格の活動内容に明確に該当していること
  • 契約が契約書(書面)として適切に保管されていること

つまり、「自営業」といっても、単独で完結する仕事ではなく、
対外契約ベースで継続的に報酬が発生することを示す必要があります。


② 活動内容が「技術・人文知識・国際業務」に該当するか

ビザの主目的は専門的業務への従事です。ビジネスが以下の条件に該当すること:

  • 専門知識・技術を要する内容であること
  • 学歴や職歴と関連性が明確なこと(後述)
  • 単純労働ではないこと

国際業務の例としては、
翻訳、通訳、海外取引、コンサルティング、マーケティング、IT・デザイン等が該当しますが、
その仕事内容を審査官に理解させる説明能力が必要です。


③ 学歴・実務経験の立証(要件検証)

ビザ要件として最も審査されるポイントの一つが「学歴・実務経験」です。
法務省の規定では以下の要件が基礎となります:

・ 技術・人文知識(理系・文系):大学卒業(学士以上)
    ※10年以上の専門実務経験で代替可能な場合あり
・ 国際業務分野:一般に3年以上の実務経験が必要(大学卒業者は免除あり)

つまり、自営業を行う場合でも、
このバックグラウンドと業務内容の整合性が審査の中心になります。


④ 収入・報酬水準の証明

在留資格の申請では、収入が
「日本人と同等以上(生活が安定)」と判断される水準であることが要求されます。
一般的な目安としては、月額20万円以上(年収240万円以上)の継続的な収入が目安とされています。

  • 契約書
  • 請求書・支払証明
  • 収入証明・税務申告書
  • 銀行取引記録

…など、確実な証拠を提出します。


⑤ 契約先・営業基盤の安定性

フリーランス・自営業の場合、契約先が複数に分かれることもありますが、
スポンサー(契約先)が日本国内で事業を継続できることの実証が必要です。

  • 契約先企業の法人登記
  • 決算書・財務状況
  • 業務契約履歴

審査官は「事業と収入が安定しているか?」を重視します。
この点が弱いと、申請・更新で不許可リスクが高まります。


⑥ 書類の精度(説明力・日本語翻訳)

提出書類はすべて正確な日本語で整える必要があります。また以下の点も重要です:

  • すべての契約書・証明書を正確に翻訳
  • 日本のビジネス慣行に即した書類構成
  • 「事業計画書」「収支見込書」「契約スケジュール」等を作成

審査官は形式だけでなく、内容の整合性と論理的一貫性を重視します。


4. 自営業で申請する際の申請パターン


A. 海外在住からの新規申請(COE取得)

「在留資格認定証明書(COE)」を申請し、日本入国後にビザ発給を目指します。
必要書類の例は次の通りです:

  • COE申請書(法務省様式)
  • 契約書・業務内容説明
  • 収入証明、顧客リスト
  • 契約先の法人登記・決算
  • 履歴書・事業計画書

審査期間は通常1〜3ヶ月程度ですが、契約や収入の証明が不明確だと長期化します。


B. 日本在留中の在留資格変更申請

留学・家族滞在などのステータスから変更する場合でも、
同様に業務内容・学歴・収入等の立証資料が必要です。
変更申請は日本国内の出入国在留管理局で行います。


5. 失敗しやすいポイントと回避策


失敗例①:契約が曖昧すぎる

➡ 口頭ベースの契約のみ、請求書だけ
回避:契約書・支払実績・税務申告書をセットで提出


失敗例②:活動内容が在留資格の範囲外

➡ 単純な販売・労働中心の仕事
回避:業務内容が知識・専門性に基づく活動である説明を加える


失敗例③:学歴・実務要件の立証が弱い

➡ 職務経歴書だけで説明不足
回避:詳細な職務経歴証明書+業務と関連性の説明文書を用意


6. Q&A(よくある質問)


Q1. 自営業を始めたばかりでも申請可能ですか?

A. 可能ですが、事業の安定性を示すデータが必須です。
具体的には、既に契約済み顧客・継続収入実績・法人登記や事業計画などが求められます。


Q2. 契約先が海外企業しかない場合はダメですか?

A. 原則、日本国内の契約が必要とされます。
海外契約だけだと「日本国内の活動」と認められにくく、審査で不利になります。


Q3. 収入が不安定でも申請可能?

A. 収入が一定水準以上であり、継続性を示せる資料があれば可能。
票としては、税務申告書・銀行取引記録で立証します。


Q4. 在留資格更新で気をつけることは?

A. 申請時の内容と一致しているかの確認が最重要です。
実績が変わっていれば説明資料を追加し、状況説明を準備します。


まとめ

自営業で「技術・人文知識・国際業務ビザ」を申請することは可能ですが、
単純に自分で会社を作れば通る、といった簡単なものではありません。
審査官に「この事業は専門性があり、日本で継続的に仕事ができる」と論理的かつ客観的に説明できることが最重要です。

  • 契約関係の明確化
  • 業務内容の専門性立証
  • 学歴・実務の整合性
  • 収入の証明
  • 事業の安定性
  • 書類・説明内容の精度

この6つのポイントを押さえることで、不許可リスクを大きく減少させることができます。

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参考リンク

  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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