永住者の配偶者等ビザ更新実務|離婚協議中・別居中の審査ポイントとは
目次
はじめに
在留資格「永住者の配偶者等」は、日本で働き・生活するうえで非常に有利なビザです。しかし、離婚協議中・別居中といった家族関係の変化があると「更新できるの?」という不安を抱える方が増えています。本記事では、公式根拠と実務上の考え方を丁寧に解説します。
1. 「永住者の配偶者等」とは?
在留資格「永住者の配偶者等」は、永住者の配偶者および実子が対象となる身分系在留資格です。
この資格が認められると、就労制限なく働くことができ、在留期限も比較的長期(1年/3年/5年)で許可されます。
公式(法務省・出入国在留管理庁)リンク:
永住者の配偶者等(在留資格・解説) — 出入国在留管理庁公式 https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/spouseorchildofpermanentresident.html
2. 「更新」とは?基本の考え方
在留資格の更新とは、現在の資格を引き続き維持するために手続きを行うことです。
「永住者の配偶者等」は配偶者であることが前提条件のため、更新審査では特に以下が重視されます:
- 婚姻関係が存在していること
- 生計維持の継続性
- 納税・社会保険加入などの適正な在留状況
離婚協議中・別居中であっても、婚姻関係が法律上消滅していない限り、更新申請自体は可能であるという実務上の見解があります。
3. 離婚協議中・別居中でも更新できるケース
(1)離婚協議中は更新申請自体は可能
法的には、離婚が成立する(裁判離婚・調停成立・協議離婚の成立)までは婚姻関係が継続しているとみなされます。
したがって、離婚協議中であっても在留資格としての身分は消滅しません。このため 更新申請そのものは可能です。
(2)別居中でも「合理的な理由」があれば更新OK
たとえば以下のような事情があれば、別居そのものが直ちに不許可理由になるわけではありません:
- 仕事の都合や単身赴任
- 家族の介護・病気対応
- 育児や教育上の理由
これらは「別居の合理的な理由」として考えられます。
4. 離婚・別居で不許可になるケース
ただし、次のような状況だと更新が認められない可能性があります:
(A)離婚が成立している
婚姻関係の法的な存続がない場合、身分系在留資格としての前提条件自体が消失するため更新はできません。
離婚成立後は、別の在留資格への変更が必要となります(例:就労ビザ・定住者ビザ等)。
(B)別居に正当な理由がない
単に夫婦仲が破綻していて接触すらない場合、更新審査で「婚姻関係の実態がない」と判断されるリスクがあります。
5. 実務上注意すべきポイント
離婚協議中・別居中の更新申請時は次を準備する
❶ 理由書(別居・離婚協議状況の説明)
別居・離婚協議の背景と将来的な婚姻維持の意思があれば明確に説明する書面を添付。
❷ 別居の合理的理由の証拠
単身赴任、家族の療養など業務・生活上の事情を示す証拠(勤務地証明、医療書類等)。
❸ 継続した交流の証拠
LINE履歴、帰省日程、住宅契約書など。
6. 離婚成立後の在留資格選択肢
離婚が成立した場合、以下のような対応が必要です:
(1)在留資格変更
現在の「永住者の配偶者等」は失効するため、別の在留資格への変更申請を行います。
選択肢例:
- 技術・人文知識・国際業務(就労系ビザ)
- 定住者ビザ
- 高度専門職ビザ
など
(2)定住者ビザの検討
「定住者」ビザは家族関係以外の理由でも在留が可能なステータスであり、離婚後に変更申請される場合もあります。
7. 法的義務:離婚したら忘れずに届出
離婚・死別した場合、14日以内に出入国在留管理庁への届出が義務付けられています。
公式:「配偶者に関する届出」 — 出入国在留管理庁 https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri10_00016.html
8. まとめ(結論)
- 離婚協議中であれば、婚姻関係が消滅していない限り更新申請は可能です。
- 別居中でも「合理的な事情」を説明すれば更新が認められるケースがあります。
- 離婚成立後は、原則として更新できず別資格への変更が必要です。
9. よくある質問(Q&A)
Q1. 離婚協議中だけど入管にはどう説明すればいい?
A: 理由書で別居 / 離婚協議の背景・合理性・将来計画を説明し、証拠を添付してください。
Q2. 別居中の更新審査で必ず面談されますか?
A: 状況によりますが、書類内容で信頼性が保てる場合は面談なしで許可されることもあります。
Q3. 離婚後に永住者の配偶者等で滞在できますか?
A: いいえ。離婚が成立すると前提条件が消えるため、別資格への変更が必要です。
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参考リンク
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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