系列企業内の転職でも企業内転勤ビザ変更は必要?在留資格「企業内転勤」を徹底解説|変更の要否・注意点・ケース別Q&A
目次
この記事のポイント
- 系列企業内転職でも在留資格変更が必要か否か
- 企業内転勤ビザの仕組みと要件(出入国在留管理庁の公式定義)
- 入管法令上の「転職」と「転勤」の違い
- 変更不要となる条件 vs 変更が必要な場合
- 具体的な手続きフロー・必要書類
- ケース別のQ&A(よくある質問)
1. 在留資格「企業内転勤」とは?(基本理解)
**在留資格「企業内転勤」**は、簡単に言うと次の通りです:
海外の事業所で働いていた外国人従業員が、日本国内の同一企業グループの事業所へ期限付きで転勤する場合に付与される就労ビザ。
労働内容は「技術・人文知識・国際業務」に該当する必要があります。
この制度は、グローバル人材を社内の人事異動の一環として柔軟に配置するための枠組みです。
親会社・支店・子会社・関連会社など、企業グループ内の関係が要件になっています。
2. 転職・転勤の違い(法的な区別)
ここが最大のポイントであり、多くの誤解が生まれる箇所です。
「転勤(異動)」とは?
- 同一企業グループ内での人事上の配置転換
- 本社 ↔ 支店・関連会社・子会社などの活動
- 転勤命令・転勤辞令がある
- 雇用契約(待遇・人事評価・給与体系等)は継続している
こうしたケースは「企業内転勤」と認められる可能性が高く、在留資格変更が不要な場合があります。
「転職」とは?(変更が必要)
- 同一企業グループ内でも雇用契約が終了 → 新たな入社契約になる
- 異動命令ではなく採用という形式の就職
- 労働条件・雇用関係が実態として新会社に移る
このように実務上「転職」と評価されると、在留資格の変更が原則必要です。
なお、入管法上すべてのステータスは「現在の在留資格で行う就労内容」がポイントになり、変更不要と判断されるのは在留資格に紐づく条件を満たすかどうかで判定されます。
3. 系列=無条件に「変更不要」ではない理由
よくある誤解
「系列企業内だから変更は必要ない」
→ × この理解は法律・実務で正しくありません。
理由は次のとおりです:
- 企業グループ内でも転職として扱われるケースがある
→ 雇用関係の切替があると原則変更が必要。 - 在留資格「企業内転勤」は日本側の企業が活動機関として明確に指定される必要がある
→ これが変わる場合、在留資格要件も変わるため変更が必要。 - 企業グループの資本関係の有無は条件の一つですが、転勤の実態(異動命令/雇用継続)が更に重要。
つまり、
系列であっても「転職」と実態が評価される場合
→ 在留資格変更が必要
という理解が必要です。
4. 変更不要(転勤と認められる)ケース
条件を満たし、変更不要と判断されやすい典型例は以下です:
- 同一企業グループ内の正式な異動命令
- 役職・業務内容が実質的に継続している
- 雇用契約の継続と待遇の継続
- 活動機関の届出は変更するが、在留資格区分そのものは維持可能
この場合、在留資格変更は不要ですが、変更届出は必要である場合があります。
5. 変更が必要となるケース
次のような場合は、原則として**在留資格変更許可申請**が必要です:
ケース1:雇用契約そのものが変わる
- 在留資格発行元の会社との契約が終了して新会社へ入社
→ 実務上「転職」と評価されます。
ケース2:活動機関(会社)が変更し、転勤とは認められない
- 異動命令がない、採用形態である
→ この場合、変更手続きが必要です。
ケース3:異動先の仕事内容・条件が「企業内転勤」の要件から外れる
- 職務内容が変わる
→ 活動内容に合致しないため変更申請対象です。
6. 在留資格変更と届出の違い
| 手続き | 必要な場面 |
|---|---|
| 在留資格変更許可申請 | 現在の資格での就労が困難/転職に伴う業務変更 |
| 活動機関に関する届出 | 会社名・所在地などの変更を届け出る場合 |
※ 例:転勤として在留資格「企業内転勤」のまま会社の所属先が変わる場合 → 届出でOKになるケースもあります。
7. 手続きの実務フロー
STEP 1:状態の整理
- 現在の在留資格
- 転職の仕方(転勤/転職)
- 新会社での職務内容
STEP 2:必要情報の確認
- 在留資格要件に適合するか確認
- 転勤命令書/雇用契約書
- 事業所情報(登記簿、資本関係)
STEP 3:届出 or 変更申請
- 転勤の実態を証明できる場合 → 届出のみ
- 転職(採用形態)等の場合 → 在留資格変更申請
※ 変更申請は地方入国管理局へ提出。審査後、新在留カードが発行されます。
8. よくある質問(Q&A)
Q1. 系列企業内でも在留資格変更は必ず必要?
A1: 必ずではありません。ただし転職(雇用契約変更)と認められれば変更が必要です。
Q2. 変更不要となるのはどんな場合ですか?
A2: 正式な異動命令があり、転勤として実務要件を満たしている場合、在留資格そのものの変更は不要です(届出のみで済む可能性あり)。
Q3. 過去の雇用実績がある場合でも必要?
A3: 過去の雇用実績があっても、実態が採用契約に変われば変更が必要です。
Q4. 変更しないまま転職したら?
A4: 現在の在留資格がそのまま有効でも、「就労内容に合致しない」場合は法律違反となる可能性があります。
Q5. どこに申請すれば良いですか?
A5: 地方出入国在留管理局です。許可後に在留カードが発行されます。
9. まとめ
- 系列企業内であっても条件次第で変更申請が必要です。
- 重要なのは「転職」と「転勤」の区別と実態証明。
- 「転勤」と評価される形態なら変更不要・届出のみで済むケースがあります。
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参考資料
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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