経営管理ビザで「出資しなくてもOKな場合」とは?申請基準と実務のポイント完全ガイド
日本でビジネスを行う外国人が取得する代表的な在留資格の一つが、在留資格「経営・管理(Business Manager)」 です。このビザは、日本国内で会社を設立して経営に携わるためのビザとして広く知られています。しかし、
- 「資本金は申請人本人が出資しないといけないの?」
- 「他の人が出資していてもビザは取れる?」
- 「どんな場合なら本人出資なしでも申請できる?」
という疑問は、多くの海外起業家・法人役員候補者から寄せられています。本記事では 出資義務の実務的な意味から、出資しなくてもよいケースとその注意点まで を徹底解説します。
目次
公式情報・法令上の位置づけ
在留資格「経営・管理」は、法務省・出入国在留管理庁が定めた在留資格であり、以下公式ページが申請・審査基準の出典となります:
法務省 出入国在留管理庁「経営・管理(Business Manager)」基本情報
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/businessmanager.html
また、ビザ申請に必要な資料・基準詳細は次のページで確認できます:
法務省「経営・管理」在留資格該当性判断基準等
https://www.moj.go.jp/isa/applications/resources/10_00237.html
(※上記は公式審査基準・ガイドラインであり、実務上の解釈・運用は入国管理局により判断されます。)
経営管理ビザの基本要件(要点)
まず前提として、このビザ申請に当たって一般によく知られている要件を整理します。
主要な審査ポイント
| 基準 | 旧基準(〜2025年10月まで) | 新基準(2025年10月16日以降) |
|---|---|---|
| 資本金・投資規模 | 500万円以上、またはフルタイム従業員2名 | 3,000万円以上 + フルタイム従業員1名 |
| 事業計画 | 審査のみ(外部専門家不要) | 外部専門家による評価・確認が必須 |
| 経営経験 | 不要 | 経営・管理経験3年以上 または 関連学位 |
| 日本語能力 | 不要 | 申請人 または 従業員の日本語能力要件あり |
| 事業所 | 日本国内の実体ある事業所が必要 | 同左(現地オフィス) |
※最新基準は2025年10月16日施行であり、申請日基準で判断されます。
出資は必須か?
結論から言うと、
「申請人本人が自ら資本金を出資する」必要は必ずしもない。
ただし 成立する特定の条件・文脈が存在する。
これは、法令上の「資本金要件」がビザ申請人の出資そのものを義務づけているわけではなく、会社の事業規模・資本構成が一定水準にあるかどうかを審査する基準である ためです。
出資と在留資格の関係性
- 法令上、出資そのものが「本人の自己資金であること」は必須要件ではない。
- 重要なのは 申請する事業が継続・安定して行われる規模要件を満たすか という点であり、多くのケースでは 資本金規模・事業規模・経営実態 が焦点となります。
出資しなくても経営管理ビザが取れる主なケース
以下のケースでは、申請人自身が出資しなくても審査をクリアし、経営管理ビザが認められる可能性があります。
1. 既存会社に役員として就任する場合
外国人が既に設立済の会社に社長・代表取締役・取締役として招聘される場合、
- 会社資本金の要件を満たしている
- 役員就任・管理実務の根拠がある
- 事業計画が具体的・実体的である
といった条件を満たしていれば、
申請人本人が会社に資本金を出資していなくてもビザは認められるケースが多いです。
この場合、申請人は「経営者として経営の意思決定に実質的に携わる」ことが審査上重視されます。
2. 出資者と経営者が異なる株主構成の場合
株主が他の投資家や法人で、申請者は 役員として経営に専念する役割分担 として参加する場合にも認められます。
ポイントは単純な出資ではなく、
- 申請人が経営・管理責任を有する
- 事業継続性・組織体制が明確である
という観点で評価されることです。
3. 共同出資・制度融資・投資家出資がある場合
出資主体が申請人以外の投資家・パートナーである場合(例:ベンチャー投資・制度融資等)、
- 会社の資本金総額が要件を満たし
- 申請人が代表者・経営責任者としての立場を確立し
- 資本源泉を合理的に説明できる(資金調達ルートを明確化)
であれば、申請人の自己出資がなくても取得可能です。
ただし、入管は資本金の「出所・根拠」を厳格に審査します。親族・投資家などからの借入・投資の場合は、資金調達のルートと実現性 を証明する資料(契約書・金融機関取引明細等)を整える必要があります。
注意点:出資なしで申請する際の審査の壁
1. 出所説明の明確化が必須
入国管理局は以下を確認します:
- 資本金の原資が合法で明確に説明可能か
- 出資者と申請人の関係性が透明であるか
- 出資者(投資家)の事業意図が明確か
単純に「親から借りた」「友人から預かった」などの説明では不十分とされるケースが多いです。
2. 実務では出資履歴(送金経路)が重視される
特に 新制度下の 30,000,000円資本金 は厳格に評価される傾向があります。そのため、
・ 実際に当該金額が国内口座に振込・登記された記録
・ 出資者の契約・出資証明
などの具体的な証拠資料が重視されています。
3. 役員としての職務実態が重要となる
単に形式上の役員就任登記だけでは審査に通らないケースがあります。下記の実務的要素も提出資料として必要になることがあります:
- 事業実施の契約
- 顧客・取引先との取引証明
- 請求書・契約書・決算見込み資料
これらを整備することで、出資者と経営者が別であっても「実体ある経営活動」として判断されます。
Q&A:よくある質問
Q1.出資者が親族でも問題ありませんか?
→ 出資者が親族でも可能ですが、資金源泉の説明資料を明確に用意し、返済契約や出資契約書を提示する方が審査上有利です。
Q2.役員として就任する場合、資本金要件はどうなりますか?
→ 既存会社に就任するなら、会社が既に資本金基準を満たしていれば、申請人が出資していなくてもビザ申請は可能です。
Q3.出資なしで新会社を設立することはできますか?
→ 法律上可能です。ただし、実務上は 出資者が誰か・出資元の資金証明がどうなっているか を説明できないと審査で否認されるリスクが高いです。
Q4.新制度(3,000万円)ではどう扱われますか?
→ 申請時点で会社資本金が満たされていれば、出資者が申請人自身でなくても申請可能です。ただし資本金源泉の説明が審査でより重視されます。
まとめ:出資なしでOKなケースのポイント
| 状況 | 出資が必須? | 合否判断で重視される点 |
|---|---|---|
| 自己資本で起業 | 必要(ビジネスの信用力UP) | 資本金の実在性・事業計画 |
| 既存会社の役員就任 | 不要 | 会社の資本規模・経営実態 |
| 投資家と共同で起業 | 不要(可能) | 資金出所・実務分担の明確化 |
| 出資借入型 | 不要 | 借入契約・資金源泉の透明性 |
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参考リンク
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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