オーバーステイの外国人と結婚して日本人の配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)を取得できますか?
「交際相手がオーバーステイだけど結婚できる?」
「結婚すれば必ず配偶者ビザがもらえる?」
このようなご相談は、入管実務の現場でも非常に多く寄せられます。
結論から言うと、オーバーステイの外国人と結婚すること自体は可能ですが、
結婚=即ビザ取得ではありません。
本記事では、
- オーバーステイ中でも結婚できるのか
- 日本人の配偶者ビザを取得する具体的な方法
- 在留特別許可の仕組みと注意点
- 失敗しやすいケースと実務上のポイント
を、専門家視点で分かりやすく解説します。
目次
1,オーバーステイの外国人と結婚できますか?
外国人がオーバーステイの状態であっても、日本で婚姻手続を行うことはできます。しかし、日本で婚姻手続を済ませたからと言って、当然に配偶者ビザが交付されるわけではありません。婚姻手続とビザ申請手続きは別の問題となります。
2,オーバーステイの外国人の配偶者ビザ申請の方法は何ですか?
オーバーステイの外国人と結婚して、配偶者ビザを申請する方法には以下の2つの方法が考えられます。下記のいずれの方法をとるにせよ、日本人と婚姻済であることが前提条件となります。
①一旦帰国して「在留資格認定証明書」を取得して呼び寄せる
②「在留特別許可」を取得した後に配偶者ビザ申請をする
(1)一旦帰国して「在留資格認定証明書」を取得して呼び寄せる場合
外国人配偶者が一旦帰国し、再度日本に呼び寄せる場合は、まずは自ら地方出入国在留管理局へ出頭して、オーバーステイであることを申告する必要があります。この場合は、出国命令を受けて母国へ帰国することになります。出国命令を受けた場合は、出国後1年間は再入国禁止となり、その間日本に入国することはできません。よって、1年間の再入国禁止期間経過後に、配偶者ビザの在留資格認定証明書交付申請を行い、許可を得たら再入国することとなります。
この場合は、どうしても1年間は別居の状態が生じます。しかし、在留特別許可や上陸特別許可を取得する方法に比べて、難易度が低く、確実性が高いといえます。なお、オーバーステイの継続が悪質と判断され、退去強制処分を受けた場合は、5年間の再入国禁止となります。
(2)「在留特別許可」を取得した後に配偶者ビザ申請をする場合
在留特別許可を取得した後に、配偶者ビザを取得できる場合もあります。在留特別許可とは、オーバーステイなど不法に日本に在留している外国人に、特別の許可を与える制度です。在留特別許可の申請は、申請から許可不許可の結果が出るまで1年近くの期間を要します。また、申請中は主国することはできません。
3,在留特別許可とは何ですか?
(1)在留特別許可概要
在留特別許可とは、不法滞在している外国人に対して特別の許可を与える制度です。許可基準は明示されておらず、法務大臣の自由裁量によって許可不許可が決定されます。在留特別許可が認められるか否かは、不法滞在している外国人の家族状況など日本の滞在歴を総合考慮して決定されます。また、時の政権の政策等の影響も受けます。
刑法違反・素行不良、過去に退去強制手続きを受けている場合は許可の可能性は非常に低くなります。
法務省からは「在留特別に係るガイドライン」が公表されていますが、以下の3つのケースが許可される傾向にあります。なお、家婚している場合でも、偽装結婚や婚姻の実態がない場合は、在留特別許可は下りません。なお、以下の3つのケースに該当する場合でも、必ず在留特別許可が下りるという訳ではありません。
①帰国せずに「在留特別許可」を申請する
②永住者や日本人と結婚していること
③日本国籍の子どもを扶養していること
(2)出頭調査
在留特別許可を申請した場合は、出頭調査が行われます。出頭調査では、入国警備官によって事情を聴かれます。主に外国人本人が事情を聴かれますが、日本人配偶者も事情を聴かれることもあります。夫婦そろって事情を聴かれることあります。外国人配偶者と日本人配偶者が個別に事情を聴かれることもあります。事情聴取では、主に違反事実の確認や結婚に至った経緯、現在の生活状況といった質問がなされます。所要時間は2~3時間程度です。
事情聴取が終わると、次回持ってくる必要のある書類や今後の注意事項の説明が入国警備官からなされます。次回の呼び出しなどの期日指定などはありません。次回の呼び出しは、調査就労後1~2か月後に連絡があり、呼び出し期日が指定されます。在留特別許可申請中は、最終的な結果が出るまで、繰り返しこのような調査が行われることになります。
4.よくある質問(Q&A)
Q1.オーバーステイが長いと絶対に無理ですか?
A.いいえ。長期間のオーバーステイでも、在留特別許可が認められた例はあります。ただし、審査は非常に慎重になります。
Q2.結婚してすぐ申請すれば有利ですか?
A.形式的な婚姻だけでは不十分です。婚姻の実態(同居・生活の安定性) が重視されます。
Q3.自分たちだけで申請できますか?
A.可能ですが、オーバーステイ案件はリスクが高く、専門家の関与が結果を左右するケースも多くあります。
7.まとめ|オーバーステイ×結婚は慎重な対応が必須
- オーバーステイ中でも結婚は可能
- しかし、配偶者ビザは自動的には取得できない
- 「帰国して再申請」か「在留特別許可」かの判断が重要
- 事前準備と説明内容が結果を大きく左右する
オーバーステイ案件は、
一度判断を誤ると長期間日本に戻れなくなるリスクもあります。
早い段階で専門家に相談することが、最善の選択につながります。
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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