技術・人文知識・国際業務ビザで呼べる家族の範囲は?家族滞在ビザの対象と要件を専門家が徹底解説
技術・人文知識・国際業務ビザで日本に家族を呼びたい方へ。家族滞在ビザで帯同できる家族の範囲、要件、必要書類、注意点を専門家が徹底解説。扶養要件・収入基準・同居要件など実務的なポイントも網羅。
目次
1.技術・人文知識・国際業務ビザで帯同できる家族とは?
在留資格「技術・人文知識・国際業務」(以下「技人国ビザ」)は、日本で専門性のある仕事をする外国人に付与される就労ビザです。
そして、技人国ビザを持つ外国人は、一定の家族を日本に呼び寄せることができます。
その家族が取得できる在留資格が 「家族滞在」 です。
ここで重要なのは
家族滞在ビザの対象となる「家族の範囲」が法律で明確に定められている
という点です。
2.家族滞在ビザの対象となる家族の範囲(法令基準)
法務省の基準により、家族滞在ビザで呼べる家族は「限定された範囲」のみです。
家族滞在ビザの対象となる家族
① 配偶者(夫・妻)
- 法律上の婚姻が成立していることが必須
- 内縁関係(事実婚)や同性婚は原則不可
② 未成年の子(実子・養子)
- 18歳未満が一般的な基準
- 高校生の子は問題なく対象
- 大学生の子は可(扶養にある場合)
※ポイント
- 養子の場合は 「普通養子縁組」でも対象になる
3.家族滞在ビザが認められない家族
以下の親族は、いくら経済的に支援していても 家族滞在ビザの対象外 です。
両親(父・母)
- 扶養していても原則不可
- 高齢で介護が必要でも家族滞在には該当しない
※例外として「特定活動(高齢者扶養)」があるが、非常に厳格で該当者は極めて少ない。
兄弟姉妹
- トルコ・ベトナム等で兄弟扶養文化があっても不可
成年の子(18歳以上)
- 成人済で独立している場合は対象外(場合によっては留学ビザを検討)
内縁の配偶者・事実婚パートナー
- 原則不可
- 子がいる場合は別途検討される余地はあるが難度が高い
4.技人国ビザで家族を呼ぶ条件(収入要件・扶養要件)
家族滞在ビザが許可されるためには、
「対象家族」+「経済的・生活的に十分な基盤」
の両方が必要です。
① 収入要件(年収目安)
明確な金額の基準は存在しないものの、実務では以下が目安となっています。
夫婦+子1人:年収300〜350万円以上
夫婦+子2人:年収400〜450万円以上
※家賃・地域によって変動
※共働き前提の場合は慎重に審査されることもある
② 生活基盤(住居)
- 家族全員が居住できる広さ
- 1Kなどは不許可の可能性が高い
- 家賃が収入に妥当かもチェックされる
③ 扶養要件
- 夫(妻)が主たる生計維持者であること
- 送金証明/預金残高証明が求められる場合あり
④ 同居要件
原則、家族滞在は**「日本での同居」が前提**です。
別居(子どもだけ来日等)の場合、理由が合理的でない限り不許可の可能性が高いです。
5.家族滞在ビザの申請に必要な書類一覧(最新版)
技人国側の書類
- パスポート
- 在留カード
- 住民票
- 雇用契約書
- 源泉徴収票または課税証明書
- 直近3か月の給与明細
- 勤務先の会社概要資料
家族側の書類
- パスポート
- 出生証明書/結婚証明書
- 写真
- 申請書
生活基盤を証明する書類
- 賃貸契約書
- 預金残高証明
- 送金記録(海外から呼ぶ場合)
6.技人国ビザの家族は日本で働ける?
働けない(原則)
家族滞在ビザでは就労は認められません。
ただし、例外あり
「資格外活動許可」を取得すれば、週28時間以内のアルバイトは可能。
7.離婚・別居と家族滞在ビザの関係
家族滞在ビザは
「家族の扶養・同居」 を目的とする在留資格です。
そのため—
離婚 → 原則在留資格を失う
長期間の別居 → 在留資格取り消しのリスク
やむを得ない例(DV避難・単身赴任等)は事情説明書で補足可能。
8.永住申請への影響
家族滞在ビザの家族でも、一定条件(扶養者が永住者となった場合など)で永住申請は可能です。
永住申請の主要要件
- 素行善良
- 独立生計
- 国益要件
- 在留期間10年以上(家族滞在は「5年」〜ケースにより判断)
9.専門家が解説:家族滞在ビザが不許可になる典型例
収入が不十分(最も多い)
1Kなど家族数に対して部屋が狭い
送金記録の不足
結婚の真実性に疑義(国際結婚で増加傾向)
在留資格更新中の職歴不安定
不許可時は「理由通知」を基に再申請が可能。
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11.参考リンク
12.よくあるQ&A
Q1:事実婚(内縁)でも家族滞在ビザは取れますか?
A:原則、法律婚でなければ不可です。
Q2:夫婦だけの帯同でも収入要件はありますか?
A:はい。最低でも年収250〜300万円程度は必要になります。
Q3:同居しないとダメですか?
A:原則同居が必須です。
Q4:家族滞在ビザの在留期間は?
A:1年・2年・3年・5年から、主たる家族の在留期間に合わせて付与されます。
13.まとめ|技人国ビザで家族を呼べる範囲は「配偶者」と「未成年の子」のみ
この記事のポイントを整理すると—
【家族滞在ビザの対象家族】
- 配偶者(法律婚)
- 未成年の子(実子・養子)
【対象外の家族】
- 両親
- 兄弟姉妹
- 成年の子
- 内縁の妻・夫
【許可の重要ポイント】
- 十分な収入
- 同居する住居の確保
- 扶養関係の証明
技術・人文知識・国際業務ビザで家族を呼びたい方は、家族の範囲・収入・住居要件を満たしているかを慎重に確認することが重要です。
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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