家族滞在ビザの扶養者要件|収入基準・家族構成・同居の重要性を徹底解説
家族滞在ビザを取得する際の扶養者要件を詳しく解説。収入基準、家族構成、同居の重要性など、審査で注意すべきポイントを専門家の視点から解説。
目次
1. 家族滞在ビザとは
家族滞在ビザは、日本に在留する外国人(主に就労ビザや留学ビザを持つ人)の配偶者や子どもが、日本で生活するために必要な在留資格です。正式には在留資格「家族滞在」と呼ばれ、配偶者や扶養を必要とする子どもに付与されます。
家族滞在ビザは、本人の在留資格に依存しており、収入や生活基盤をもとに扶養者が十分に家族を養えるかが審査の中心です。
2. 扶養者要件の基本
家族滞在ビザ申請における扶養者要件とは、日本に滞在する外国人が、申請者(家族)を経済的・生活的に支えられることを指します。
主な条件は以下の通りです:
- 日本で安定した収入があること
- 家族を養うのに十分な生活基盤があること
- 日本での居住場所(住居)が確保されていること
ポイント
- 扶養能力の判断は単なる収入額ではなく、生活費・家賃・教育費などの総合的な支出とのバランスで審査されます。
- 長期的に安定した生活基盤があることを示す資料は、専門家による確認や過去の納税証明書などを添付すると信頼性が高まります。
3. 収入基準の考え方
扶養者の収入は、申請する家族滞在ビザの審査で最も重要なポイントです。明確な基準は法令で定められていませんが、以下を参考に実務上判断されます:
- 単身者の場合:月収20~25万円以上が目安
- 配偶者と子ども1名の場合:月収30万円以上が目安
- 子どもが複数いる場合:子ども1名あたり5~7万円を加算して考える
収入は給与明細だけでなく、源泉徴収票や納税証明書、銀行口座の預金残高などで補強すると審査で有利です。
4. 家族構成と扶養の関係
家族滞在ビザの審査では、扶養する家族の人数や年齢構成も重視されます。具体的には以下の通りです:
| 家族構成 | 必要な収入目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| 配偶者のみ | 月20~25万円 | 就労不可の場合、全額扶養能力で判断 |
| 配偶者 + 1子 | 月30万円前後 | 子どもの教育費も考慮 |
| 配偶者 + 2子以上 | 月35万円以上 | 子どもごとに加算、扶養証明が必要 |
子どもが高校・大学に進学する場合は、将来の教育費も考慮されます。
また、扶養者が単身赴任で別居の場合、同居の有無が審査に影響します。
5. 同居の重要性と実務上の注意点
日本の入管局は、扶養者と申請者が同居して生活する意思と能力を重視します。
同居のメリット
- 扶養能力の信頼性が高まる
- 家庭内の生活実態を証明しやすい
- 偽装滞在や不法就労の疑いを回避できる
注意点
- 住居契約書や公共料金の領収書を添付することで、実際に同居している証拠として評価される
- 同居が難しい場合、別居理由を明確に文書で説明し、生活費の送金実績などを示すと審査で有利
6. 扶養者以外のケースでの申請
扶養者が日本にいない場合や、親族など第三者が経済的支援を行う場合もあります。この場合は以下が必要です:
- 収入証明書(扶養者本人の給与明細・納税証明)
- 扶養契約書または支援誓約書
- 生活費送金記録(銀行振込明細など)
この場合は、入管局が生活実態をより慎重に審査するため、書類は丁寧に揃えることが重要です。
7. 扶養能力の証明書類
家族滞在ビザ申請では、以下の書類を提出して扶養能力を証明します:
- 収入証明
- 給与明細3か月分
- 源泉徴収票
- 納税証明書
- 住居証明
- 賃貸契約書
- 公共料金領収書
- 家族関係証明
- 戸籍謄本
- 結婚証明書・出生証明書
- 生活費支援の証明(必要に応じて)
- 銀行振込明細
- 扶養契約書・誓約書
8. Q&A|家族滞在ビザに関するよくある質問
Q1:扶養者が派遣社員でも申請できますか?
A1:派遣社員収入でも申請可能ですが、安定した収入かつ生活費を十分に賄えるかが重要です。フルタイム勤務や長期雇用契約がある方が審査で有利です。
Q2:配偶者だけでなく親も扶養できますか?
A2:家族滞在ビザは原則、配偶者と子どもが対象です。親を扶養する場合は、別の在留資格を検討する必要があります。
Q3:同居していない場合、審査は通りますか?
A3:同居が原則ですが、やむを得ない理由がある場合は、生活費の送金記録や住宅状況を提出することで許可される場合があります。
Q4:収入が少ない場合、どうすればよいですか?
A4:配偶者ビザの収入不足は審査で不許可の原因になります。
- 扶養者以外からの支援を証明する
- 銀行預金残高を示す
- 就労ビザの収入を増やす
9. まとめ
家族滞在ビザ申請における扶養者要件は、収入・家族構成・同居状況の三つが中心です。収入は目安額を確認し、同居状況や生活基盤を証明する書類を丁寧に揃えることで、審査通過率は大きく上がります。
- 扶養者の安定収入が基本
- 家族構成に応じた生活費計算が必要
- 同居実態を証明する書類を用意
信頼性の高い書類と実務経験をもとに、申請準備を進めましょう。
10. 関連記事・参考リンク
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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