【永住者の配偶者ビザ】質問書の質問項目は?

審査で重視されるポイントを専門家が徹底解説【保存版/Q&A入り】

永住者の配偶者ビザ(在留資格「永住者の配偶者等」) を申請する際、審査で最も重視される書類の一つが 「質問書」 です。
特に近年は偽装結婚の取り締まり強化により、質問書に記載される内容の正確性・具体性・一貫性が従来より厳しくチェックされています。

本記事では、法務省の公式書式( https://www.moj.go.jp/isa/content/930003288.pdf )をもとに、
質問項目の詳細・審査官のチェックポイント・不許可を避ける実務ノウハウ を専門家視点で徹底解説します。


1|永住者の配偶者ビザの「質問書」とは?

質問書は、配偶者ビザ審査において 夫婦関係の信ぴょう性を確認するための最重要書類 です。

特に以下の点を審査官が判断する基礎になります。

  • 本当に恋愛・結婚に至る自然な経緯があるか
  • 互いを十分に理解しているか
  • 同居しているか・生活実態があるか
  • 経済的に安定した生活が可能か
  • 過去の滞在歴や婚姻歴に不審点はないか

書類審査は膨大な数が処理されます。その中で、質問書の内容が曖昧・矛盾・不自然だと 偽装結婚 を疑われ、不許可になりやすくなります。


2|永住者の配偶者ビザ「質問書」全項目を完全解説

以下は、質問書に含まれる主な項目と、記載のポイントを整理したものです。


① 申請者(外国人)の基本情報

  • 氏名(漢字・カタカナ)
  • 生年月日
  • 国籍
  • 現住所
  • 在留カード番号
  • 職業・勤務先
    → 他の申請書・住民票などと必ず一致させることが重要。

② 配偶者(永住者)の基本情報

  • 氏名
  • 生年月日
  • 国籍(永住資格取得の理由)
  • 住所
  • 職業・勤務先
    → 配偶者の収入証明と整合しているかチェックされる。

③ 出会いの経緯(最重要)

  • 出会った年月日
  • 出会った場所
  • 誰の紹介か、どのように知り合ったか
  • 交際開始日
  • 交際期間
  • 結婚を決めた理由
    → 「誰が」「どこで」「どのように」の3点を具体的に。
    曖昧な記載は不許可リスク。

④ 結婚の経緯

  • 婚姻届提出日
  • 結婚式の有無
  • 両家挨拶の有無
  • 同居開始日
  • 過去の婚姻歴の有無
    → 必要に応じて証拠(写真、SNS記録、LINE履歴など)を提出。

⑤ 日常のコミュニケーション方法

  • 使用言語
  • 互いの母語の理解度
  • どのくらい頻繁に連絡していたか
    → 文化・言語の違いが大きい夫婦の場合、特に重視される。

⑥ 同居状況

  • 現住所
  • 同居開始日
  • 家賃の負担者
  • 家事分担
  • 同居していない場合の理由(別居婚の説明)
    → 別居婚は必ず詳細な説明が必要。

⑦ 経済状況(生計維持能力)

  • 誰が家計を支えているか
  • 収入の内容(給与、事業、預貯金)
  • 扶養者の税証明・納税状況
    → 永住者の安定収入は最重要ポイントの一つ。

⑧ 親族情報

  • 申請者側・配偶者側の両親・兄弟の基本情報
    → 家族背景に不自然な点がないか判断される。

⑨ 過去の出入国歴

  • 来日回数
  • 来日目的
  • 過去の不法滞在・オーバーステイの有無
    → 出入国記録と完全一致させる。

⑩ 証人(紹介者)情報(任意)

  • 知人や家族の証言
    → 国際結婚の場合は特に有効な補強資料。

3|審査官が重視するポイント5選(実務)

ここからは、実際の審査で重視されるポイントを専門家視点で解説します。


① 出会い〜結婚の経緯が自然で一貫しているか

もっとも重視される項目です。

  • 出会い
  • 交際開始
  • プロポーズ
  • 結婚の決意理由

この「時系列」に矛盾がないか細かく見られます。


② 同居実態

同居は、夫婦関係の最も強い証拠です。

  • 住民票の記載
  • 契約書名義
  • 荷物・郵便物
  • 家賃の支払状況

別居婚の場合は、不許可リスクが大幅に上がります。
必ず「正当な理由」「再同居の予定」を説明してください。


③ 経済的安定性

特に永住者側(日本側配偶者)の以下が重視されます。

  • 年収
  • 雇用の安定性
  • 納税状況
  • 社会保険加入状況

年収が低い場合 → 補強資料(預金・家族支援・雇用契約書)が必要


④ 過去の婚姻歴・離婚歴・年齢差の有無

  • 年齢差が大きい
  • 交際期間が短い
  • 過去の離婚歴が複数

などの場合は、偽装結婚の疑いを持たれやすいため、詳細説明が不可欠。


⑤ 記載内容の「整合性」

質問書と以下の資料が一致しているかチェックされます。

  • 住民票
  • 在留カード
  • 収入証明
  • 過去の出入国歴
  • LINEや写真

一つでも矛盾があると不許可の可能性が上がります。


4|不許可になりやすいケースと対策

不許可例①:交際期間が短すぎる

→ 写真・通話記録・渡航履歴などで補強。

不許可例②:別居婚なのに説明が不十分

→ 「なぜ別居なのか」「いつから同居するか」を詳細に。

不許可例③:収入が低い

→ 銀行残高証明・家族支援などで補強。

不許可例④:記載内容に矛盾がある

→ 出会いの時期/交際開始日/渡航歴は必ず完全一致させる。


5|【Q&A】永住者の配偶者ビザ・質問書のよくある質問


Q1:質問書はどれぐらい具体的に書けばいい?

A:会話レベルの「ストーリー」と「時系列」で書くのが基本です。
例:「友人のAさんに紹介され、2021年5月に東京の○○カフェで初めて会いました。」


Q2:別居でも申請できますか?

A:可能ですが、不許可リスクは高く、詳細な理由が必須です。
仕事の都合・海外赴任・妊娠など正当な理由を必ず説明してください。


Q3:年齢差が20歳以上あっても問題ない?

A:問題ありませんが、審査は厳しくなります。
結婚に至る自然な理由と、関係の実体を補強する書類を追加しましょう。


Q4:言語が通じない場合は不利?

A:はい。コミュニケーション方法が重視されます。
共通言語がない場合は、翻訳ツール・学習状況・家族の協力などを記載。


Q5:質問書と出会いの経緯説明書は別に必要?

A:必要な場合があります。
質問書が簡潔すぎる場合、追加で説明書を求められることがあります。


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7|まとめ|質問書は最重要書類。丁寧さと一貫性が許可を左右する

永住者の配偶者ビザは、質問書の質がそのまま審査結果につながる と言っても過言ではありません。

  • 具体的に
  • 詳細に
  • 矛盾なく
  • 整合性を保ち
  • 補強資料を添えて

この5つが揃うと、許可率は大きく上がります。

  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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