【完全版】日本人の配偶者ビザの「結婚に至った経緯」はどう書く?審査官が重視するポイントと不許可を避ける正しい書き方《専門家監修》
日本人の配偶者ビザ申請で最重要の「結婚に至った経緯」の正しい書き方を専門家目線で徹底解説。出会い・交際開始・結婚決意の流れ、好印象を与えるポイント、NG例、文章テンプレート、Q&A付きで不許可を防ぐ方法を詳しく解説します。
目次
1|日本人の配偶者ビザの「結婚に至った経緯」とは?
配偶者ビザ申請では、夫婦の結婚が 本物の婚姻か(偽装ではないか) を判断するために、「結婚に至った経緯」を文章で説明する必要があります。
この書面は審査上、
申請書・戸籍・写真と並ぶ最重要資料
とされ、十分な説明ができていない場合、不許可になることがあります。
2|なぜ“結婚経緯”が重要なのか|審査官が見るポイント
法務省(出入国在留管理庁)は、婚姻の「信ぴょう性」を厳しく確認しています。
審査官が特に見る点は次の6つ:
① 出会いの状況は自然か?
友人の紹介・職場・留学先・SNSなど、出会いが合理的か。
② 交際期間・頻度は適切か?
極端に短い交際や、会った回数が著しく少ない場合は疑われる。
③ 互いの基本情報を理解しているか?
家族構成・仕事・生活状況など、夫婦としての理解があるか。
④ 結婚を決めた理由は明確か?
「好きだから」だけでは不十分。性格・価値観・生活観の一致なども必要。
⑤ 結婚式・家族挨拶などの社会的実体はあるか?
挙式の有無は問われないが、家族の認知は重要。
⑥ 結婚後の生活計画は現実的か?
どこで生活し、誰が扶養し、どのように収入を維持するか。
3|書く前に知るべき5つの基本ルール
ルール1:時系列で整理する
出会い → 交際 → 結婚決意 → 婚姻届 の順番で書く。
ルール2:二人の感情と理由を入れる
「なぜ惹かれたか」「なぜ結婚を決めたか」が重要。
ルール3:事実を具体的に数字で書く
- 会った回数
- LINE・電話の頻度
- 交際期間
など、数値化すると信頼性が高まる。
ルール4:客観的記録と一致させる
- 写真
- 旅行日程
- メッセージ履歴
- 送金記録
など、証拠資料と内容が矛盾しないように。
ルール5:長すぎても短すぎてもNG
**A4で2〜4枚程度(1500〜2500字)**が理想。
4|【構成テンプレ】審査が通りやすい「結婚に至った経緯」
以下の流れで書けば、審査に強い文章になります。
① 出会い
- いつ・どこで・どのように出会ったか
- 誰が先に話しかけたか
- 初対面の印象
② 交際開始
- 交際を開始した日
- 交際するようになった理由
- 会う頻度
- 共通の趣味・価値観
③ お互いを知っていった過程
- 家族への紹介
- 一緒に過ごした具体的なエピソード
- 相手の性格・長所など
④ 結婚を決めた理由
- 結婚の決意時期
- どちらからプロポーズしたか
- 結婚を決めた具体的理由(価値観、生活観、将来像)
⑤ 婚姻届提出までの流れ
- 双方の家族の反応
- 結婚式・写真撮影の有無
- 提出日とその後の生活
⑥ 結婚後の生活計画
- 日本での住居住所
- 収入の見込み
- 生活費負担
- 将来の計画
5|【例文】そのまま使える「結婚に至った経緯」文章モデル
以下は審査官が読みやすい構成の例文です。
【提出可能レベルの例文(約1800字)】
① 出会い
私たちは2020年4月、友人の紹介で東京都内のカフェで初めて会いました。当時私は会社員として働いており、妻(夫)は日本語学校に在籍していました。最初の印象は、お互いに礼儀正しく、真面目な人だと感じました。その後、紹介してくれた友人を含めて数回食事をする機会があり、自然と二人で話す時間が増えていきました。
② 交際開始
お互いに好意を持つようになり、2020年7月に正式に交際を始めました。交際中は週に1〜2回会い、会えないときは毎日LINEで連絡を取り合いました。休日には食事に行ったり、日本の観光地を訪れたりしました。特に価値観が合うと感じたのは、将来の生活の安定を大切に考えるところや、家族を尊重する姿勢でした。
③ 互いを深く知った期間
交際開始から半年後には、お互いの家族にも紹介しました。私の家族は言語や文化の違いを心配していましたが、実際に会ってみると明るく誠実な人柄を理解し、応援してくれるようになりました。相手の家族ともオンラインで連絡を取り、温かく迎えていただきました。
④ 結婚を決意した理由
相手が思いやりを大切にする性格であること、一緒にいると安心できること、困ったことがあると支え合える関係であることが、結婚を決意した大きな理由です。特に、2021年のコロナ禍で相手が体調を崩した際、私が看病したことをきっかけに、お互いが家族のように支え合っていると実感しました。
⑤ 婚姻届提出までの流れ
2022年3月、私からプロポーズを行いました。家族全員が結婚を応援してくれたため、同年5月に〇〇区役所へ婚姻届を提出しました。挙式は現在計画中ですが、記念写真は2022年6月に撮影しています。
⑥ 結婚後の生活
現在は東京都××区の賃貸マンションに住んでいます。私が家計を支え、相手は日本語学習と家事を担当しています。将来的には相手が日本で就職し、二人で安定した家庭を築きたいと考えています。
6|配偶者ビザで疑われやすいNGパターン
以下のような文章は不許可リスクが高くなります。
「出会いを詳しく書かない」
→ SNSでの出会いは問題ないが、具体性が必須。
「交際期間が極端に短い」
→ 短い場合は納得できる理由を必ず書く。
「会った回数が少ない」
→ 期間・頻度を数字で説明し補強。
「感情・理由がない説明文」
→「結婚したいと思った理由」を必ず書く。
「家族に紹介していない」
→ 挙式がなくても、家族の認知は重要。
「生活費の説明不足」
→ 結婚後の収入・住居・負担を明記。
7|よくある質問(Q&A)
Q1:短い交際期間でも許可されますか?
A:可能です。ただし、その場合は
- 交際が深まった理由
- 毎日の連絡頻度
- 会った回数
など具体的な説明が必須です。
Q2:SNSで出会ったのですが不利ですか?
A:不利ではありません。ただし、
「どのように相手を信頼するようになったか」
を明確に書く必要があります。
Q3:挙式や披露宴は必要ですか?
A:不要です。ただし、家族への紹介や記念写真はプラスになります。
Q4:日本語が苦手で文章が上手く書けません。
A:申請者本人の母語で書いて問題ありません。日本語訳を添付すればOK。
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9|参考リンク
まとめ
配偶者ビザの「結婚に至った経緯」は、審査において最も重要な要素です。
出会いから結婚決意までの流れを、事実に基づき、具体的・客観的に記述することが、許可への最短ルートとなります。
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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