技能ビザの許可要件を徹底解説|必要書類・実務経験・審査ポイントまで完全ガイド
技能ビザ(在留資格「技能」)の最新の許可要件を行政書士が詳しく解説。必要書類、実務ポイント、不許可リスク、職種ごとの要件、Q&Aまで完全網羅。
目次
1.技能ビザとは?どんな外国人が対象?
技能ビザ(在留資格「技能」)とは、特定の分野において“熟練した技能”を有する外国人を、日本企業が雇用する際に必要になるビザのことです。
対象となる技能は、日本での産業上の発展に寄与するもので、主に以下のような職業が該当します。
主な対象職業(例)
- 調理師(外国料理専門料理人=コック)
- ソムリエ
- スポーツ指導者
- 航空機操縦士
- 宝石・貴金属加工
- 動物の調教師
- 外国特有建築の技術者 など
技能ビザは 単純労働者の受入れではなく、専門性の高い技能職を対象としたビザで、厳正な審査が行われます。
2.技能ビザの許可要件(総合要件)
技能ビザには多くの職種がありますが、共通して求められる「総合的な許可要件」は以下の通りです。
(1)外国人本人が一定の実務経験を有していること
たいていの職種では 10年以上の実務経験 が求められます。
(※一部、スポーツ指導者は「実務経験3年以上」など例外あり)
実務経験の証明例
- 雇用証明書
- 在職証明書
- 業務内容説明書
- 写真・作品資料(建築・石材加工など)
- 受賞歴・資格証明書 など
(2)日本で従事する仕事が本人の技能と一致していること
「技能」と無関係の業務は不可です。
例)中華料理の技能 → 和食店では不可
例)サッカー指導経験 → 野球のコーチは不可
技能と業務内容が一致しているか が最重要ポイントです。
(3)雇用契約内容が適正であること
- 給与が日本人と同等以上
- 社会保険加入
- 労働条件(労基法に適合)
- 雇用期間の明確化
- 勤務場所・職務内容の詳細提示
入管は雇用側の「労務管理能力」を厳しくチェックします。
(4)会社・事業所の安定性と継続性
- 売上・利益が安定しているか
- 事業所が適法か(許認可の有無)
- 経営が継続可能であるか
- 外国人を雇用する合理性があるか
書類例:決算書、事業計画書、許可証、求人理由書など。
(5)技能ビザの対象業務であること(法令上の定義)
技能ビザは入管法施行規則に対象業務が細かく規定されています。
3.職種別の技能ビザの具体的要件まとめ
技能ビザは職種ごとに要件が異なります。主要職種の要件を徹底解説します。
(1)調理師(外国料理専門料理人)
要件
- 10年以上の実務経験
- 「外国特有の料理」を提供する店舗
- 日本料理店では不可
- メニュー・厨房設備・レシピの提出が必要
証明書類
- 在職証明書
- シェフとしての写真・メニュー
- 技能説明書
- 店舗のメニュー、店舗写真、厨房設備一覧
(2)ソムリエ
要件
- 5年以上の実務経験
- 国際的ソムリエ認定資格(あれば有利)
- ワイン提供の専門業務に従事すること
(3)スポーツ指導者
要件
- 3年以上の指導経験
- 世界大会・国際大会の出場経験で免除可
- プロチーム、スポーツクラブ、学校などで採用されること
(4)航空機操縦士(パイロット)
要件
- 免許保持(国交省の許可)
- 航空会社との契約
- 飛行経験時間の証明
(5)宝石鑑定・貴金属鑑定
要件
- 10年以上の経験
- 専門的な鑑定作業が中心業務であること
- 鑑定設備が整った事業所であること
4.技能ビザの必要書類一覧
以下は一般的な必要書類(職種により追加あり)。
(1)外国人本人が準備する書類
- パスポート
- 在留カード(変更申請)
- 履歴書
- 在職証明書
- 技能説明書
- 実務経験を証明する書類
- 写真(業務の様子)
(2)受入企業が準備する書類
- 雇用契約書
- 会社登記簿謄本
- 決算書(直近1〜2年)
- 会社概要書
- 勤務内容説明書
- 雇用理由書
- 求人票(あれば)
- 社会保険加入証明書
- 勤務場所の写真
5.技能ビザの審査で見られるポイント(不許可を避けるコツ)
入管は以下のポイントを詳細にチェックします。
(1)技能が本当に“熟練”しているか
→ 証明書類の質が重要
→ ただの在職証明だけでは弱い
→ 技能の裏付けとなる資料を多数提出する
(2)会社が外国人を雇う必要性
→ 外国料理店で日本人調理師ばかりの場合、不自然
→ 店舗規模に対して外国人が多すぎると疑義
→ 売上が低い会社は要注意
(3)給与が適正か
→ 日本人と同等以上
→ 最低賃金ギリギリはNG
(4)ブラック企業リスクがないか
→ 社会保険未加入はほぼ不許可
→ 事業所が形式的だと疑われる
(5)提出書類の整合性
→ 在職期間がバラバラ
→ 雇用契約書の内容と業務説明書が矛盾
→ 履歴書と実務証明が一致しない
※整合性が最重要です。
6.技能ビザの申請手続き
① 企業と外国人の契約
→ 業務内容・給与・勤務時間を確定
② 必要書類の収集
→ 外国人・企業双方で準備
③ 入管へ申請
- 新規:在外公館 → COE交付
- 日本在住:在留資格変更申請
④ 審査(1〜3か月)
⑤ 許可 → 在留カード交付
7.よくある質問Q&A
Q1. 技能ビザでは接客業務はできますか?
A. 原則できません。
接客(ホール業務)は単純労働とみなされるため、調理師ビザでもホール担当は不可です。
Q2. 10年の経験がないと絶対にダメ?
A. 原則10年ですが、資格保有や国際大会経験などで一部緩和あり。
Q3. 技能ビザは永住申請に有利?
A. はい。
安定した就労期間としてカウントされます。
Q4. 店舗の規模が小さいと不許可になりますか?
A. 小規模でも許可されますが、経営の安定性・必要性の説明が重要です。
Q5. 技能ビザで家族(帯同)は呼べる?
A. 可能です。(家族滞在ビザ)
8.参考リンク/関連記事
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参考リンク
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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