興行ビザ3号の許可要件を完全解説|COE申請から更新までの流れと注意点
目次
興行ビザとは — 3号の位置付け
「興行ビザ」は、外国人が日本で「興行/芸能活動」を行うための在留資格であり、主に舞台・ライブ・スポーツ・撮影・宣伝などを対象とします。2023年5月の改正(同年8月1日施行)により、興行ビザの区分が整理され、活動内容に応じて 基準1号/基準2号/基準3号 の三分類となりました。
この中で 興行ビザ3号 は、「興行(ライブ・コンサート・スポーツ大会など)」ではなく、撮影・宣伝・プロモーション・メディア制作など、“興行以外の芸能活動” に従事する場合の在留資格です。
たとえば、以下のような活動が該当します:
- 商品や事業の宣伝活動(広告出演、プロモーション)
- テレビ番組・映画製作、撮影への参加(出演・監督・スタッフ)
- 商業用写真撮影(雑誌、広告、ファッション撮影など)
- 商業用レコード・ビデオの録音・録画等の制作活動
つまり、ライブ出演やスポーツ大会など“観客に見せる興行”ではなく、「映像・広告・撮影・制作」といった“興行とは異なる芸能活動”を前提としたビザ区分です。
興行ビザ3号の許可要件・基本条件
活動内容の該当性
- 申請者が行おうとする活動が、冒頭に挙げた「宣伝・撮影・制作・広告」などのカテゴリに該当していること。
- 興行(ライブ、演奏、スポーツ大会など)として認定される活動ではないこと。例えばコンサートや舞台出演などは、3号ではなく 1号 または 2号 の対象。
報酬(給与/対価)要件
- 日本人が同様の活動に従事する場合に受ける報酬と 同等額以上 の報酬が支払われること。これは出演者だけでなく、制作スタッフ・モデル・技術担当なども含まれます。
- この「報酬支払い」が明示された契約書、出演依頼書、制作契約等が求められます。
書類要件と申請プロセス
3号申請にあたっては、以下のような書類の提出および手続きが基本です。
- 在留資格認定証明書交付申請書(COE申請)
- 写真(縦4cm×横3cm、最近3か月以内撮影)
- 返信用封筒(簡易書留用)
- 申請人の経歴書およびこれまでの芸能/撮影等の経歴証明書類(必要に応じてポートフォリオ、出演歴、写真、実績資料など)
- 雇用契約書、出演依頼書、制作契約書など、日本での活動内容/期間/地位/報酬を明示した契約文書/合意書
- 招聘機関(日本側事務所・制作会社など)の登録情報(登記事項証明書)、財務資料(決算書など)、従業員名簿など組織の実在性を示す書類
- 活動内容・スケジュールを証明する資料(撮影日程表、番組制作スケジュール、広告出稿予定表、撮影現場情報、宣伝素材、チラシ/ウェブサイトなど)
加えて、申請者が海外在住の場合は、まず「在留資格認定証明書(COE)」の交付を申請 → 交付後に在外日本大使館/領事館でビザ申請、という流れになります。
審査には一般的に 1〜3か月 の期間がかかるため、スケジュールに余裕を持って準備する必要があります。
2023年改正後の注意点 — 旧制度との違い
- 2023年8月1日から、旧「1号〜4号」の枠組みが整理され、現行の 基準1号/2号/3号 に再編されました。これにより、3号の対象となる「撮影・宣伝・メディア制作等」の明確化がなされたのが現行制度です。
- 以前は「興行ビザ4号」と呼ばれていた区分が、現行では基準3号に相当します。
- これに伴って、申請手続きや提出書類も見直されており、特に「出演実績」や「招聘機関の過去の招へい実績」が必ずしも必要とされない点で、柔軟性があります(ただし報酬や契約の明示は必須)
在留期間・更新について
- 興行ビザ(エンターテイナー)として認められる在留期間は、15日・3か月・6か月・1年・3年などがあり、活動内容や契約期間、過去の実績などをもとに判断されます。
- 基準3号で活動を継続する場合、条件を満たせば 在留期間更新許可申請 が可能です。
- 更新時には、過去の活動実績、報酬の支払い状況、契約の継続性、素行や日本での活動実態などが総合的に評価されます。
なぜ3号が使われるのか ― 活用シーンとメリット
映画・ドラマ制作、広告/CM、モデル撮影など
日本国内で映画やドラマの撮影、テレビ番組やCMの制作、雑誌やウェブ広告の撮影を行う際に、外国人俳優・モデル・スタッフ・技術者として参加する場合、3号が適切な在留資格となります。これにより、短期間/プロジェクト単位での日本での活動が可能となります。
プロモーション、PR、広告出演
ブランドプロモーション、商品の広告撮影、PRイベントへの出演など、「興行(ライブ/ステージ)」ではないが、日本で収入を伴う芸能活動を行う際に利用されます。たとえば、外国人モデルによる商品撮影、グローバル企業の広告制作、SNS向けプロモーション撮影などが該当します。
スタッフ・制作関係者としての関与
監督、撮影技師、録音技師、映像編集者など、舞台やライブではなく、映像・音響・制作に関わる専門スタッフも対象となる場合があります(契約形態、報酬、仕事内容が合致すれば)。これにより、日本国内での短期プロジェクト参加が可能です。
よくある質問(Q&A)
Q1: 興行(ライブ、コンサート、スポーツ大会)に出るなら3号で良い?
A: いいえ。ライブ・コンサート・スポーツ大会など「興行」に該当する活動は、基本的に 基準1号または2号 の対象です。3号は「撮影・宣伝・制作など、興行に該当しない芸能活動」が対象です。
Q2: 過去に芸能・撮影経験がなくても3号は申請できる?
A: はい。3号では「過去の興行出演実績」「招へい実績」は必須ではありません。ただし、日本人と同等以上の報酬や、契約・招聘組織の実在性など、他の要件を満たす必要があります。
Q3: 報酬がなくても3号で申請できる?
A: いいえ。3号では「報酬(対価)が日本人と同等額以上」であることが前提条件です。無償のボランティアや趣味的な活動は、興行ビザの対象外です。
Q4: 在留期間はどれくらい?更新できる?
A: 在留期間は 15日/3か月/6か月/1年/3年 など。活動内容や契約期間、実績によって決まり、条件を満たせば 更新可能です。
注意点と申請時のポイント
- 契約内容を明示すること — 契約書または出演依頼書、制作契約書などで、活動内容・期間・報酬が明確であることが重要。報酬が曖昧、または無報酬では申請は難しい。
- 招聘機関の実態証明 — 契約先の日本側企業や制作会社が実在し、適正な法人であることを示す書類(登記事項証明書、決算書、従業員名簿など)が必要。
- スケジュールに余裕を持つ — COE 申請〜交付〜在外公館でのビザ申請まで含めれば、手続きに 1〜3か月かかる場合がある。イベント・撮影日から逆算して準備を。
- 報酬支払いの証明 — 単なる約束や見込みではなく、契約書または正式合意書による明示が求められる。
- 活動内容の明確化 — 「何をするのか」「どのような形で収入が得られるのか」「いつからいつまでか」を明確に。広告・撮影・制作の詳細を資料で示すこと。
なぜ3号かを誤認しやすい — 制度改正後の混乱
2023年の制度改正前は「興行ビザ4号」と呼ばれていた分類が、改正後に基準3号に再編されました。
申請時には 必ず最新の区分(基準3号)と法令・省令を確認 することが重要です。これを怠ると「想定していた活動内容が対象外」となるリスクがあります。
また、改正後は対応が柔軟になったものの、「報酬」「契約書」「招聘機関の実態証明」など基本条件は厳格です。申請の際は、むやみに「3号でいけるだろう」と安易に判断せず、事前確認と準備を怠らないことが肝要です。
関連記事・参考リンク
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参考リンク:
まとめ — 興行ビザ3号は「撮影・制作・宣伝目的の芸能活動」に適した在留資格
興行ビザ3号は、ライブ・演奏・スポーツなど“興行としての公演”ではなく、映像制作、広告撮影、メディア出演、プロモーション活動などを目的とした外国人の活動に適した在留資格です。報酬が日本人と同等以上であること、契約内容の明示、招聘機関の実態証明、スケジュールと書類の整備が必須。
2023年の制度改正により区分が整理され、以前より明確かつ柔軟になりましたが、申請要件の本質は変わっていません。申請時には、活動内容を慎重に照らし合わせ、必要書類をしっかり準備したうえで、余裕を持って進めることが成功のカギです。
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |
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