興行ビザ3号取得の全手順|在留資格認定証明書から来日までの流れ

興行ビザ3号とは — 基本概要

興行ビザの全体像

まず、在留資格「興行」がどのような枠組みかを整理します。外国人が日本国内で芸能活動・スポーツ活動・興行活動をする際、その活動の性質に応じて「(旧制度での)興行ビザ」が認められてきました。これが、2023年(令和5年)5月の法改正により、活動内容・形態ごとに分類が整理され、いわゆる「興行ビザ 1号・2号・3号」(およびかつてあった4号)という区分になりました。 V

  • 1号:主に公演・ライブ・ステージ(演劇、歌、舞踊、演奏 など)
  • 2号:スポーツ選手、公演以外の大規模興行など(例:スポーツ大会、サーカス等)
  • 3号:ステージ公演など「興行」の形ではない、映画・テレビの撮影、CM/広告、モデル、商業撮影、録音・録画などの活動

つまり、興行ビザ3号は「演奏・舞台のような“ライブ興行”ではなく、撮影・録音・広告・宣伝など“制作/商業媒体”に関わる活動」を行う外国人向けの在留資格、ということです。

どんな活動が対象か(主な例)

以下のような活動が、興行ビザ3号の対象となります(ただし「報酬が発生する商業活動」であることが前提)。

  • 映画・ドラマ・テレビ番組・CM の撮影・制作
  • 商業用写真撮影(広告写真、モデル撮影、ファッション写真など)
  • 音楽や音声の録音(レコーディング)、ビデオ撮影・録画
  • 広告・宣伝のための出演、プロモーション活動

このように、観客を相手にリアルタイムで「興行」を行うのではなく、収録・撮影・広告など“制作ベース”の活動が主目的、という点が3号の大きな特徴です。


3号を使う条件・要件

興行ビザ3号を取得するためには、以下のような条件・要件があります。

報酬(対価)の条件

3号では、「報酬または対価が、日本人が同様の活動で得る報酬と同等かそれ以上」であることが条件とされています。

これにより、たとえばボランティアや無償出演、単なる趣味・自己表現目的での撮影/モデル業といったケースは基本的に認められません。

必要書類・申請主体

申請は、外国人本人ではなく「招聘機関(受け入れ側)」が行うのが一般的です。提出すべき主な書類は以下の通りです。

  • 在留資格認定証明書交付申請書
  • 顔写真(4cm × 3cm、無帽・無背景)
  • 招聘機関の登記事項証明書、財務諸表(会社の経営状況)などの機関概要資料
  • 招聘機関の従業員名簿など(常勤職員がいることを証明)
  • 興行内容の説明資料(撮影日時/場所/スケジュール/契約内容/報酬)
  • 申請者の「芸能活動の実績資料」(過去の出演歴、経歴書、CDジャケットや写真、媒体露出の証明など)
  • 契約書または出演同意書(外国人と招聘機関との間、ないしは制作会社等との契約)

また、活動場所・施設に関する情報(撮影スタジオの所在地、図面、許可証など)が求められる場合もあります。


申請の流れ ― 興行ビザ3号取得まで【ステップ・バイ・ステップ】

以下は、外国人を招聘・来日させる側(主催者・制作会社・撮影会社等)を想定した、興行ビザ3号申請の一般的な流れです。

ステップ内容
1. 企画と契約の締結撮影・制作・広告の企画を確定し、外国人との契約(出演契約、モデル契約、出演同意書など)を締結する。契約内容は「報酬、期間、活動内容、勤務地、役割」を明確に。
2. 必要資料の収集招聘機関の会社情報(登記事項証明書、財務諸表、従業員名簿等)を準備。加えて、撮影スタジオ・施設情報、契約書、スケジュール、過去の実績資料などを整理。
3. 在留資格認定証明書交付申請準備した資料をもとに、住所地を管轄する地方の出入国在留管理局に「在留資格認定証明書交付申請」を申請。
4. 審査と交付管理局が審査。問題なければ「在留資格認定証明書(COE)」が交付される。通常、審査には1〜2か月かかることが多い。
5. 在外公館でビザ申請COEを受け取ったら、外国人本人が在住国の日本大使館または総領事館で「興行ビザ(在留資格『興行』)」の発給を申請。パスポート、写真、COE を提出。
6. ビザ発給・来日問題なければビザが発給され、ビザとパスポート、COE を携えて来日、入国審査を受けることで日本での活動が可能となる。

ポイント:最近の改正(令和5年5月の法律改正)により、3号の分類と申請要件が明確化されたため、申請前の書類準備と契約内容の厳格なチェックがこれまで以上に重要になっています。


よくある質問(Q&A)

Q1. いつから準備を始めるべき?

A1. 理想は 来日予定の2〜3か月前に申請を開始することです。なぜなら、COE の審査に通常1〜2か月かかることに加え、書類の不備や追加資料の要求で時間が延びる可能性もあるためです。

Q2. 無報酬・趣味の撮影でも申請できる?

A2. 原則として「報酬または対価」が必要です。報酬がない、あるいは日本人相当の対価に満たない場合は、興行ビザ3号は認められません。つまり、「趣味」「ボランティア」「無償のモデル撮影」「自己表現目的だけの撮影」は基本的に対象外となります。

Q3. 過去に芸能実績がなくても申請できる?

A3. 可能です。3号では、必ずしも過去の公演実績が要件ではありません(1号とは異なる条件設定)。ただし、「誰が・どこで・どのような活動をするか」が明確で、かつ報酬や契約内容が適切であることが重要です。

Q4. 複数拠点・撮影場所がある場合は?

A4. それぞれの撮影場所・施設について、施設情報(図面、許可証、住所など)を提示する必要があります。撮影スタジオや撮影場所が複数ある場合は、すべてを明示・添付するのが望ましいです。

Q5. 不許可になりやすいケースは?

A5. 以下のようなケースでは不許可となる可能性があります。

  • 契約内容や報酬額が不明瞭、あるいは日本人相当の対価を満たしていない
  • 撮影内容や活動が「興行/制作」に該当しない、もしくは曖昧
  • 招聘機関の財務状況や運営体制に不安がある(登記事項証明書・財務資料が不備など)
  • 施設情報があいまい、撮影スタジオの設備や許可が不十分

特に、2023年以降の制度改正で要件が明確化され、書類チェックが厳格になっているため、不備・曖昧さは不許可のリスクを高めます。


なぜ改正があったか — 背景と注意点

不正利用への対策として

従来、興行ビザ(旧制度)では「ステージ」「公演」「演奏会」などに適用されることが多く、また「撮影」「音楽録音」「モデル撮影」など“制作ベース”の活動に関しては、扱いがあいまいで、不正就労や実態の不透明さが問題視されていました。これを受け、2023年5月に在留資格「興行」の新分類と明確な要件設定が行われました。

その結果、3号という分類が設けられ、撮影・録音・広告・宣伝などの “制作ベースの商業活動” について、報酬の水準、契約内容、招聘機関の信用性、施設の適法性など、これまで以上に厳格な確認が義務付けられるようになりました。

安心・透明な制度としての評価

制度改正により、活動内容や契約の透明性が高まり、適正な対価が支払われる正当な商業活動には安定した在留資格が期待できます。一方で、無償・違法・グレーゾーン的な活動は排除されやすくなったため、法令遵守と書類準備がこれまで以上に重要です。


実務で気をつけるべきポイント(チェックリスト)

興行ビザ3号の申請を行う際、以下のようなチェックポイントを漏れなく確認することが重要です。

  • 契約書に「報酬」「期間」「活動内容」「勤務地」「役割」が明記されているか
  • 招聘機関の登記事項証明書・財務諸表・従業員名簿など、会社情報が最新かつ適切か
  • 撮影スタジオや撮影場所の情報(住所、図面、許可証、施設概要)が整理されているか
  • 作品/制作物の内容、スケジュール、場所、使用媒体(映画、テレビ、広告など)が明確か
  • 申請書類は余裕をもって、かつ正確に記入。不備がないようにダブルチェック
  • 渡航・来日スケジュールを見越し、少なくとも 2–3か月前 に申請を開始

Q&A まとめ

  • 準備開始時期は? → 来日予定の2〜3か月前が理想
  • 無報酬/趣味目的の撮影は? → 原則 NG(報酬または対価が必要)
  • 芸能実績なしでも可能? → はい、条件を満たせば可能
  • 複数撮影場所がある場合は? → 全ての施設情報を明示/添付
  • 不許可になりやすいケースは? → 契約内容不明瞭、報酬不足、施設情報不備、招聘機関の信用問題など

まとめ — 興行ビザ3号は「制作ベースの商業活動」に適した在留資格

興行ビザ3号は、まさに「撮影・録音・広告・モデルなど、ステージ興行ではなく、商業メディアや制作ベースで日本で仕事をする外国人」に向けた在留資格です。2023年の制度改正で要件が明確化され、報酬の適正性、契約の透明性、招聘機関および施設の信頼性などが重視されるようになりました。

そのため、申請の際は 契約書・会社情報・施設情報などの書類を丁寧に準備すること、そして 来日予定の2〜3か月前から余裕をもって手続きを始めること が成功の鍵となります。

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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法

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