外国人が日本人と離婚した後の在留資格は?取れるビザと選択肢を徹底解説

日本人の配偶者として日本に在留している外国人が「離婚」した場合、在留資格の継続は大きな問題になります。本記事では、離婚後にどの在留資格を選ぶべきか、変更のポイント、注意点、よくある質問などを**専門家目線**で詳しく解説します。


この記事のポイント

  • 離婚後、「日本人の配偶者等」の在留資格は継続できない
  • 状況に応じて 定住者、永住者の配偶者等(例外的)、技人国ビザ、特定活動(6ヶ月)、留学、就職」などに変更が可能
  • 嘘の申告や曖昧な説明は「偽装婚疑惑」につながり不許可リスクが高い
  • 早めの専門家相談で不許可リスクを大幅に下げられる

1. 外国人が日本人と離婚した場合に必要となる在留資格変更とは?

日本人の配偶者等ビザは、「日本人と婚姻している」ことを前提とした在留資格です。
そのため、離婚が成立した時点で在留資格の根拠が消滅します。

離婚後に必要となる手続き

  • 在留資格変更申請(必須)
  • 離婚の届出(法務省:14日ルール)

離婚を放置してそのまま生活していると、
・在留資格の取消
・オーバーステイ
・再婚や永住申請で不利
につながり、将来的に深刻な影響が出ます。


2. 離婚後に選べる在留資格は?7つのパターンを徹底解説

ここでは、離婚後の外国人が一般的に選択できる在留資格を、個別のケースに応じて詳しく解説します。


2-1. 定住者(離婚定住)

離婚後に最も相談件数が多いのが、**定住者ビザ(離婚定住)**です。

離婚定住が認められる代表的なケース

  • 日本での婚姻生活が長い(3年以上が目安)
  • 経済的に独立している
  • 日本に生活基盤がある(就労実績・住居・コミュニティ)
  • DV被害があった
  • 日本人の子どもを監護・養育している

離婚定住の審査ポイント

  • 婚姻の経緯と破綻理由の説明
  • 日本での生活状況
  • 経済能力(年収・職歴)
  • 素行要件(税金・年金・保険)

特に「子どもの監護がある場合」は、定住者が認められる大きな要素になります。


2-2. 就労ビザ(技人国・技能・特定技能など)

日本で就職している、または内定がある場合は就労ビザへの変更が可能です。

就労ビザの例

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 技能ビザ
  • 介護ビザ
  • 特定技能1号(12分野)・2号(一部分野)
  • 経営管理ビザ

ポイント

  • 大学卒業や職歴の要件と仕事内容が一致していること
  • 正社員でなくても許可されるケースあり(職種による)

2-3. 特定活動(離婚後の準備期間:6ヶ月)

日本に長く住んでいるが職が未定、定住者要件が不十分な場合は、
**特定活動6ヶ月(離婚後の準備期間)**が与えられることがあります。

特定活動(離婚後の準備期間)が認められるケース

  • すぐに就職が決まらない
  • 子どもがいる
  • 生活基盤は日本にあるが定住者要件に少し不足
  • 就労ビザの職種要件が不足

6ヶ月の間に仕事を探し、次の在留資格に変更します。


2-4. 永住者の取得(条件を満たす場合)

離婚後でも、下記に当てはまれば永住申請は可能です。

永住申請が可能なケース

  • 日本で10年以上在留
  • 5年以上の就労歴
  • 税金・年金の未納なし
  • 素行善良

「日本人の配偶者としての永住申請」は離婚でできなくなりますが、
通常の永住要件を満たせば申請可能です。


2-5. 子どもが日本人の場合の定住者

「日本人の子どもを監護・養育している場合」
どうしても審査は有利になります。

代表例

  • 子どもと一緒に住んでいる
  • 監護権がある
  • 養育費を支払っている(別居の場合)
  • 日本で教育を受けている

この場合、「定住者」の許可率が非常に高くなります。


2-6. 留学ビザへの変更

大学・専門学校で学ぶ意思がある場合は、
留学ビザへ変更して日本で継続滞在する方法もあります。


2-7. 帰国という選択

やむを得ない場合は、
・帰国準備のための短期滞在(30日)
などもあります。


3. 離婚時に絶対にやるべき3つの届出

離婚すると、外国人には次の届出義務があります。

①「日本人との離婚」の届出(14日以内)

法務省入管サイト:
https://www.moj.go.jp/isa/

②市区町村への離婚届の提出

③在留資格変更申請

※ 離婚後すぐに申請は必須


4. 離婚理由は審査に影響する?不利なケース・有利なケース

不利になりやすいケース

  • 同居期間が短い(半年以内)
  • 夫婦関係の説明が曖昧
  • 税金・社会保険の未納
  • 就労歴が不安定

有利になりやすいケース

  • 婚姻期間が長い
  • DV被害
  • 日本人の子どもがいる
  • 正社員就労
  • 貯金や資産がある

5. 不許可を避けるためのポイント

外国人が日本人と離婚した後の在留資格変更は、一般の就労ビザと比べて難易度が高いです。

不許可を避けるコツ

  • 婚姻の経緯・別居・破綻理由を正確に説明
  • 日本での生活基盤を示す(住居・仕事・収入)
  • 税金・年金は必ず納付
  • 離婚届と入管届出を期限内に
  • 今後どの在留資格で生活するかを明確に

「嘘」「曖昧」「説明不足」は最も危険です。


6. Q&A(よくある質問)

Q1. 離婚したらすぐにビザはなくなりますか?

A. すぐに失効はしませんが、在留資格変更は必須です。

Q2. 婚姻期間が短いと定住者は無理ですか?

A. DV・子どもがいる場合は可能性があります。

Q3. 別居中でも申請できますか?

A. できます。別居の経緯の説明が重要です。

Q4. 子どもが日本人なら許可されやすいですか?

A. はい。養育実態があれば非常に有利です。

Q5. 無職でもビザ変更できますか?

A. 特定活動6ヶ月で就職準備が可能なケースがあります。


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 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

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「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
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 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法