企業内転勤ビザ(在留資格「企業内転勤」)の申請は行政書士に依頼すべきですか?
企業内で海外支店から日本の拠点に転勤する外国人を受け入れる際に必要となるのが、在留資格「企業内転勤」です。しかし、申請には多くの提出書類が必要で、企業側の準備負担が大きい点が課題です。
この記事では、企業内転勤ビザの基礎知識から取得要件、提出書類、審査ポイント、そして行政書士に依頼すべき理由まで、専門家の視点でわかりやすく解説します。
目次
1.企業内転勤ビザとは|概要と対象となるケース
(1)制度の概要
企業内転勤ビザとは、日本に事業所を有する企業が、海外の本店・支店・子会社・関連会社などから外国人従業員を一定期間転勤させる際に必要となる就労ビザです。
従事できる業務は、「技術・人文知識・国際業務」に該当する専門的な業務に限られます。
具体例:
- エンジニア(設計、開発、管理等)
- 事務系総合職(営業、経理、法務等)
- 通訳・海外取引担当など語学業務
一方、工場ライン作業や清掃などの単純労働は対象外です。
(2)会社間の資本関係が必須
転勤元・転勤先の会社の間には、以下のいずれかの資本関係が必要です。
- 親会社 ⇔ 子会社(議決権50%以上)
- 親会社 ⇔ 孫会社
- 子会社同士
- 関連会社(議決権20%以上)
- 本店 ⇔ 支店
単なる業務提携は関連会社に含まれず、対象外となります。
2.企業内転勤ビザの取得要件(外国人側)
以下の4つの要件を満たす必要があります。
- 転勤期間が定められていること
- 従事する業務が専門性を有すること(技人国相当)
- 転勤直前の1年間、海外事業所で継続して同種業務に従事していること
- 日本人と同等以上の給与・待遇を受けられること
3.在留期間と更新
- 5年・3年・1年・3か月 のいずれか。
- 更新は可能で、業務が継続する限り延長できます。
上場企業など安定性の高い企業は、最長期間が許可されやすい傾向があります。
4.転職・退職時の注意点
- 転勤先を変更して別会社に移る場合は「企業内転勤」のままでは働けません。
- 多くは在留資格「技術・人文知識・国際業務」へ変更する必要があります。
- 退職後は 14日以内に「所属機関変更届」を提出 しなければなりません。
5.企業(受入企業)の条件
- 海外法人との資本関係を証明できること
- 経営状態が安定していること
- 決算書や会社案内など提出資料を揃えられること
資本関係の証明が最大のポイントです。
6.企業内転勤ビザの申請方法と流れ
【取得の流れ】
- 提出書類の準備
- 専門知識が必要で量も多いため、企業だけで準備するのは負担大。
- 在留資格認定証明書の申請(COE申請)
- 原則として外国人本人または所属機関が申請。
- 行政書士に依頼すれば「申請取次」で代理提出が可能。
- 審査(1〜3か月)
- 海外の日本大使館でビザ申請
- 来日・就労開始
審査期間目安
平均約35日(最新データ)
7.提出書類|カテゴリーにより異なる
企業は次の4区分に分類され、それにより必要書類が変わります。
- カテゴリー1:上場企業・公益法人等
- カテゴリー2:源泉徴収税額1000万円以上
- カテゴリー3:法定調書の提出がある企業
- カテゴリー4:新設企業など
※新設企業(カテゴリー4)は提出書類が最も多く、審査も厳しめです。
共通書類:
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 写真
- 返信用封筒(404円切手)
その他、企業カテゴリーに応じて
・資本関係を証明する文書
・転勤命令書
・履歴書、業務内容証明
・決算書類
など、多くの書類が必要です。
8.企業内転勤ビザは行政書士に依頼すべき?4つの理由
企業内転勤ビザは、書類量が多く審査も比較的厳しいため、行政書士に依頼するメリットが非常に大きい在留資格です。
ここでは、依頼すべき4つの理由を解説します。
(1)不許可リスクを大幅に減らせる
- 行政書士は入管法の専門家であり、過去の許可・不許可事例を熟知。
- 申請人が要件を満たすかどうか事前に判断できる。
- 書類の不備や要件の誤解による「不許可」を防げる。
特に企業内転勤は、資本関係の証明や業務内容の整理など、専門知識が不可欠です。
(2)書類作成の負担を大幅に軽減できる
必要な書類が多く、企業・外国人双方の準備負担が大きいのが企業内転勤ビザ。
行政書士に依頼すると、
- 書類作成
- 申請書の整備
- 説明文の作成
- 必要資料の案内
が一括で任せられます。
本業に集中したい企業担当者にとって大きなメリットです。
(3)申請のために来日する必要がない
申請取次行政書士に依頼する最大のメリットの一つは、
申請者が来日せずに行政書士が代理提出できること。
窓口での日本語対応や長時間待機を避けられ、外国人本人の負担が大幅に減ります。
(4)特殊ケースでも対応できる
以下のような場合は高度な判断が必要です。
- 新設企業でカテゴリー4
- 資本関係が複雑
- 役員としての転勤
- 過去に不許可歴がある
- 決算書が不安定
- 業務内容の適合性が曖昧
行政書士であれば、入管の運用に基づいて適切な書類を準備できます。
まとめ|企業内転勤ビザは専門性が高く、行政書士への依頼が最も効率的
企業内転勤ビザは、
- 提出書類が多い
- 資本関係の証明が必要
- 企業ごとに書類が変わる
- 専門性の高い業務内容が必要
- 不備があると不許可になる可能性が高い
という特徴があります。
そのため、
✔ 不許可リスクを下げたい
✔ 申請準備の負担を減らしたい
✔ 転勤スケジュールを遅らせたくない
✔ 日本語での書類作成が不安
こうした場合には、行政書士に依頼することが最も確実で効率的です。
無料相談
| まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。 |
![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |

