在留期間更新審査期間中に在留期限が到来した場合どうなる?|審査中の法的扱い・注意点を行政書士が徹底解説

外国人が在留期間更新(ビザ更新)を申請した後、審査が終わる前に在留期限が来てしまったらどうなるのか?
これは多くの方から寄せられる質問であり、誤解も多いポイントです。

本記事では、出入国在留管理庁(入管)実務に基づき、審査中の在留資格の法的扱い、働けるのか、オーバーステイになるのか、気をつけるべき点、追加資料の対応などを専門家がわかりやすく解説します。


1. 在留期間更新中に在留期限が来たらどうなる?(結論)

結論:オーバーステイにはならず、引き続き在留できます

入管法第21条により、
在留期間更新許可申請を適法に行っていれば、審査中は「みなし在留(特例期間)」として在留が許されると定められています。

つまり、

  • 在留期限前に更新申請 → OK
  • 審査が1ヶ月以上かかって期限が到来 → 在留可能
  • オーバーステイにならない
  • 退去強制の対象にもならない

安心して審査結果を待つことができます。


2. 「特例期間(みなし期間)」とは?法律上の根拠

入管法21条:申請中は従前の在留資格・在留期間を“みなす”

法的には以下のように扱われます。

  • 在留資格:現在のビザと同じものが継続
  • 在留期間:審査が終わるまで自動的に延長される扱い

これが俗に言う「特例期間」「みなし在留」と呼ばれるものです。


3. 特例期間中は働ける?就労は制限される?

原則、従来の就労内容で働けます。

たとえば、

  • 技術・人文知識・国際業務ビザ
  • 介護ビザ
  • 高度専門職ビザ
  • 技能ビザ

などの就労ビザは、審査中も同じ就労範囲で就労可能。

資格外活動許可(アルバイト許可)も同様に継続します。


4. 更新申請中に会社を退職したらどうなる?

実務上は「活動の継続性」を確認するため、入管から追加資料が来る可能性が高い

  • 転職活動中なら、求職状況の説明資料
  • 新しい会社が決まれば、内定通知書・雇用条件書

会社を辞めた事実を隠すのは絶対にNGです。


5. 審査が長引くケース:在留カードの有効期限が切れていても問題ない?

有効期限が切れても「みなし在留」なので滞在は合法

ただし、社会保険・銀行・不動産手続きでトラブルになる可能性があります。

その場合は入管で

  • 在留期間更新申請受付印のついたパスポート
  • 受付票(審査中証明)

を提示することで対応できます。


6. 特例期間が使えない場合(注意!)

以下のような場合は対象外で、滞在が“違法”になることがあります。

在留期限を過ぎてから更新申請した場合

→ 原則受理されず不法滞在になる

偽造書類など不正が疑われる場合

→ 特例期間の適用外となる可能性

在留資格取消手続中の場合

→ みなし期間が認められないケースあり


7. 更新申請後に出国したい場合の注意点

出国した瞬間、「みなし在留」は消滅します。

つまり、

  • 更新審査中に出国
  • 再入国しようとしても
  • 「みなし期間」は使えないため入国できない

原則、更新許可が出るまでは出国しないことが重要です。


8. 追加資料の要求の対応が遅れたらどうなる?

対応しないと 不許可 になる可能性が高い

特に以下の場合は必ず期限内に提出してください:

  • 就労内容の証明
  • 会社資料(決算書・登記事項証明書)
  • 納税証明書
  • 退職・転職の説明資料

行政書士に依頼してサポートを受けることもおすすめです。


9. 更新不許可となった場合の扱いと不服申立て

更新不許可が出た場合は、

30日以内の「出国準備期間」が付与されるのが通常

※即時退去にはなりません。

その間に、

  • 別の在留資格での再申請
  • 帰国準備

などの対応が可能です。


10. 更新審査期間の平均・標準処理期間

標準処理期間:2週間〜1ヶ月
(入管発表)

ただし現実には、

  • 転職直後
  • 会社の経営状態が悪い
  • 記載内容に不一致がある
  • 留学生からの就労ビザ変更
  • 技人国の職務内容が曖昧

などのケースでは、2〜3ヶ月以上になることもあります。


11. 必要書類の不足による長期化・不許可リスク

特に注意すべき書類は:

  • 源泉徴収票
  • 在職証明書
  • 契約書・辞令
  • 会社の決算書・納税証明
  • 社会保険加入証明
  • 仕事内容説明書(職務内容書)

これらに不整合があると、審査が長引きます。


12. 行政書士が解説:トラブルを防ぐためにすべきこと

在留期限の3ヶ月前には準備開始

在留期限の1〜3ヶ月前に申請

転職した場合は必ず「所属機関変更届」提出

会社の書類(決算・社会保険)を事前チェック

追加資料には迅速対応

審査中は出国しない

これでほとんどのトラブルは回避できます。


13. Q&A(よくある質問)

Q1. 審査中に在留期限が切れても、違法ではない?

違法ではありません。みなし在留で合法的に滞在できます。


Q2. 審査中にアルバイトは続けられますか?

資格外活動許可を持っていれば継続できます。


Q3. 在留カードの期限が切れていても会社で勤務できますか?

はい。従来のビザと同じ就労が認められます。


Q4. 審査中にパスポートを更新しても問題ない?

問題ありません。入管で情報更新が必要です。


Q5. 更新申請後、審査結果前に解雇された場合は?

→ 追加資料が求められますが、転職先が決まっていれば許可される可能性あり。


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      「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
    「記事監修」
    加納行政書士事務所
    運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

    代表
    特定行政書士 加納 裕之  
    「学歴」
     同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
     明治大学法科大学院修了
    「資格」
     行政書士(特定付記)、TOEIC805点
    「専門分野」
     入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法