イギリス人配偶者の永住権取得ガイド|在留資格「永住者」の条件・必要書類・審査ポイントを徹底解説

イギリス人配偶者が日本の永住権(永住許可)を取得するための条件・必要書類・審査ポイントを行政書士目線で徹底解説。配偶者ビザから永住への最短ルート、安定収入・納税状況の審査基準、よくあるQ&Aも掲載。**


1.イギリス人配偶者は永住権を取得できる?

結論:
イギリス人配偶者は、他の国籍と同様に永住権(永住許可)を取得できます。

特に、配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」)を持つ外国人は、
一般的な永住要件より緩和されている ため、永住申請のハードルが比較的低いのが特徴です。

配偶者ビザ保持者の永住申請の特例

日本人の配偶者であれば、通常の永住許可で必要な10年在留ではなく、

  • 婚姻3年以上
  • 日本在留1年以上

で永住申請が可能。

イギリス人だから厳しくなる・不利になるといったことは一切ありません。


2.永住権の申請要件(イギリス人配偶者向け)

永住許可の要件は、法務省が公開している基準に基づきます。
(外部参考:法務省「永住許可に関するガイドライン」)

以下ではイギリス人配偶者向けにやさしく解説します。


(1)婚姻要件|婚姻3年以上+在留1年以上

永住申請の特例として、
結婚して3年以上 且つ 日本に1年以上在留している 必要があります。

よくあるNGケース

  • 婚姻歴3年未満 → 原則申請不可
  • 日本在留6ヶ月など → 審査対象にならない

(2)素行要件|交通違反・税金・社会保険に注意

永住審査で最も多い不許可原因が「素行要件」です。

具体的に見るポイント

  • 無遅刻・無滞納の納税(住民税・所得税・国保・年金)
  • 軽微でも交通違反の頻度
  • 安定した生活状況

英国人の方は車を運転する方も多いため、
交通違反の累積点数や反則金の未納 は要注意です。


(3)独立生計要件|年収は300〜350万円が目安

法務省は年収の明確な基準を公表していないものの、
実務上は 年収300〜350万円以上 が目安。

世帯で判断されます

  • 日本人配偶者の収入(夫/妻)
  • イギリス人配偶者本人の収入

どちらかが基準を満たせば問題ありません。


(4)身元保証人|日本人配偶者が基本

永住申請では 身元保証人が必須 であり、
通常は 日本人の配偶者 が保証人になります。


3.永住申請に必要な書類(最新版)

ここでは実務で必要となる書類を一覧で整理します。


日本人側(配偶者)

  • 住民票(続柄入り)
  • 身元保証書
  • 課税証明書
  • 納税証明書
  • 住民税の納税記録
  • 在職証明書 or 事業証明(自営業の場合)

イギリス人側

  • パスポート
  • 在留カード
  • 住民票
  • 課税・納税証明書
  • 雇用を証明する書類
  • 年金記録(国民年金・厚生年金)

家族に関する書類

  • 婚姻届受理証明書(必要な場合)
  • 家族写真(任意・信ぴょう性強化)

行政手続き関連

  • 永住許可申請書
  • 理由書(提出推奨=審査UP効果)
  • 住居の間取り図(任意)

4.イギリス人配偶者の永住審査で重視されるポイント

行政書士として実務経験から、審査官が特に重視するポイントを整理します。


(1)婚姻の信ぴょう性(最重要)

日本人と英国人の婚姻は国際結婚であるため、
「偽装結婚ではないか」 が必ずチェックされます。

チェックされる例

  • 交際開始時期の整合性
  • 実際に同居しているか
  • SNS・写真・通話記録などの客観資料
  • 年齢差・馴れ初めの自然さ

(2)安定収入と職歴

イギリス人配偶者の方は、英語講師・ITエンジニア・外資系勤務が多いため、

  • 雇用形態(正社員か)
  • 契約期間(更新可能か)
  • 転職回数が多くないか

も審査ポイントになります。


(3)納税状況の完璧さ

永住申請で最も大きい失敗ポイントです。

  • 国民年金の未納は不許可リスク大
  • 住民税の未納・遅延もNG
  • クレジットの延滞も影響

英国人配偶者が日本に来て間もない場合、年金加入漏れが多いため注意が必要です。


(4)日本で安定した生活基盤があるか

  • 家族との同居
  • 就職先の安定性
  • 長期的な生活計画(理由書で説明)

5.配偶者ビザから永住権取得までのスケジュール

永住申請は時間がかかるため、計画が重要です。


ステップ1:婚姻 → 配偶者ビザ取得

すでに「イギリス人配偶者を日本に呼ぶ手続き」を行っている場合はここが完了しています。


ステップ2:婚姻3年以上+日本在留1年以上

永住申請の最短ルール。


ステップ3:永住申請書類を準備(1〜2ヶ月)

特に納税証明・年金記録に時間がかかることが多いです。


ステップ4:出入国在留管理局で申請

受付後に 審査期間は12ヶ月前後


ステップ5:永住許可(カード受領)

永住許可が出れば在留期間は無期限(在留カード7年更新のみ)。


6.よくある不許可事例と回避方法


(1)納税・年金の未納がある

→ 過去2年分すべて納付し記録を整える。


(2)世帯年収が不安定

→ 日本人配偶者が就職する/フルタイムに変更してカバー。


(3)婚姻期間が短く同居の証拠が薄い

→ 写真・同居契約・生活費共有の証拠を蓄積。


(4)転職回数が多い

→ 理由書でキャリアの一貫性と将来の安定性を説明。


7.Q&A(よくある質問)


Q1. イギリス人配偶者は永住申請が有利になりますか?

特に有利・不利はありません。国籍による差はありません。


Q2. 英国籍のままでも永住できますか?

はい。永住許可は国籍と無関係です。


Q3. 結婚して3年未満でも永住を申請できますか?

原則不可です。


Q4. 子どもが生まれた場合、永住は取りやすくなりますか?

必ずしも有利になるわけではありませんが、家族の生活基盤としてプラス評価 になります。


Q5. 英語講師で年収300万円台ですが永住は可能?

世帯合算で300〜350万円あれば申請可能です。


8.まとめ|イギリス人配偶者の永住権は“婚姻3年+在留1年”が最短ルート

イギリス人配偶者の永住権取得は、
配偶者ビザの特例を使うと最短で申請可能 です。

  • 婚姻3年以上
  • 日本在留1年以上
  • 納税・年金の完璧な管理
  • 安定した収入
  • 結婚の信ぴょう性

この5つを満たせば永住の許可率は大幅に上がります。

実務上、永住申請は「書類の抜け漏れ」や「立証不足」で不許可になるケースが非常に多いため、
早めの準備が重要です。


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参考リンク

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      「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
    「記事監修」
    加納行政書士事務所
    運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

    代表
    特定行政書士 加納 裕之  
    「学歴」
     同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
     明治大学法科大学院修了
    「資格」
     行政書士(特定付記)、TOEIC805点
    「専門分野」
     入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法