高度専門職ビザはどれくらいの審査期間ですか?取りやすい高度人材ポイントは何ですか?
高度専門職ビザは、在留期間が1号で最長5年、2号では無期限となる在留資格です。他の在留資格と比べて優遇措置が多く、海外から日本で働く高度人材に人気のビザですが、実際に取得するにはどのくらいの審査期間がかかるのでしょうか。ここでは、申請の種類ごとの審査期間と、通過しやすくなるポイントについて詳しく解説します。
目次
1. 高度専門職ビザの申請にかかる審査期間
高度専門職ビザには「1号」と「2号」があります。まずはそれぞれの審査期間を確認しましょう。
(1)高度専門職1号(イ)の審査期間
対象者:高度学術研究活動に従事する外国人
公私の機関の契約に基づき、研究や指導業務を行う方が対象です。
| 手続き | 平均審査期間 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付 | 20.4日 |
| 在留資格変更 | 29.8日 |
(2)高度専門職1号(ロ)の審査期間
対象者:高度専門・技術活動に従事する外国人
科学分野に関する知識・技術を活かせる業務に就く方が対象です。
| 手続き | 平均審査期間 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付 | 18.1日 |
| 在留資格変更 | 30.8日 |
(3)高度専門職1号(ハ)の審査期間
対象者:高度経営・管理活動に従事する外国人
事業の経営や管理業務に従事する方が対象です。
| 手続き | 平均審査期間 |
|---|---|
| 在留資格認定証明書交付 | 44.2日 |
| 在留資格変更 | 39.0日 |
※1号(ハ)は、研究や技術活動よりも審査に時間がかかる傾向があります。
(4)高度専門職2号への変更審査期間
対象者:高度専門職1号の取得者で、3年以上の活動を継続した方
在留資格変更にかかる平均期間は54.4日です。
2. 高度専門職ビザ申請の審査ポイント
高度専門職ビザの取得にあたっては、以下のポイントが重視されます。
- 高度専門職に該当する活動であること
1号(イ)(ロ)(ハ)それぞれで対象となる活動が異なります。研究、科学分野、事業経営以外の活動は対象外となる可能性があります。 - ポイントが70点以上あること(高度人材ポイント制)
学歴、職歴、年齢、年収などの項目で合計70点以上が必要です。 - 在留状況や素行が良好であること
不適切な在留状況や素行がある場合、許可が下りないことがあります。
3. 高度専門職ビザの審査に通りやすい人の特徴
審査に通りやすい人には共通する特徴があります。具体的に3つのポイントを紹介します。
(1)日本国内の大学を卒業している人
日本の大学卒業者には、学歴ポイントの加算があります。
例:高度専門職1号(イ)のシミュレーション
| 区分 | 項目 | ポイント |
|---|---|---|
| 学歴 | 博士号取得者(専門職に係る学位を除く) | 30 |
| 学歴 | 複数の分野で博士号・修士号・専門職学位を保有 | 5 |
| 学歴 | 本邦の高等教育機関で学位取得 | 10 |
| 学歴 | 法務大臣告示の大学卒業者 | 10 |
| 年齢 | ~34歳 | 10 |
| 年収 | 500万円 | 15 |
| 合計 | 80 |
学歴だけで55ポイント獲得し、年齢・年収を加えて70点以上をクリアしています。
(2)実務経験が長い人
職歴の長さに応じてポイントが加算されます。
例:高度専門職1号(ハ)のポイント表
| 実務経験年数 | ポイント |
|---|---|
| 3年以上 | 10 |
| 5年以上 | 15 |
| 7年以上 | 20 |
| 10年以上 | 25 |
シミュレーション例:
| 区分 | 項目 | ポイント |
|---|---|---|
| 学歴 | 博士号または修士号取得者 | 20 |
| 学歴 | 法務大臣告示大学卒業者 | 10 |
| 職歴 | 10年以上 | 25 |
| 年収 | 1,500万円 | 20 |
| 合計 | 75 |
10年以上の職歴があることで、大きな加点となっています。
(3)年収が高い人
年収によるポイント加算は大きく、特に1号(イ)(ロ)で有利です。
| 年齢 | 29歳以下 | 34歳以下 | 39歳以下 | 40歳以上 |
|---|---|---|---|---|
| 1,000万円 | 40 | 40 | 40 | 40 |
| 900万円 | 35 | 35 | 35 | 35 |
| 800万円 | 30 | 30 | 30 | 30 |
| 700万円 | 25 | 25 | 25 | 25 |
| 600万円 | 20 | 20 | 20 | – |
| 500万円 | 15 | 15 | – | – |
| 400万円 | 10 | – | – | – |
シミュレーション例:
| 区分 | 項目 | ポイント |
|---|---|---|
| 学歴 | 修士号取得者 | 20 |
| 職歴 | 5年以上 | 10 |
| 年齢 | 29歳以下 | 15 |
| 年収 | 700万円 | 25 |
| 合計 | 70 |
年収ポイントだけでも基準の70点をクリアできることがわかります。
まとめ
高度専門職ビザは、1号でまず取得し、条件を満たせば2号への変更が可能な在留資格です。
- 1号(イ)(ロ)は比較的短期間で審査が完了
- 1号(ハ)はやや長め
- 2号への変更は平均54日程度
取得のためには活動内容の適合、ポイント70点以上、素行の良好さが重要です。
日本の大学卒業者や実務経験が長く、年収が高い方は審査通過の可能性が高くなります。
高度専門職ビザの取得を検討している方は、ポイント計算と在留資格該当性の確認を事前に行い、スムーズな申請を目指しましょう。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |

