日本で教育を受ける外国人の方は、「留学」の在留資格と**留学ビザ(査証)**が必要です。日本の大学などに入学する場合も同様で、在留期間は最長で4年3ヶ月となります。

1. 「留学」の在留資格と留学ビザについて

(1)留学ビザ(査証)の取得

留学ビザとは、日本で教育を受けるために必要な査証(ビザ)のことです。

  1. まず、日本国内の出入国在留管理庁にて、**在留資格認定証明書(COE)**を取得します(通常は留学先の学校が代理申請します)。
  2. COE受領後、自国にある日本国大使館または領事館にて**留学ビザ(査証)**の申請を行います。

(2)留学ビザ発行の主な要件

留学ビザを発行するためには、主に以下の3つの要件を満たす必要があります。

要件名内容
① 活動要件日本の教育機関に入学して教育を受けること。
② 資力要件日本での滞在期間中の生活に必要な費用(学費、生活費など)を賄える十分な資産(奨学金を含む)があること。
③ 教育要件下記のいずれかに該当すること。
・日本語教育機関で6ヶ月以上の日本語教育を受けた者
・日本の教育を受けるに足りる日本語能力を試験により証明された者
・日本の小学校・中学校・高等学校で1年以上の教育を受けている者

【日本語能力を証明する主な試験】

  • 日本語能力試験(JLPT):N2以上
  • 日本留学試験(EJU)・日本語:200点以上
  • BJTビジネス日本語能力テスト:400点以上

2. 在留資格「留学」を取得する流れ

日本への留学準備から入国までの手続きは、**「日本での手続き(学校が代理申請)」「自国での手続き(ご自身で申請)」**に分かれます。

手順自国での手続き(ご自身で申請)日本での手続き(留学先が代理申請)
志望校へ出願・受験→合否判定(志望校による)
入学許可書受領(ビザ申請に必要)←合格者へ入学許可書を送付
在留資格認定証明書(COE)交付申請(志望校が代理で入管へ申請)

COEの交付審査(出入国在留管理庁にて)

在留資格認定証明書(COE)受領(志望校へ送付)
在留資格認定証明書(COE)受領←COE原本を送付(志望校からご自身へ)
ビザ(査証)の申請(COE受領後、自国の日本国大使館で申請)
日本国大使館でビザ発行の手続き
来日・空港で上陸許可申請
(パスポート、ビザ、COE原本などが必要)
→上陸許可・在留カード交付
(指定の空港から入国し、在留期間3ヶ月超の場合)

【ビザ申請に必要な書類(自国での手続き)】

  • 旅券(パスポート)
  • 査証申請書(外務省HPからダウンロード可)
  • 写真
  • 在留資格認定証明書

3. 在留資格「留学」の申請に必要な書類

在留資格「留学」の申請に必要な書類は、志望校が**「適正校」**であるかどうかで異なります。適正校とは、留学生の管理が適切に行われていると認められた学校のことです。

ここでは、留学先の学校が代理人となって出入国在留管理庁に在留資格認定証明書(COE)を申請する際の主な必要書類をまとめます。

(1)適正校の場合の主な必要書類

必要書類備考欄
在留資格認定証明書交付申請書出入国在留管理庁HPでダウンロード可。
写真規定の規格を満たしたもの。申請書に添付。
返信用封筒定型封筒に宛先を明記し、簡易書留用404円分の切手を貼付。
旅券(パスポート)の身分事項ページの写し
履歴書最終学校卒業後5年以上経過している場合必要。
奨学金給付に関する証明書奨学金を受ける場合に必要。
研究内容を証する文書研究生として受け入れられる場合に必要。
認定不交付処分または在留不許可処分についての説明資料過去に処分を受けたことがある場合に必要。
その他(進路説明資料、履修届の写し、大学の管理体制文書など)該当する場合に必要。

(2)適正校でない場合の主な必要書類

適正校の書類に加え、主に資力要件に関する書類がより詳細に求められます。

必要書類備考欄
在留資格認定証明書交付申請書
写真、返信用封筒、旅券の写し適正校と同様。
履歴書
最終学校の卒業証明書
日本語能力の証明書外国大学などの卒業証明書提出時は不要。
経費支弁書出入国在留管理庁HPでダウンロード可。
経費支弁者と申請人の関係を証明する資料
預金残高証明書原本を用意。
過去3年間の資金形成経緯を明らかにする資料
奨学金給付に関する証明書奨学金を受ける場合に必要。
認定不交付処分または在留不許可処分についての説明資料過去に処分を受けたことがある場合に必要。
その他(進路説明資料、履修届の写し、大学の管理体制文書など)該当する場合に必要。

【書類提出の注意点】

  • A4サイズの片面印刷で統一。
  • 原本提出が求められているものは、発行後3ヶ月以内のものに限る。
  • 外国語の書類には日本語訳を添付すること。

(3)申請時期と交付までの期間

  • 申請にかかる期間:通常、1ヶ月~3ヶ月程度です。
  • 申請の主体:通常、留学先の大学などの教育機関が代理人となって申請します。
  • 重要なこと:各大学は入学時期(一般的には4月と9月)に間に合うよう申請期限を定めているため、必ず志望大学の留学生窓口で申請時期と期限を確認してください。

4. 在留資格認定証明書(COE)と留学ビザ(査証)

在留資格認定証明書(COE)と留学ビザは、発行元が異なります。

書類発行元
在留資格認定証明書(COE)出入国在留管理庁(日本国内)
留学ビザ(査証)自国の日本国大使館・領事館(海外)

COEを取得後、ビザを申請する際にはCOEを提示することで、ビザの審査が早くなります(通常1~5業務日で発行可能)。COEがない場合は1~3ヶ月かかることがあるため、必ずCOEを取得してからビザ申請を行いましょう。

【COEの有効期限】

COEの有効期限は交付日から3ヶ月です。この期間内に日本へ入国し、上陸許可の審査を受ける必要があります。


この手続きは複雑に見えるかもしれませんが、多くの場合、留学先の学校が「在留資格認定証明書(COE)」の申請をサポートしてくれます。

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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法