専門学校で留学するには?留学ビザ申請の必要書類・条件・注意点を徹底解説
目次
1. 専門学校留学で必要な「留学ビザ(在留資格『留学』)」とは
日本で専門学校に通うためには、在留資格「留学」を取得する必要があります。
このビザは、法務省入管庁が定める出入国管理及び難民認定法第19条に基づくもので、大学・短大・専門学校・日本語学校などに在籍して教育を受ける外国人に付与されます。
専門学校への入学を希望する場合、留学ビザの申請は入学予定校を通じて行うのが一般的で、本人単独での申請はできません。
まずは、学校に「入学願書」「経費支弁資料」などを提出し、学校が代理で在留資格認定証明書(COE)を申請します。
🔗 参考:出入国在留管理庁|在留資格「留学」
2. 留学ビザ申請の基本条件
専門学校留学で留学ビザを取得するための主な条件は以下のとおりです。
- 日本の専門学校(専修学校専門課程)に正式に入学すること
- 入学前に必要な学歴(12年以上の教育課程修了など)を満たすこと
- 日本での生活・学費を支弁できる十分な経済力を証明できること
- 学業目的が明確であり、就労目的ではないこと
これらの条件を満たしていないと、書類が揃っていても不許可になる場合があります。
3. 専門学校留学ビザに必要な書類一覧
専門学校留学で「在留資格認定証明書(COE)」を申請する際に必要な書類は、主に次の3種類に分かれます。
| 区分 | 書類例 |
|---|---|
| ① 学校側が用意する書類 | 入学許可証、授業内容証明、学校概要、申請代理人資料など |
| ② 本人(留学生)が用意する書類 | 学歴証明書、卒業証明書、成績証明書、履歴書、パスポート写しなど |
| ③ 経費支弁者(親など)が用意する書類 | 経費支弁書、残高証明書、収入証明書、納税証明書など |
以下では、それぞれの書類について詳しく解説します。
4. 学校側が準備する書類
専門学校が代理で申請を行うため、次のような書類を学校が作成・提出します。
- 入学許可証(発行予定の場合は「入学予定証明書」)
- 授業内容や教育課程の概要書
- 学校概要書(専修学校設置認可証など)
- 申請取次者(学校職員)の資格証明
- 申請理由書(入管提出用)
これらは通常、専門学校が留学生の代理としてまとめて提出します。
入学希望者は学校の指示に従い、必要書類を提出する形となります。
5. 申請者(留学生本人)が準備する書類
留学生本人が準備すべき主な書類は次のとおりです。
- パスポート写し(顔写真ページ)
- 写真(縦4cm×横3cm):3か月以内撮影、背景なし
- 履歴書(学歴・職歴・日本語学習歴含む)
- 最終学歴証明書(卒業証書または修了証書)
- 成績証明書(学業成績を示す書類)
- 日本語能力証明書(JLPT、J-TEST、NAT-TESTなど)
- 日本語学校の出席・成績証明書(すでに在日している場合)
- 在学証明書や推薦書(母国の学校から)
特に日本語能力の証明は審査上重要です。
専門学校によっては、JLPT N2以上や日本語学校で6か月以上の学習歴を求める場合もあります。
6. 経費支弁者(資金提供者)が準備する書類
留学ビザ審査で最も重要なのが「経費支弁能力の証明」です。
主に次のような書類が必要になります。
- 経費支弁書(様式は学校指定)
- 預金残高証明書(銀行発行・残高は1年以上の学費+生活費目安)
- 収入証明書または在職証明書
- 納税証明書
- 送金経路の証明(過去の送金明細など)
- 経費支弁者の身分証明書写し(パスポートやIDカードなど)
審査のポイント:
経費支弁者と申請者の関係性(親族関係)と資金の出所が明確であることが重要です。
7. 書類作成時の注意点とよくある不備
よくある不備例
- 日本語能力証明書の期限切れ
- 経費支弁者の署名漏れや金額記載の不一致
- 銀行残高証明の金額が不足(目安:年間150〜200万円以上)
- 送金経路や資金形成の説明不足
- 写真サイズや背景が規定外
書類作成時のポイント
- 日本語で統一(英語・母国語の書類は日本語訳を添付)
- 提出日から3か月以内の発行書類を使用
- 入管庁の最新版ガイドラインに従うこと
8. 審査期間と不許可の主な理由
🕓 審査期間
- 在留資格認定証明書の審査期間:約1.5〜3か月
- ビザ申請から発給まで:約1〜2週間
入学時期(4月・10月)に合わせて、3〜6か月前から準備を開始するのが理想です。
不許可になる主な理由
- 経費支弁能力が不十分
- 学業目的が不明確(就労目的と疑われる)
- 学歴や日本語能力が基準未達
- 書類の虚偽・不備が発覚
不許可になった場合は、理由を確認したうえで再申請が可能です。
ただし、虚偽申請が判明した場合は再申請が難しくなるため注意が必要です。
9. ビザ取得後の手続き(入国・在留カード・住民登録)
入国時
空港で「在留カード」が交付されます。
入国後14日以内に住民登録を行い、在留カード住所欄に記載してもらう必要があります。
入学後の管理
- 学校への出席率80%以上を維持する
- 資金状況を報告する義務あり
- アルバイトは「資格外活動許可」を取得後、週28時間以内で可能
10. よくある質問Q&A
Q1. 経費支弁者が日本在住の場合でも申請できますか?
はい、可能です。
ただし、在日支弁者の場合も収入証明書・納税証明書の提出が求められます。
Q2. 自分で資金を用意した場合はどうなりますか?
自己資金の場合は、本人名義の残高証明書と**資金形成経緯(貯金経過や送金記録)**を明示する必要があります。
Q3. 不許可になった場合、再申請できますか?
できますが、不許可理由書を確認し、修正・補強したうえで再申請することが重要です。
Q4. どのくらいの日本語力が必要ですか?
大学や専門学校によってはN2レベルを要求する場合もあります。
11. まとめ
専門学校留学の「留学ビザ」申請では、学校・本人・経費支弁者の3者がそれぞれ正確な書類を準備することが重要です。
とくに経費支弁書類や日本語能力証明は審査の要となるため、事前準備を徹底しましょう。
信頼できる専門学校を選び、入管庁の最新ガイドラインを確認することが、留学ビザ取得成功のカギです。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |

