【短期滞在ビザの取得期間】申請から交付までの流れと注意点を徹底解説


1.短期滞在ビザとは?

短期滞在ビザとは、観光・親族訪問・商用連絡などを目的に日本に90日以内滞在するためのビザです。
外務省による定義では、「観光・保養・親族訪問・業務打合せなど、報酬を受けない活動」に限って認められるとされています。

主な目的別の分類は次のとおりです。

区分具体的な内容
観光目的観光・短期旅行・友人訪問
親族訪問両親・子供・親戚の訪問、冠婚葬祭
商用目的会議・商談・契約・市場調査・業務連絡など

※報酬を得る活動は「短期滞在」ではなく「就労ビザ」が必要です。

短期滞在ビザの在留期間は15日・30日・90日のいずれかであり、入国審査官が個別に決定します。
また、年間180日を超える滞在は認められない運用(通称「180日ルール」)があります。


2.短期滞在ビザ取得に必要な期間

(1)外務省の公式基準

外務省によると、**「申請受理の翌日から概ね5営業日で結果が出る」**と案内されています。
つまり、申請後1週間以内に交付されるケースが多いということです。
(出典:外務省公式サイト

ただし、次のような事情があると日数が延びることもあります。

  • 書類不備や追加資料の提出
  • 面接・照会の必要がある場合
  • 申請件数の多い繁忙期(春・夏・年末年始)

(2)実務上の目安

行政書士実務や大使館の発表を総合すると、以下の期間が現実的な目安です。

段階所要期間内容
書類準備3日〜2週間招へい状・保証書・旅程表等を準備
申請受付から審査完了まで約5営業日〜1週間特に問題なければ標準期間内で交付
審査遅延・追加照会あり2〜4週間書類不備・照会などの場合
ビザ有効期間発給日から3か月この間に入国しないと無効になります

したがって、出発日の2〜3週間前までには申請完了が理想です。
特に親族訪問や商用目的の場合は、早めの書類準備が欠かせません。


3.ビザ取得が遅れる主な原因と対策

短期滞在ビザの審査が遅れるケースには一定の傾向があります。
以下の要因を避けることで、スムーズな取得が可能です。

(1)書類不備・内容不一致

最も多い原因です。申請書の記載漏れ、招へい理由書の記載不足、保証人の収入証明欠如などが該当します。
特に「旅程表」が具体的でないと、審査官が活動目的を判断できず、照会が入ることがあります。

対策:大使館・領事館公式サイトの必要書類リストを参照し、原本・翻訳書・署名漏れの有無を確認しましょう。
行政書士に事前チェックを依頼するのも有効です。


(2)活動目的が曖昧・誤分類

「商用目的」のつもりで申請したが、実際には就労活動と判断されるケースがあります。
また、「親族訪問」として申請したのに、親族関係を証明する書類が不十分な場合も同様です。

対策:目的を明確にし、活動が「報酬を伴わない短期滞在」に該当するかを事前に確認します。
不明確な場合は、入管庁の在留資格一覧ページを確認してください。


(3)年間滞在日数が多い(180日ルール)

過去の滞在履歴が多い場合、「実質的に居住している」と判断されることがあります。
その場合、短期滞在ではなく定住・家族滞在・就労ビザなどの在留資格を求められる場合もあります。

対策:過去の入国・出国履歴を整理し、滞在目的が明確であることを説明できるようにしておきましょう。


(4)繁忙期の混雑

春・夏の観光シーズンや年末年始には申請件数が集中します。
審査官の対応件数増加により、通常より数日〜1週間遅れることもあります。

対策:旅行会社・親族・商用先との日程調整を早めに行い、出発の1か月前には申請を完了するスケジュールを立てましょう。


4.短期滞在ビザの申請から入国までの流れ

以下は、親族訪問・商用などを想定した一般的な流れです。

(1)ステップ①:日程・目的の確定

  • 渡航目的(観光・親族訪問・商用など)を決定
  • 滞在予定日数と宿泊先を確定
  • 招へい人(日本側)または申請人(海外側)と旅程を共有

(2)ステップ②:必要書類の準備

在外公館ごとに異なりますが、一般的な必要書類は次の通りです。

  • 査証申請書(写真貼付)
  • パスポート(残存期間が十分あること)
  • 招へい理由書・身元保証書
  • 旅程表(滞在目的・宿泊先・訪問先を具体的に記載)
  • 招へい人の在留カード・収入証明書(親族訪問の場合)
  • 航空券予約確認書・ホテル予約書類(観光の場合)

詳細は外務省の公式リストをご確認ください。
外務省|査証(ビザ)


(3)ステップ③:在外公館で申請

  • 日本大使館・総領事館・領事事務所へ提出(国によってはVFS等の代理機関経由)
  • 代理申請可否、受付時間、必要な予約手続きを確認
  • 通常「申請受理翌日から5営業日」程度で結果が通知されます。

(4)ステップ④:審査・交付

  • 審査中に追加書類提出を求められる場合があります。
  • 発給後、パスポートに査証シールが貼付されます。
  • 有効期間は通常3か月であり、この間に日本へ入国する必要があります。

(5)ステップ⑤:日本入国・滞在

入国審査にて在留期間(15・30・90日)が決定されます。
短期滞在ビザでは在留カードは交付されません
滞在期間を超えて滞在するとオーバーステイとなり、将来のビザ審査に大きく影響します。


5.よくある質問(Q&A)

Q1. 最短で何日で取得できますか?
→ 外務省基準では「5営業日」で交付されますが、実務では1週間〜10日程度を見込むのが安心です。

Q2. いつから申請できますか?
→ 原則として、出発予定日の3か月前から申請可能です。
国によって異なるため、在外公館のHPを必ず確認してください。

Q3. 申請が遅れる原因は?
→ 書類不備・招へい理由の不明確さ・繁忙期・180日ルール該当などが主な要因です。

Q4. ビザ発給後、いつまでに入国しないといけませんか?
→ 発給日から3か月以内に入国しないと、ビザは失効します。


6.行政書士からの実務アドバイス

短期滞在ビザは、書類が整っていれば比較的早く取得できるビザですが、
「親族関係の証明」「帰国意思の明確化」「経済的基盤の裏付け」が弱いと、
数週間以上の追加審査になるケースもあります。

とくに近年は偽装申請防止の観点から、
申請人の職業・収入・家族構成・訪問目的を慎重に確認する傾向があります。

そのため、

  • 書類は日本語訳を添付
  • 招へい理由書には具体的な訪問理由を書く
  • 保証人の年収証明を添える

といった形で、誠実で明確な書類構成を心がけることが重要です。


7.まとめ

短期滞在ビザの取得期間は、原則5営業日〜1週間程度ですが、
書類不備・追加照会などで延びるケースもあります。

確実に取得するためのポイントは次の通りです。

・ 出発の2〜3週間前までに申請を完了
・ 招へい状・保証書・旅程表を正確に作成
・ 滞在目的を明確にし、報酬を伴わないことを証明
・ 180日ルールに注意して渡航回数を管理

短期滞在ビザの審査は「スピードよりも信頼性」が重視されます。
正確で整った書類を準備し、余裕あるスケジュールで臨みましょう。


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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
加納行政書士事務所
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代表
特定行政書士 加納 裕之  
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 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
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 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法