【住民税未納と配偶者ビザ申請】徹底解説|未納があっても許可される?行政書士が詳しく解説!
目次
1.住民税の未納・滞納は配偶者ビザ申請に影響する?
結論から言えば、住民税の未納・滞納は配偶者ビザの審査に影響します。
特に「納税義務を果たしていない」場合、生計の安定性・誠実性の欠如と判断され、不許可のリスクが高まります。
ただし、「未納=即不許可」ではありません。
未納の理由や現在の納付状況、今後の改善姿勢によっては、許可が下りるケースもあります。
2.住民税の納付状況が重視される理由
配偶者ビザ(在留資格「日本人の配偶者等」または「永住者の配偶者等」)では、婚姻の真実性に加えて、**安定した生活基盤(生計要件)**が重視されます。
入管庁は、以下の3点を通して生計の安定性を判断します。
- 年収や勤続状況(課税証明書)
- 納税状況(納税証明書)
- 家計の支出・貯蓄などの実態(必要に応じて提出)
つまり、税金をきちんと納めている=生活が安定している証拠となるのです。
そのため、未納があると「経済的に不安定なのでは?」と見られやすくなります。
3.未納・滞納がある場合に不許可になるケース
以下のようなケースでは、不許可になるリスクが高まります。
| 状況 | 不許可リスク | 理由 | 
|---|---|---|
| 数年間、住民税を一切納めていない | 高い | 生計維持能力の欠如と判断 | 
| 会社員なのに特別徴収分が未納 | 中程度 | 勤務先の管理不備・信頼性に影響 | 
| 滞納通知を放置している | 高い | 誠実性の欠如と判断 | 
| 申請時に納税証明書で未納が明記されている | 高い | 証拠としてマイナス評価 | 
特に未納状態を隠して申請するのは厳禁です。
入管庁は自治体や税務署との情報照合を行うことがあり、虚偽申告が発覚すると将来の申請にも悪影響を及ぼします。
4.配偶者ビザ審査における「生計要件」との関係
住民税の未納は、主に「生計要件」に関わります。
入管は、次のような観点で審査を行います。
- 安定した収入があるか
- 税金・社会保険料を適切に支払っているか
- 日本での生活基盤が維持できるか
つまり、税金を納める力があるかどうかが判断のポイントです。
5.未納がある場合の具体的な対処法
住民税に未納がある場合でも、以下の手順を踏むことで許可の可能性を高められます。
(1)すぐに納付または分納手続を行う
未納がある場合は、自治体の税務課で分納相談をしましょう。
分納契約を結び、**「誠実に支払っている証拠」**を提出できれば、入管に誠意を示すことができます。
提出できる資料例
- 納付書の写し
- 分納誓約書(自治体発行)
- 既に支払った領収書
(2)納税証明書を最新の状態で提出する
古い証明書では未納情報が残っている場合があります。
**申請直前に発行された納税証明書(最新年度)**を提出することが重要です。
(3)理由書を添付する
一時的な事情(病気・失業・出産など)で未納になった場合、理由書を添付すると効果的です。
「なぜ未納になったのか」「今後どのように対応しているのか」を説明しましょう。
6.延滞金や分納中でも許可される可能性はある?
はい、あります。
入管は**「納税義務を果たす姿勢があるか」**を重視します。
以下のような場合は、分納中でも許可される可能性があります。
- 分納計画に基づき、毎月確実に納付している
- 延滞分も完済予定である
- 申請時に自治体からの分納証明を添付している
行政書士の現場でも、「分納中だが誠実に支払っている」として許可された事例があります。
7.提出書類で確認される「課税証明書」と「納税証明書」の違い
配偶者ビザ申請では、課税証明書と納税証明書の2種類を提出します。
違いを明確に理解しておきましょう。
| 証明書の種類 | 内容 | 入管での確認目的 | 
|---|---|---|
| 課税証明書 | 年収・課税額 | 収入の安定性 | 
| 納税証明書 | 納付状況 | 誠実性・納税意識 | 
この2つが一致していない(課税はあるのに納税証明が「未納」)場合は、審査官の目に止まるポイントとなります。
8.永住者の配偶者ビザ申請との違い
「日本人の配偶者等」と「永住者の配偶者等」では、審査基準が微妙に異なります。
| 在留資格 | 審査での住民税の重視度 | 理由 | 
|---|---|---|
| 日本人の配偶者等 | 中〜高 | 生活の安定性を重視 | 
| 永住者の配偶者等 | 高 | 永住者世帯としての信頼性が問われる | 
永住者世帯の場合、納税・社会保険加入の履行状況がより厳しくチェックされます。
未納がある場合は、永住ビザや永住者の配偶者ビザともに影響が大きいため、早期対応が必須です。
9.よくある質問(Q&A)
Q1. 配偶者が外国人で、自分(日本人)が住民税未納でも許可されますか?
→ 未納のままでは不利です。日本人側が主たる生計維持者であるため、未納があると「生活の安定性がない」と判断されます。
申請前に必ず納付、または分納手続きを行ってください。
Q2. 住民税を滞納していたが、完納後すぐ申請してよいですか?
→ 問題ありません。ただし、納税証明書に「完納」記載がある最新のものを提出してください。完納直後であっても、誠実に対応している姿勢が評価されます。
Q3. 自営業で住民税の申告をしていない場合は?
→ 申告をしていないと「無収入」と扱われ、審査上マイナス評価です。必ず確定申告・住民税申告を行い、課税証明書を取得してください。
Q4. 延滞金が残っている場合は不許可になりますか?
→ 延滞金はあっても、本税を支払っている場合は原則問題なしです。分納契約中であることを証明できれば許可の可能性は十分にあります。
10.まとめ:住民税未納があっても「誠実な対応」で許可の可能性を高める
住民税の未納・滞納は、確かに配偶者ビザ申請に悪影響を与える要素です。
しかし、未納を正直に申告し、誠実に納付・分納対応を取る姿勢を示せば、許可の可能性は十分に残されています。
行政書士としての実務経験上、重要なのは以下の3点です。
- 未納を放置せず、必ず税務課で相談する
- 最新の納税証明書を添付する
- 理由書で誠実な説明を行う
税金の滞納は、婚姻の真実性よりも「生活力」に関わる部分として見られます。
誠実に手続きを進めることが、結果的にビザ許可への最短ルートになります。
11.関連記事
- 【完全解説】年金未納・滞納がある場合でも配偶者ビザ申請できる?審査への影響と対策【日本人の配偶者等】
- 再婚相手が外国人の場合の配偶者ビザ申請で注意すべきポイント【完全ガイド】
- 貯金や預金で生活基盤を立証する方法|無職・転職中の配偶者ビザ対策【完全ガイド】
参考リンク
無料相談
| まずは、無料相談に、お気軽にお申込み下さい。ご相談の申し込みは、「お問い合わせページ」から承っております。なお、無料相談は事前予約制とさせて頂いています。 | 
|  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 | 

