ロシア人の親族を日本に呼ぶには?必要なビザ・手続き完全ガイド
目次
はじめに:ロシア人の家族を日本に呼ぶために必要な手続きとは?
「ロシアに住む家族を日本に呼びたい」「日本で一緒に暮らしたい」というご相談は非常に多くあります。
しかし、ロシア人の親族を日本に呼ぶためには**在留資格(ビザ)**が必要であり、親族の範囲や目的によって申請できるビザの種類が異なります。
本記事では、ロシア人の配偶者・子ども・両親・兄弟姉妹などを日本に呼ぶ際の手続き・要件・必要書類を詳しく解説します。
また、申請時の注意点や不許可を避けるポイントも併せて紹介します。
1.ロシア人の親族を日本に呼ぶための基本知識
ロシア人の家族を日本に呼ぶためには、「観光目的」か「長期滞在目的」かによって申請すべきビザが異なります。
(1)短期滞在(親族訪問)の場合
ロシアに住む親族を一時的に日本に招待する場合、「短期滞在ビザ(親族訪問)」を申請します。
滞在期間は90日以内で、観光や家族訪問、冠婚葬祭などの目的に限られます。
(2)長期滞在(同居・扶養など)の場合
家族と日本で一緒に生活する場合は、在留資格「家族滞在」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」など、在留資格(ビザ)の種類が異なります。
2.呼び寄せられる親族の範囲
ロシア人を日本に呼べる親族の範囲は、ビザの種類によって制限があります。
親族の関係 | 招へい可能性 | 該当ビザの種類 |
---|---|---|
配偶者 | 可能 | 日本人の配偶者等/永住者の配偶者等 |
子ども | 可能 | 家族滞在/定住者(場合により) |
両親 | 原則短期滞在、条件付き中長期 | 特定活動(扶養理由が必要) |
兄弟姉妹 | 短期滞在のみ | 短期滞在(親族訪問) |
婚約者 | 短期滞在のみ | 短期滞在(親族訪問)または結婚後配偶者ビザ申請 |
※親族訪問はあくまで「一時滞在」であり、日本での長期同居を目的とする場合は認められません。
3.ロシア人の親族を呼ぶ際の主なビザの種類と目的別申請区分
(1)短期滞在ビザ(親族訪問)
- 目的:短期間の家族訪問・観光・冠婚葬祭など
- 滞在期間:15日、30日、90日のいずれか
- 提出先:ロシア国内の日本大使館または総領事館
- 必要書類(日本側):
- 招へい理由書
- 身元保証書
- 招へい人の在職証明書または課税証明書
- 滞在予定表
- 招へい人・保証人の身分証明書コピー
参考リンク:
外務省:査証(ビザ)
(2)家族滞在ビザ
- 目的:就労ビザを持つロシア人や外国人の配偶者・子どもを帯同
- 在留資格:「家族滞在」
- 主な対象者:
- 技術・人文知識・国際業務ビザを持つ外国人の配偶者や子
- 特定技能・経営管理ビザ保持者の家族
- 審査ポイント:扶養能力・生活費の安定・婚姻の真実性
(3)特定活動ビザ(両親・扶養目的)
- 目的:高齢のロシア人両親を扶養するために日本に呼ぶ場合
- 在留資格:「特定活動」
- 要件:
- 招へい人(日本人・永住者等)の扶養義務があること
- 経済的に安定していること(年収目安400万円以上)
- 両親が母国で扶養者を欠くこと
この定住者ビザは審査が非常に厳しく、「扶養の必要性」を具体的に立証することが重要です。
介護理由や健康状態を示す診断書、扶養送金記録などが有効です。
4.ロシア人親族を呼ぶための招へい手続きの流れ
ステップ①:目的を明確にする
まず「何のために」「どの期間」日本に呼ぶのかを整理します。
短期訪問なのか、長期同居なのかで必要なビザが変わります。
ステップ②:日本側が書類を準備
日本在住の招へい人(日本人・永住者・就労ビザ保持者)が、招へい理由書や身元保証書などを作成します。
ステップ③:ロシア側が日本大使館へ申請
在ロシア日本大使館・ウラジオストク総領事館などでビザ申請を行います。
審査期間は通常1〜2週間程度。
ステップ④:ビザ交付・入国
許可が下りると、ロシア人親族は日本に入国し、滞在を開始できます。
参考リンク:在ロシア日本大使館
5.必要書類一覧(目的別)
目的 | 主な必要書類(日本側) | 提出先 |
---|---|---|
親族訪問(短期) | 招へい理由書・身元保証書・滞在予定表・在職証明書等 | 在ロシア日本大使館 |
配偶者呼び寄せ | 結婚証明書・戸籍謄本・住民票・課税証明書・写真等 | 出入国在留管理庁 |
両親呼び寄せ(定住者) | 扶養理由書・送金記録・医師診断書・経済証明書類 | 出入国在留管理庁 |
※すべての書類は日本語または英語訳付きで提出する必要があります。
参考リンク:出入国在留管理庁:在留資格認定証明書交付申請
6.不許可になりやすいケースと対策
ロシア人の親族呼び寄せでは、以下のような理由で不許可となるケースが多いです。
婚姻や親族関係の信ぴょう性が低い
→ 結婚証明書・出生証明書など公的書類で関係を立証
→ SNS・写真・通信履歴などで交流の実態を補足
経済的に扶養できる証拠がない
→ 課税証明書・源泉徴収票・預金残高証明で補強
滞在目的が曖昧
→ 招へい理由書を具体的に。
例:「出産立ち会い」「一時的な家族訪問」「介護目的」など。
7.よくある質問(Q&A)
Q1:ロシア人の親を日本に呼ぶことはできますか?
A:可能ですが、扶養や介護が必要であることを立証しなければなりません。単なる同居目的では認められません。
Q2:ロシア人の兄弟姉妹を日本に招待したい場合は?
A:「短期滞在(親族訪問)」ビザで90日以内の訪問は可能です。長期滞在は基本的に不可です。
Q3:ビザ申請は日本でできますか?
A:原則としてロシア国内(モスクワ、ウラジオストクなど)の日本大使館・総領事館で行います。
Q4:在留資格認定証明書は必要ですか?
A:長期滞在目的(家族滞在・定住者など)の場合は必要です。短期滞在ビザでは不要です。
8.まとめ|ロシア人親族を日本に呼ぶ際は目的に合ったビザ選択を
ロシア人の家族を日本に呼ぶには、目的・関係性・滞在期間に応じて最適なビザを選ぶことが重要です。
特に、両親を呼ぶ場合などは定住者ビザでの審査が厳しく、扶養の必要性と経済能力の証明が鍵となります。
行政書士などの専門家に相談しながら、必要書類の作成や理由書の内容を整えることで、不許可リスクを減らすことができます。
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |