ロシア人配偶者が日本で永住権を取得する条件|配偶者ビザから永住申請までの流れ【完全ガイド】

ロシア人の配偶者が日本で永住権を取得する条件を徹底解説。配偶者ビザから永住申請までの手続きの流れ、必要書類、審査のポイントを専門行政書士がわかりやすく解説します。


1.ロシア人配偶者が日本で永住権を取得できるのはどんな場合?

ロシア人が日本で永住権(在留資格「永住者」)を取得するには、
日本人配偶者として在留している場合(在留資格「日本人の配偶者等」)から永住許可申請
を行うのが一般的です。

つまり、ロシア人配偶者が永住を目指すためには、まず合法的に配偶者ビザで日本に滞在していることが前提となります。

日本の永住権は、原則として「素行善良」「独立生計」「永住の利益」が審査基準です(出入国在留管理庁「永住許可に関するガイドライン」参照)。

参考リンク:
出入国在留管理庁|永住許可に関するガイドライン


2.永住申請の主な条件

ロシア人配偶者が永住を申請できる条件は、日本人の配偶者等ビザを3年以上保持していることが基本です。

(1)在留期間の条件

  • 日本人と結婚してから概ね3年以上婚姻関係が継続しており、
  • 日本に1年以上継続して在留していること。

ただし、結婚後の実態(同居、生活実態、扶養状況など)が安定していれば、
在留期間が「3年未満」でも永住が許可される例外もあります。

(2)素行が善良であること

  • 税金(住民税・所得税・国民健康保険料など)を滞納していない
  • 違反・犯罪歴がない
  • 交通違反が頻発していない

(3)独立した生計を営んでいること

  • 配偶者(日本人)の収入で家族の生活が安定していること
  • 共働きでも可。夫婦で年間所得が概ね250万円以上あれば目安を満たします。

(4)婚姻の実態

配偶者の永住申請では「婚姻の実態」が非常に重要です。
書類上の婚姻ではなく、実際に同居していること・婚姻生活が安定していることが審査されます。


3.ロシア人が永住申請するまでの具体的な流れ

ステップ①:現在の在留資格を確認

まず、ロシア人配偶者が「日本人の配偶者等」の在留資格を持っているか確認します。

ステップ②:在留状況を安定させる

税金・年金・保険料をきちんと納め、生活基盤を整えましょう。
ここが不備だと、永住許可は難しくなります。

ステップ③:必要書類を準備

配偶者ビザの更新時よりも多くの証明資料が必要です(後述)。

ステップ④:地方出入国在留管理局へ申請

ロシア人配偶者本人が居住地を管轄する入管(地方出入国在留管理局)で申請します。

ステップ⑤:審査期間

通常、永住許可の審査には6ヶ月~1年程度かかります。
審査期間中も配偶者ビザの有効期限が切れないよう注意が必要です。


4.永住申請に必要な書類一覧

主な書類は以下の通りです(個人状況によって追加を求められる場合あり)。

書類名提出者
永住許可申請書本人
写真(4cm×3cm)本人
理由書(任意)本人
住民票(世帯全員)本人
在留カードの写し本人
日本人配偶者の戸籍謄本日本人側
納税証明書(市町村発行)世帯主または本人
所得証明書日本人配偶者
源泉徴収票・確定申告書控日本人配偶者
国民年金・健康保険の納付証明書世帯主
婚姻の実態資料(写真・メッセージ・送金記録など)任意添付

5.永住許可審査で重視されるポイント

出入国在留管理庁は以下の観点を重点的に審査します。

  1. 婚姻の安定性・継続性
     偽装結婚を防ぐため、実際に同居しているかが重要。
     SNS・写真・生活費の共有など、婚姻の実態を示す資料が有効です。
  2. 日本社会への定着度
     仕事・納税・地域活動・日本語能力などを含め、
     どれだけ日本社会に溶け込んでいるかが評価されます。
  3. 将来的な生活の安定性
     失業・無収入期間が長い場合は、再就職の見通しを理由書で説明しましょう。

6.永住申請が不許可になる主な理由

  • 婚姻実態が確認できない(別居・短期間婚など)
  • 税金・年金・保険料の未納がある
  • 所得が著しく低い
  • 過去に交通違反や軽犯罪がある
  • 提出書類が不十分または虚偽

不許可になった場合でも、再申請は可能です。
理由書を添えて再申請することで許可される例も多くあります。


7.永住許可後の注意点

永住権を取得すると、在留期間や活動制限がなくなり
日本で自由に働いたり転職することが可能です。

ただし、次の点には注意が必要です。

  • 永住者でも日本を1年以上離れると在留資格が失効する場合あり
  • 10年ごとに在留カードの更新が必要
  • 離婚しても永住資格は原則維持されますが、長期海外滞在は避けるべきです

8.よくある質問(Q&A)

Q1:結婚して2年しか経っていませんが、永住申請できますか?
→ 原則3年以上の婚姻継続が必要です。

Q2:ロシア人配偶者の日本語力は必要ですか?
→ 明確な基準はありませんが、日常生活レベルの日本語理解力があれば有利です。

Q3:収入が少なくても大丈夫ですか?
→ 世帯全体で安定して生活できていれば問題ありません。共働きや貯蓄の証明も有効です。

Q4:離婚した場合、永住権はどうなりますか?
→ 永住許可取得後であれば、離婚しても資格は原則維持されます。
 ただし、永住後すぐの離婚は「偽装婚」疑念を招く場合があります。

Q5:ロシア人の家族(子供)も永住できますか?
→ 配偶者が永住許可を得た後、子供は「定住者」または「永住者の子」として申請が可能です。


9.まとめ:ロシア人配偶者の永住申請は「安定した結婚生活」と「納税」がカギ

ロシア人の配偶者が永住権を取得するためには、
婚姻の継続性・安定性・納税実績・生計の安定が重要です。

審査では「日本社会に定着しているか」が最大のポイント。
安定した結婚生活を維持し、税金や保険料を誠実に納めることで、
永住許可の可能性は大きく高まります。


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  「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」  同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))  明治大学法科大学院修了 「資格」  行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」  入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法
「記事監修」
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運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/  

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特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法