2025年改正で厳格化|経営・管理ビザ取得の新ルールと注意点完全ガイド

2025年10月、出入国在留管理庁は「経営・管理」ビザの上陸許可基準を大幅に改正しました。これにより、外国人経営者が日本で会社を設立・経営するための条件は、従来よりも厳格化されています。特に学歴要件、中小企業診断士等による事業計画の評価、資本金・常勤職員の要件は大きく見直されました。本記事では、最新改正を踏まえ、許可要件、申請手順、審査ポイント、Q&Aまで詳しく解説します。


経営・管理ビザとは

経営・管理ビザは、外国人が日本国内で事業を経営または管理するために必要な在留資格です。このビザにより、外国人は法人を設立し、取締役や代表者として日本国内で活動できます。従来の条件では資本金500万円以上、常勤職員2名以上という基準でしたが、2025年改正で厳格化されています。


2025年改正の概要

省令改正のポイントは以下の通りです(出入国在留管理庁資料より):

  • 資本金の引き上げ:500万円以上 → 3,000万円以上
  • 常勤職員の要件:2名以上 → 1名以上
  • 学歴要件の新設:博士・修士・専門職学位の取得を要件に追加
  • 職歴要件:経営・管理に3年以上の実務経験が必要
  • 事業計画評価の厳格化:中小企業診断士等の専門家による評価書の提出必須
  • 日本語能力要件の新設:申請者又は常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力(N2以上)を有すること
  • 提出書類の明確化:資本金や常勤職員に関する資料の提出が必須化

最新許可要件の詳細

1. 事業所の確保

  • 日本国内に独立した事業所を確保していること
  • バーチャルオフィスや自宅兼事務所のみでは原則不可
  • オフィス賃貸契約書や登記簿謄本で実在を証明

2. 資本金・常勤職員の条件

  • 資本金3,000万円以上であること
  • 常勤職員1名以上が従事していること
  • 両方の条件を同時に満たすことが必要

3. 学歴・職歴要件

  • 学歴要件:博士、修士、専門職学位を有すること
  • 職歴要件:経営・管理に3年以上従事していた経験を有すること
  • 日本での起業の場合、特定活動での在留経験も加味可能

4. 事業計画の提出

  • 中小企業診断士等の専門家による評価を受けた事業計画書が必須
  • 収益性・継続性・事業の適正性を明確に示すこと
  • 単なるアイデアではなく、数字で示せる計画が必要

5. その他提出書類

  • 資本金の額・出資総額を証明する書類
  • 常勤職員の賃金支払証明書、住民票、在留カード等
  • 学位証明書・職歴証明書

申請手順・必要書類

  1. 事業所確保
    • 賃貸契約書、登記簿謄本で実在を証明
  2. 事業計画作成
    • 中小企業診断士等の評価書を含む
  3. 必要書類準備
    • 資本金・出資証明書
    • 常勤職員証明書類
    • 学位・職歴証明書
  4. 在留資格認定証明書(COE)申請
    • 出入国在留管理庁へ提出
  5. 審査・許可
    • 事業規模、計画書、学歴・職歴を基に審査
  6. 入国・在留資格変更
    • 許可後に日本へ入国、または他の在留資格から変更

専門家による事業評価の重要性

  • 中小企業診断士等の専門家が事業計画を評価
  • 投資額、収益計画、雇用計画の妥当性を判断
  • 評価書は審査官にとって重要な参考資料
  • 計画の信頼性が高いほど許可率が向上

審査ポイントと注意点

  • 事業所実在性:単なる住所提供は不可
  • 資本金の出所:合法的な資金であること
  • 事業計画の現実性:赤字見込みのみの計画は不可
  • 雇用の安定性:常勤職員の雇用実態が確認される
  • 学歴・職歴の信頼性:偽装や虚偽は絶対不可

よくある質問(Q&A)

Q1: 資本金3,000万円未満でも申請可能ですか?
A1: 原則不可です。常勤職員1名以上を確保した上で資本金要件を充足する必要があります。

Q2: 自宅兼事務所での起業は可能ですか?
A2: 原則不可。独立した事業所が必要です。

Q3: 学歴が修士以上でなければ申請できませんか?
A3: 経営経験3年以上があれば、学歴要件を代替可能ですが、審査は厳格です。

Q4: 中小企業診断士の評価書がない場合は?
A4: 原則必須。評価書がない場合、申請却下の可能性が高いです。

Q5: 事業計画書の具体的な内容は?
A5: 資本金の使途、売上予測、雇用計画、利益計画、マーケティング戦略を明確に記載します。


まとめ

2025年の改正により、経営・管理ビザの取得要件は学歴・職歴・事業計画の評価など、総合的に厳格化されました。申請を検討する際は、資本金、常勤職員、学歴・職歴、専門家による評価書の準備が必須です。専門家の助言を受けながら、数字で裏付けられた事業計画を作成することが成功への鍵となります。

参考リンク

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