ワーキングホリデーで日本で働くと所得税はいくら?非居住者の税率20.42%を徹底解説【完全ガイド】

ワーキングホリデービザで日本に滞在して働く場合、所得税はいくら引かれるのか?
「給料から20%以上も引かれているけど、なぜ?」と感じた方も多いでしょう。

この記事では、ワーキングホリデーでの所得税率(20.42%)の根拠・例外・還付・申告の有無などを、実務経験に基づいてわかりやすく解説します。
雇用主・ワーホリ参加者の双方に役立つ内容です。


1.ワーキングホリデー(特定活動5号・5号の2)とは?

ワーキングホリデーとは、日本と協定を結んだ国の若者が、1年間日本に滞在しながら働くことを認める制度です。
在留資格は「特定活動(5号・5号の2)」とされ、一般的にフルタイム就労が可能です。

参考:外務省|ワーキングホリデー制度

日本での就労収入は日本国内源泉所得にあたるため、所得税法に基づいて課税対象となります。


2.所得税率「20.42%」の根拠とは?

ワーキングホリデー参加者の給与から**20.42%**が天引きされるのは、日本の税法上「非居住者」扱いになるためです。

根拠となる税率

  • 所得税:20%
  • 復興特別所得税:0.42%(所得税×2.1%)
    → 合計:20.42%

この税率は「一律課税」であり、所得金額に応じて変動しません。
つまり、給与が10万円でも30万円でも、常に20.42%が源泉徴収されます。


3.非居住者と居住者の違い

非居住者とは?

日本に住所を持たず、滞在期間が1年未満の人を「非居住者」といいます。
ワーキングホリデー参加者のほとんどはこの扱いです。

非居住者は、日本国内で得た所得(給与など)にのみ課税されます。

居住者になるケース

もし日本で1年以上滞在したり、生活の本拠地が日本に移ったりした場合は、居住者扱いとなり、累進課税(5〜45%)が適用されます。


4.税率が変わる・免除される例外ケース

(1)租税条約がある国の場合

出身国と日本の間に租税条約がある場合、所得税が軽減・免除されることがあります。

たとえばカナダ・イギリス・オーストラリアなど多くの国が該当します。
この場合、**「所得税条約適用届出書」**を勤務先経由で税務署に提出すれば、20.42%の源泉徴収が免除されることがあります。


(2)住民税は原則かからない

ワーキングホリデー中は、住民税の対象外です。
住民税は「1月1日に日本に住所がある人」が課税対象なので、非居住者扱いのワーホリ参加者には原則かかりません。


(3)副業・報酬所得がある場合

アルバイト以外に、フリーランス報酬・広告収入などを得た場合、それも日本国内源泉所得なら課税対象となります。
非居住者の場合は控除が適用されないため、税負担が高くなる可能性があります。


5.実際の税金の流れ(源泉徴収〜納付)

雇用主は、給与を支払うたびに20.42%を源泉徴収し、翌月10日までに税務署へ納付します。

例:

  • 月給:150,000円
  • 所得税:150,000 × 20.42% = 30,630円
    → 手取り:約119,370円

源泉徴収票は帰国前に必ず受け取りましょう。
後日、母国で税務申告する際に必要になる場合があります。


6.確定申告や還付はできる?

基本的には不要

非居住者の給与所得は、源泉徴収で課税が完結するため、確定申告は不要です。

ただし、還付される場合もある

以下のケースでは、確定申告により還付を受けられる可能性があります。

  • 租税条約の適用を受けるべきなのに源泉徴収された
  • 源泉徴収税額の計算ミスがあった

その場合は、「納税管理人」を日本に置くことで、帰国後も申告可能です。


7.出国前の手続きと注意点

出国前に行うこと

  • 源泉徴収票の受領
  • 雇用主に退職日を伝える
  • 納税管理人の届出(還付を受けたい場合)
  • 住民票の廃止手続き

これらを怠ると、帰国後に税金還付を受けられないことがあります。


8.よくある質問(Q&A)

Q1. アルバイト収入が少なくても20.42%引かれますか?
A. はい。所得額に関係なく一律20.42%が課税されます。

Q2. 年末調整は必要ですか?
A. 非居住者には年末調整制度がありません。源泉徴収のみで完結します。

Q2. 滞在が1年を超えた場合は?
A. 税法上「居住者」扱いとなり、累進課税に切り替わります。


9.まとめ|ワーキングホリデー中は20.42%源泉が基本

区分税率備考
非居住者20.42%一律課税(還付なし)
居住者5〜45%累進課税・控除あり
条約適用者0〜免除条約により異なる

ワーキングホリデー中の給与は、原則20.42%源泉徴収されます。
ただし、租税条約や滞在期間の長期化によっては税率が変わることも。

出国前には、源泉徴収票と税務書類の受け取りを忘れずに
必要に応じて、税務署・専門家に相談することで、余分な税負担を防ぐことができます。


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「記事監修」
加納行政書士事務所
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代表
特定行政書士 加納 裕之  
「学歴」
 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学))
 明治大学法科大学院修了
「資格」
 行政書士(特定付記)、TOEIC805点
「専門分野」
 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法