短期滞在ビザでのマルチビザとは?複数回入国の条件と取得方法【完全ガイド】
短期滞在ビザのマルチビザとは何か、単回入国ビザとの違いや複数回入国の条件、取得方法を詳しく解説。観光や商用で何度も日本に入国したい方必見。必要書類や申請のポイントも網羅。
目次
1. 短期滞在ビザとは
短期滞在ビザ(短期滞在査証)は、日本に90日以内の滞在を目的として訪れる外国人に対して発行されるビザです。主な利用目的は以下の通りです。
- 観光・レジャー
- 親族・友人の訪問
- 商用・会議参加
- 短期の学術研究や文化活動
短期滞在ビザは就労目的での活動は原則不可で、在留資格「短期滞在」に分類されます。詳しくは出入国在留管理庁の在留資格「短期滞在」を参照してください。
2. 単回入国ビザとマルチビザの違い
短期滞在ビザには単回入国ビザと**マルチビザ(複数回入国ビザ)**の2種類があります。
種類 | 特徴 | 有効期間 | 入国回数 |
---|---|---|---|
単回入国ビザ | 1回のみ日本に入国可能 | ビザに記載 | 1回 |
マルチビザ | ビザ有効期間中に複数回入国可能 | 数か月〜数年(例:1年、3年) | 有効期間内で何度でも可能 |
ポイント:マルチビザは短期滞在ビザの延長ではなく、同一条件で何度も日本に入国できる特別な許可です。
3. 短期滞在マルチビザの取得条件
マルチビザを取得するには、以下の条件を満たす必要があります。条件は申請者の国籍や渡航目的によって異なる場合があります。
3-1. 信頼性・経済力の証明
- 過去の日本入国歴があること
- 適法な滞在歴があること
- 十分な経済力があること(預金残高や所得証明)
3-2. 旅行・滞在の目的が明確
- 観光、商用、親族訪問など
- 商用の場合は会社からの招待状や訪問予定表の提出
3-3. 滞在期間の遵守
- 過去の短期滞在ビザでの滞在日数を遵守している
- 過去にオーバーステイがない
3-4. その他の条件
- 申請者がマルチビザを利用して短期滞在する理由が合理的であること
- 日本側の招へい人や会社が信頼できること(商用マルチビザの場合)
4. マルチビザの有効期間と滞在日数
マルチビザでは有効期間と1回あたりの滞在可能日数が設定されます。
- 有効期間:1年、3年、5年など
- 滞在日数:通常15日、30日、90日
例:
- 3年有効のマルチビザ:ビザ有効期間中に何度でも入国可能
- 1回の滞在:90日以内
※有効期間=ビザ自体の期限、滞在日数=入国ごとの滞在可能期間です。混同しないよう注意が必要です。
5. マルチビザの申請方法・必要書類
5-1. 申請先
- 日本の在外公館(大使館・領事館)で申請
- 日本入国管理局では申請不可
5-2. 必要書類
国籍や渡航目的により異なりますが、一般的には以下が必要です。
- 査証申請書(所定様式)
- パスポート(残存期間6か月以上推奨)
- 写真(最近6か月以内、規定サイズ)
- 滞在目的の証明
- 観光:旅行日程表、ホテル予約証明
- 商用:招待状、訪問予定表
- 経済力の証明
- 銀行残高証明、給与明細
- 過去の日本入国歴・滞在履歴
5-3. 申請の流れ
- 必要書類を準備
- 在外公館に提出
- 審査(1〜2週間程度)
- ビザ発給
※申請者がマルチビザを希望する場合は、申請書に明記することが重要です。
6. 注意点・よくある誤解
- 滞在期間を延長できるわけではない
マルチビザは「複数回入国できる」だけで、1回の滞在日数は90日以内など厳格に制限されます。 - 仕事は原則不可
観光・商用・親族訪問以外の活動(就労や長期滞在)は不可。 - 入国を拒否される可能性がある
ビザを持っていても、入国時に入国審査官が入国を認めない場合があります。過去のオーバーステイや不法滞在歴がある場合、注意が必要です。
7. 短期滞在マルチビザのQ&A
Q1. マルチビザを持っている場合、毎回入国審査で特別な手続きは必要ですか?
A1. 特別な手続きは不要です。ただし、パスポートとビザを提示する必要があります。入国カードや税関申告書の提出は従来通り必要です。
Q2. マルチビザの滞在日数は延長できますか?
A2. 原則として不可です。滞在期間を延長したい場合は、入国管理局で在留資格変更や延長許可申請が必要です。
Q3. 家族で観光の場合、全員マルチビザが必要ですか?
A3. はい、家族全員が別々にビザを取得する必要があります。家族滞在ビザではありませんので注意してください。
Q4. 商用マルチビザは誰でも取得できますか?
A4. 会社の信頼性や申請者の過去入国歴、渡航目的の合理性などを総合的に審査されます。条件を満たさない場合は取得できません。
Q5. マルチビザは自動更新できますか?
A5. 自動更新は不可です。有効期限が切れる前に再申請する必要があります。
8. まとめ
短期滞在ビザのマルチビザは、日本に複数回入国したい観光客・商用利用者に最適なビザです。しかし、滞在日数や活動目的には制限があり、過去の滞在歴や経済力が重要な審査ポイントとなります。
マルチビザの取得には、以下を押さえておきましょう:
- 申請条件を確認(信頼性・経済力・目的の明確化)
- 必要書類を整えて在外公館で申請
- 滞在日数や活動目的の制限を遵守
- 過去のオーバーステイ歴がある場合は特に注意
より詳細な情報は法務省や外務省の公式ページを確認してください。
参考リンク
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![]() 「記事監修」 加納行政書士事務所 運営HP:ビザ申請サポートNavi https://visasupportnavi.net/ 代表 特定行政書士 加納 裕之 「学歴」 同志社大学大学院法学研究科公法学専攻博士前期課程修了(修士(法学)) 明治大学法科大学院修了 「資格」 行政書士(特定付記)、TOEIC805点 「専門分野」 入管取次・ビザ申請、在留資格、永住・帰化、外国人問題、国際公法 |